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マニアが聴きたがっていたインシュレーター&ボード



 A&Vvillage 62号でインシュレーター11種類とオーディオボード3種類の一斉試聴がありました。レポーターはいつもおなじみの村井裕弥さん、今井 明さん、深川響司さんの3人です。

ローゼンクランツ PB-BIG ¥28,000/1個

● 村井裕弥

 輪郭がきっちり描けている

 モダンヴァイオリンの弦は、もちろんスチール製。その「らしさ」を過度に強調することなく、おいしく聴かせてくれるところが最大の魅力か(この聞こえ方、けっこうハリム氏の生音に近いぞ。テンションが強くならないところが好ましい)。

 伴奏ピアノも、「木と金属で作られた楽器だ」というリアルな響きに重心の低さ、今回聴いたインシュレーター11種の中でトップ・クラス。細かい表情づけがわかりやすくなり、間接音の中から汲み取れる情報量も俄然増える。

 マーラー「巨人」は、弦楽合奏にきっちりフォーカスが来る。輪郭がきっちり描けているのはもちろん、細部までしっかり分析的に聴ける(かといって、暴き立てタイプの高解像度ではないから安心されたし)。


● 今井 明

 カイザー入魂の作

 カイザーサウンドの通常インシュレーターとしては最もサイズの大きいものであり入魂の作だ。アテフ・ハリムでは一聴して弦の響きが柔らかく感じられ細かい演奏の変化やニュアンスが良く聴こえるようになる。

 言葉にしにくい演奏の綾のような部分と言ったら良いだろうか、そのような部分の伝わり方がまるで違う。マーラーでは音蝕はソフトだがコントラバスの響きが心地良く音の分離よりもハーモニー重視の表現。

 ケミストリーではこのインシュレーターが一番印象に残った。声の温かみやコーラスの気持ちの良さ、明るく聴いていて楽しい音色で実に人間的な感触でバランスとまとまりが良く楽しめた。


● 深川響司

 抑揚や表情を良く出す

 同社の製品らしく、演奏の抑揚や表情を良く出すインシュレーターである。ヴァイオリンの音色は輝きと潤いが両立し、ピアノは低域の輪郭がはっきりした重厚な鳴り方。オーケストラは各パートの分離はもとよりハーモニーの美しさに惹かれる。

 コントラバスの胴鳴りなど実にリアルで、ライブ録音ならではの熱気を良く伝えてくれる。ジャズでは各楽器のリズム感が素晴らしく、特にピアノの音は低音の重量感と、高音の軽やかさが見事な対比を見せ、スイング感も抜群。

 ポップスでのシンセサイザーを使った打ち込みの重心が下がった鳴り方も好ましいが、やはり、アコースティック楽器のテイストを肌で感じ取りたいユーザーに使って欲しい製品だと感じた。

A&Vvillage 62号より転載


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