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パッシブユニットを使ったスピーカーの利点



 パッシブユニットの利点

 今回開発しましたカーディナルスピーカーの第2弾は、「The Maestro」というローゼンクランツとしては初めてのフロアースタンディング式であります。

 この手の高能率型フルレンジというのは、バックロードホーンという形式が多いのですが、私は誰もやった事がないであろうと思う?「フルレンジユニット+パッシブコーン」に挑戦しました。

 アンプに繋がれてアクティブな動きをするユニットと一心同体となって、「押せば引き」、「引けば押す」という風にパッシブユニットが空気を媒質にして密着呼応するので、全く持ってタイムラグの無い動きが必然可能となるのです。


 複数アクティブユニットの問題点

 その反面、一台のアンプにネットワークを通して複数のユニットが繋がる一般のスピーカーの場合はせわしなく音楽信号に追い立てられます。

 ウーハー、ミッド、ツイーター等、ユニットの大きさによってその振動板の自重がみな違うので、敏捷性に時間差が生じてしまうことや、振動の影響を受けた箱に残る附帯音であってみたり、ユニットの取り付けてある位置関係の悪さから生じる、反射副次波との折り合いの悪さによる不協和音等、挙げられる原因は沢山あります。

 コーン紙が前に出て戻ろうとしていても、音楽は休む暇なく次々と機関銃のように襲ってきます。結局前に動きたいのか、戻りたいのか、思い通りの動きができなくなり、アクティブな動きとパッシブな動きにコーン紙は煽り煽られ、その結果、ゆがみやひずみが常に混在した状態になるのです。

 それは双子や三つ子が同時に泣き始めた時に、あやそうと苦労するお母さんの様子に似ています。


 フルレンジプラスパッシブユニットは理想中の理想です

 その点フルレンジプラスパッシブという方式は横隔膜と肺の関係のように一心同体となって動きますので、これほど理想のメカニズムは他にありません。

 もう一つ分かり易い例として挙げますと、自分の脚から伸びた影の関係とも似ていますね。ゆっくり歩いても速く走っても全く同じにタイミングを合わせます。

 スピーカーは運動神経によって動かされるのではなく、自律神経として無意識下の元で動く構造が理想なのです。それが理となったなら、誰が何を試みても狂いは絶対に生じないのです。

 カイザーサウンドはこの一点を見据えているから音にブレが無いのです。

 2009/7/28 「フルレンジプラスパッシブユニットは理想中の理想です」を加筆しました


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