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「こいつらはこんなにすごい力を持っていたのか」


 ----- Original Message -----
 From: "M.S"
 To: <info@rosenkranz-jp.com>
 Sent: Saturday, January 10, 2004 11:01 AM
 Subject: ナイアガラSt.試聴レポート


 今、「ナイアガラSt.」のない状態で音楽を聴きながらこのレポートを記していますが、真っ先に感じるのは「音の厚みがまったく足りない」なぁということです。機器を買い換えれば、音が劇的に変わるのは何度か体験済みですが、エネルギーの元となる部分にこれまで目を向けようとは思いませんでした。

 私はオーディオが大好きという訳ではないので、電源などはオーディオが大好きな人が目を向ける部分だという見方をしていたからです。ですが今回、私から見たら高級アクセサリーに位置する電源タップの試聴が可能ということで飛びつきました。

 試聴時期が年末に重なったこともあり、ゆっくりと時間をとることができました。試聴期間は大掃除をそっちのけで音楽に没頭していました。通常のパソコン用のタップから換えた直後は何の音の変化もなく、あれ?と思いましたが、次第に音が変化してくるのがわかりました。

 低音部や高音部がどうのとかのこまかな音の判定はできませんが、「自分の持っている機器ってこんなにいい音がするものだったのか」というのが素直な感想です。温かい音色と称されるプリメインと冷たい音を描き出すといわれるCDPを使用していますが、どちらの機器もあまり好きではなく、もっと自然な音色のする機器に買い換えたいと長らく思っていました。

 ですが、試聴を続けるうちに、「こいつらはこんなにすごい力を持っていたのか」と今までは十分に機器の能力を発揮させていなかったのだなと理解できました。音楽を楽しく聴いているはずなのに、まるで部下をうまく指揮・管理できていない自分がいけないみたいな悲しい気持ちにもなったりしました。


 なんだか堅苦しいことを書いている気がするので、もっとざっくばらんな感じも記しておきたいと思います。部屋を離れた場所から音を聞いても耳にツンとくることがなく、「あぁ、なんでこれが自分のものじゃないんだろう」と嘆いたりもしました。

 お気に入りのアーティストのアルバムを一周する間、一緒になって歌い通したり、そのアーティストのライブの終演直前に感動して涙を流しそうになったことを思い出したりもしました。正直、電源を変えたからといって、機器を買い換えるよりも納得のいく音が得られるわけはないとたかをくくっていました。生のライブに勝るものはありませんが、あの重たい鉄の箱は「すこぶる元気の源なんだなぁ」とうっとり。私にとって「ナイアガラSt.」は「音の旨味をたっぷり蓄えた『鉄鍋』みたいなもの」ですね。

 あの時の音を振り返ってみると、「ナイアガラSt.」のある間は、とても真剣に音楽を聴いていたなぁと感じます。音楽だけに没頭するというタイプではなく、何かをしながら音楽を聴くというスタイルが私にとっての音楽のあり方ですので、試聴期間中はちょっとした判定人めいた音の聴き方をしていたかもしれません。

 でも、腰を据えて音楽を聴くのもいいものだと実感した年末年始になりました。このような考え方をするに至った今も、やっぱり何かをしながらの音楽が自分には一番楽しいものです。今回は充実した試聴(お年玉)をありがとうございました(結局は取り上げられてしまって残念ですけど)。


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