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鋳物業者の選定に苦労

吉永小百合主演の映画「キューポラのある街」は鋳物で有名だった川口市を舞台に描かれましたが、シンボルの煙突が消えてなくなったように、今や鋳物工場を探す事そのものが難しくなっているのです。時代の流れとは言え、NIAGARA/HB(ハイブリッド)製作での鋳物工場選定には大いに苦労しました。

量産は新興国に取って代わられ、東京近辺で残っているのは試作品を作るところのみです。精度を要するそれらの会社を廃業させない為に、車等のメーカーが高値契約で支えているのが現状です。

東京近郷で二つの工場を訪ねましたが、その見積り額は驚きを越え、しばらくは気分が滅入って何もする気が起きませんでした。産業の空洞化という言葉を耳にし始めて久しいですが本件はその典型的な例です。

その前に、いつもお願いしている板金加工会社を通して「鋳物は大丈夫ですか?」と尋ねた時に、取引先は新潟だと聞かされあまりの遠さにお断りした経緯もありました。

しばらく途方にくれていた時に、地元広島の大きな鋳物工場に勤めているあるお客さんの事を思い出したのです。25年ほど前になりますが、当時大学を卒業したばかりの彼は、1枚10,000円近くもするレーザーディスクを毎月3枚ずつ買って下さる程の映画好きでした。

私の都合でビジュアル製品の取り扱いを止めて、ピュアオーディオ一本に絞った事で疎遠となっていましたが、それでも気になるお客さんだったので、たまに電話を掛ける事がありました。大和重工というその会社は船のディーゼルエンジンのフレーム等を作っていますが、元々は五右衛門風呂で有名です。淡い期待を胸に頼んでみる事にしました。

 
五右衛門風呂   最高級鋳物ホーロー浴槽

『小さい物はやってないから難しいと思うけど・・・相談するだけしてみます』という事だったので、正直無理かなと思っていました。すると翌日です『大和重工の○○です!』という電話が別の人からありました。

『明日お伺いしても良いですか?』

「ええッ! 広島からですか?」

『いいえ、東京に事務所があるんです』

東京営業所からの電話だったのです。

そんな事で、話は良い方向に進んで行きました。


『やった事がないとか、出来ないという事を口に出すよりも、やった事が無いからこそやってみる価値があるのではないか!』 と彼が強くプッシュしてくれたお陰で実現の方向へ向う事となったのです。

”持つべきは友達だなぁ!” とその時つくづく思いました。

お客さんに恵まれている事に、ひたすら 感謝!です。

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