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流れる音楽が「羽化」しました


 ----- Original Message -----
 From: "N.N"
 To: info@rosenkranz-jp.com
 Sent: Wednesday, November 26, 2003 4:55 AM
 Subject: 試聴レポート

 貝崎様

 こんばんは、Nです。

 本当は明日の晩にレポートを提出、と思い途中まで書いていたのですが、今晩、信じられない「羽化」を体験し、居てもたってもいられなくなったため興奮のままに急遽レポートを書き直すことにしました。

 「ナイアガラSt」.、もう「すごい」の一言です!!

 一度付けたが最後、もう外せなくなってしまいました。

 実はこの1年で、清水の舞台から飛び降りる覚悟で、それまで貯めてきた全財産をオーディオ機器に降り注ぎました。しかし、出てくる音にはいつも不満を抱えていました。

  • サ行がキツイ、低音が暴れる・・・
  • 細かい不満を上げればキリがないですが、簡単に言えば「音楽が楽しめない」。
  • 長時間聞いていると曲によって耳が痛く感じてしまう。
  • 機器のグレードを上げ、レンズを磨けば磨くほど、その粗が見えてくる。
  • 「音楽を楽しく聴くため」の手段であったオーディオが、気がついたら「オーディオを活かす」ために、手段として録音の良いCDを選別してしまっている。

 そしていつの間にか、特定のCDしか聴かなくなってました。その状態を打破したくて依頼した訪問クリニック。条件は「機材も配置も今のまま変えずに、出てくる音を改善したい」こんな無茶な注文を、貝崎さんは見事に解決してくれました。

 ラックやケーブル、スピーカーのスパイクや端子に至るまで徹底的な方向合わせ。クリニック後、見た目には何の変化もない我が家のオーディオから出てきた音は想像さえしなかった「天上の調べ」でした。それまでは「この部分は高域が・・・ここでは低域が・・・」と、いかに自分が解析的に音楽を聴いていたのか、いや聴かされていたのかを思い知らされました。

 とにかく出てくる音が自然なのです。まるでフルレンジで聴いているような音の一体感。今までデコボコだった地面が一瞬で平坦に慣らされたような、そんな感じです。部屋の空気が透き通り、目の前にあった不快な壁が取り払われたような、お祓いによって邪気を取り除いてもらったような、肌で感じる違い。普段ローゼンクランツのホームページで見ていた方向性の重要さ、その場で体験して初めて、その言葉の重さを実感しました。


 そして、ここで満を持して登場したのが「ナイアガラSt.」。このタップに変えた途端、空気が変わりました。無色透明だった音楽が、鮮やかに色付いてきたのです。しかし、その喜びもつかの間。翌日には一変して物足りない、レンジの狭い音にしぼんでしまいました。

 ここから数日、音は良くなったり悪くなったり。何とも落ち着かない状態が続きました。正直、クリニックの日の記憶は興奮による幻覚だったのかと思い始め、あまり良いレポートにはならないなぁ(^^;;;と困ってました(苦笑)。


 それが今日、突然に部屋に流れる音楽が「羽化」しました。

 まるで音に翼が生えたように、

 生き生きと部屋中を満たしてくれる音楽。

 躍動感、生命感、そんな言葉でしか表現できない音楽。


 これまで「音が悪い」と聴かなくなってしまった古いCD、

 邦楽POPをかけても、思わず笑みがこぼれてしまう。

 聴いてるだけで楽しい!!、

 後1枚、もう1枚、・・・、「平日なんだ!」、

 「明日は会社なんだ!」と叫ぶ理性を衝動が抑え込んでしまう。

 これはもう麻薬の音、天上の調べです。

 
 どんなジャンルでも、どんなに古いソースでも、楽しく生き生きと歌いだす命の箱。一音一音すべてが躍動感に溢れ、ほとばしるエネルギーを肌で感じられる。部屋の空気すべてが、音楽に変わってしまう。無心で流れる音楽に耳を傾けてしまう。決して誇大表現でないことは、このタップを体験した人なら理解してくれると思います。

 この度は貴重な経験をさせて頂き、誠にありがとうございました。

  ********************************

 さて、ここで貝崎さんに相談があります。元々このレポートに応募したのは、噂のタップがどれだけの物なのかを体験したかったのと、あわよくば半額で買えれば、、、と期待してのことでした。

 しかし、今はもう半額うんぬんは関係ありません。もうこのタップを、音を手放したくない、定価でも何でもこのまま返却せずに手元に置きたい。是非ともこのまま購入したいと考えてます。

 ただ、もしワガママが通ればもう一つお願いがあります。このコストパフォーマンスを体験してしまうと、兄貴分のナイアガラJr.の旗色が悪いなぁと素直に感じてしまいますが、しかし人間の欲とは怖いもので、例えこの倍の価格でも、それに値する音が手に入るのならJrを買ってしまおうか、とも迷い始めています。

 もしJrがお借りしているSt.が足元にも及ばない製品なら、是非そちらを購入したい。そこで、可能であれば比較試聴用にJr.も追加でお借りできませんか?そしてその上で、気に入った方を購入させて頂けないでしょうか?多忙なスケジュールの中、無理を言っているのは重々承知していますが、無理を押してお願いいたします。

 うちの機器のポテンシャルを貝崎さんの力で開花させてください!!!。


 先日のクリニックのお代、できればタップのお代と一緒に振込みたく存じますので、是非とも良いお返事を期待しています。

 ・・・さて、1時間半だけでも仮眠しなきゃ(汗)


 先日N.N様宅に伺い、その様子を詳しく“お客様訪問記”で、ご紹介していますのでご覧ください。

 本日入金いたしました

 ----- Original Message -----
 From: "N.N"
 To: info@rosenkranz-jp.com
 Sent: Thursday, November 27, 2003 8:52 PM
 Subject: 本日入金いたしました

 こんばんは、N.Nです。
 
 本日クリニックとナイアガラSt.の代金を振込みしましたのでご確認ください。
 
 第二弾、という訳ではありませんが、先日のレポートがあまりに勢いだけの内容であったため(あれはあれで飾り気のない感想として有りかなと思いますが(笑))、簡単ながら補完の感想を書き連ねました。


 貝崎さんのサイトで「ナイアガラJr.」の記事として9/9に紹介されているK.Iさんのレポートを拝見しました。驚くべきことは、ここでK.Iさんが述べられている感想が、そのままこのSt.にも感じられることです。これまで様々なサイトや雑誌で試聴記事やレポートを読んできましたが、その通り!!と思わずポンと手を叩いたのは初めてでした。

 K.Iさんの言葉を借りれば、st.もやはり「これはまさに、NIAGARAの直系」である。いや、NIAGARAの血筋を色濃く受け継いだサラブレッドであると言えるでしょう。


 部屋全体を覆いつくす柔らかく広い音場。
 
 一音一音が部屋の空気の中に溶け込み、
 
 凝縮したエッセンスとして耳に届く心地よさ。
 
 どっしりとしたピラミッドのような三角形の骨格。
 
 そして息吹が聞こえるような艶と生々しい躍動感溢れるエネルギー。


 音に命が吹き込まれたと言えば良いでしょうか。無機質で冷たいCDから、演奏者、歌手が語りかけてくるようです。聴いていて楽しい音。ジャズのように元気を分けてもらえる音なのです。

 K.Iさんは先のレポートで「ローゼンクランツ的バランスに再生が激変する」と書かれていますが、この音が貝崎さんの求める音なのでしょうね。知り合いのオーディオ愛好家がローゼンクランツ製品を「つまらない」と評価したことが思い出されます。

 彼曰く、どんなに高級な機材に変えても、アクセサリーを変えても、セッティングを変えても無駄。ローゼンクランツを入れた途端、同じ音になってしまう。お仕着せの音となり、機器の微妙な差を鑑賞する楽しみが消えてしまうのがつまらないのだと。確かにそうかもしれません。ローゼンクランツ製品の圧倒的な影響力は、アンプやトランスポートの細やかな個性を支配してしまう印象があります。

 −魂を込めて作られたモノには、作り手の命が宿る−

 ローゼンクランツの製品は、まさに貝崎さんそのもの。彼の音に対する情熱の化身であり、どんな機材の中に放り込まれても、貝崎さんさながらに一貫した自己主張と魂を貫き、他の機器をまとめあげてしまう。昨日、広響のコンサートを聴いてきましたが、演奏風景を眺めながら、部屋で貝崎さんが各機材を前に指揮をしている姿を思い浮かべ、思わず笑ってしました。

 貝崎さんの音が強要した音なのか、それともどんな機材を用いても、究極の協調の先に行き着く音は一緒ということなのか、それは分かりません。ただ、まぎれもなく貝崎さんが指揮し演奏される曲達には命が吹き込まれており、私のようにその音に魅入られた者にとっては天上の調べとなり得ることは事実です。ただこの事実を感謝して受け止めるだけです。

 だって、とにかくCDをかけるのが楽しくて、そしてCDを聴きながら気を抜くと居眠りをしてしまう。そんな今の時間がたまらなく幸せなのですから。先日まで、やれ音響ボードだ、吸音材だと騒いでいた自分が懐かしく思えます。


 貝崎さんは「目に見えない現象を幾何学のように数式にまとめあげ、誰でも分かるようにするのが自分の使命であり、今まで展開してきた理論や製品達だ。」と言われました。私には難しいことは分からないし、今後も努力して理解しようとは思いません。○○教の信者うんぬんになるつもりもありません。ただ心地よく身体に染み渡り、オーディオと意識せずに音楽を聴ければそれだけで良いのです。何も難しいことではありません。

 −この曲は良い再生だが、この曲はダメだ。
 −この音域は美しいが、ここの余韻が物足りない。

 そんな葉っぱの虫食い跡を探すような観察ではなく、

 紅葉を眺めながら感動するような鑑賞に時間を使いたいのです。

 音と向かい合うのではなく、音楽と向かい合いたい。

 私にとって、ローゼンクランツの目指す音は一つの解になりました。

 この度は貴重な試聴体験をありがとうございました。

 そしてこれからも宜しくお願いいたします。


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