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"瀬兵音鏡"の制作者(高麗誠)とRK-AL12/Gen2

貝崎さま、T.Tさま、N.Sさま、皆様総動員で納品して頂いたお陰でデザイン室に音楽が溢れだしております。

まさか初めての本格的なオーディオシステムが自分自身の仕事場であり、尚且つカイザーサウンド即ちローゼンクランツ作品になるとは夢にも思ってもおりませんでした。

昨年の年末に、今までのデザイン室に見切りをつけるべく、過去の作品を全て捨てた時に偶然にも今回の話になったわけですから、私自身も驚いております。この舞台になっている場所は、従来は本が山積みになり、何十年と開かない扉など惨憺たるものでした。

会社に在籍なさっていた様々なデザイナーの遺稿が沢山あったのですが、年末休みを返上して毎日朝から夜まで延べ5日ほど戦いました。目的は、道場のような厳しい環境が欲しかったからです。しかし、会社に歴史がある為に大変な作業でした。

でも、終わってみると実に爽やかな空間があらわれて、良い転機になりえました。しかしながら会社の方々は、オーディオを置くために片付けたと思われてますが……(笑)。本当に偶然なんですよ!

十数年ぶりに現れた床でありましたが、堆積していた物の殆どは過去のデザイナーや職人達の遺稿でした。殆どは価値の無い物ばかりでしたが、片付けに関しては価値ある結果となりました。


"瀬兵音鏡"の制作者、高麗(旧姓、吉永)です

皆様、初めまして、"瀬兵音鏡"を御縁があり制作させていただいております高麗(旧姓、吉永)です。本当の旧姓が高麗だったりします。私の事はさておき、カイザーサウンドを通じて、瀬兵音鏡を購入なされた方々に、この場をお借りいたしまして、お礼を申し上げます。

カイザーサウンドのお客様は、本質を見抜く力がおありの方々ばかりですので、毎回において怪我のないように祈るような気持ちで制作しております。実は今回、カイザーさんの勧めで(勧めるのは異例!)RK−AL12/(Gen2)を購入さたせて頂きました。

本当は、マエストロしか買わないなんて言う私の無謀な発言に、何事も察してジェネレーション2を勧められた事と思います。私は今まで本格的なホームオーディオシステムを組んだ事は御座いません。

こんな私で御座いますが、皆さまにジェネレーション2においての素直な感想を述べさせてもらいます。なるべくオーディオ的な表現ではなく、自分自身の知り得る体験から発する言葉で語る事が出来たら幸いでございます。


スタイリングについて

まず一番に思うのは、流行を追ったデザインではなく、今までありそうだけど無かった姿をしております。古くも新しくも感じる感覚は、実は良く出来た焼物にも現れたる現象で、特に優れたヴィンテージの焼物は、昨日に窯出しされた初な新鮮さを放っており、普通の方々が見ただけでは判別がつきにくい姿をしているものです。

特にジェネレーション2の立ち姿には品格があり、健康優良児です。どんな建築様式でも何事もなく鎮座できる許容を兼ね備えていると思いますし、国籍を問わず活躍できる若武者のような凛とした出で立ちであります。また時代劇に登場したり、近未来の映画に使われても違和感は感じられない事でしょう。

この現象は様々な国宝作品にも現れたりします。優れた作品は時代を感じさせません。目的を明確にして生まれた本物の抹茶椀と同じように実に厳しい姿をしておりますが、本来は厳しい姿こそ優しさを含むものです。これはどんな世界にも通じる事だと思います。

新しくも伝統的かつ革新的であり、
オリジナリティ溢れるスタイリッシュなボディ!


溢れ出す音楽の綺麗錆び

まず、始めに一番のカイザーサウンドの特徴は!? 
と聞かれたら、私なら、喜怒哀楽があり、
詫び錆びではなく綺麗錆びです。
綺麗も汚いもありますよ!

更には「水墨画であり、厳しいタッチで描かれてます。
彫りの深い彫刻みたいです! 等と、
オーディオと言う世界からは離れた言葉を使います。

何故ならば、オーディオ機器にも詳しくは御座いませんし、
物事の本質は全て共通すると信じているから、
私が知りうる芸術論で話します。

もちろん、それなりにオーディオ世界は理解はしております。しかしながら、絶対にやってはならない事、それはアーティストが演出した以上の世界を湾曲させた音楽で奏ではならない事をカイザーさんから学びました。

鳴り始める前に、一番に強く感じれたのは、私が幼少の時から稽古している空手で、初段の免除を頂いた時と全くかわらない感覚がそこにありました。一度たりとも、審査に落ちる事なく12年程かかり、黒帯を頂いた事と、ジェネレーション2の価値観は同じ世界を表しております。

ようやく、始まりを許されて自分自身で見極めよ! ようやく富士山の一合目まできたな! と問われているかのようです。私の習った空手の初段の本質は、行動に責任が持てること、生徒のランクに問わず一斉に老若男女を動かせる(見れる)号令を出せる事に意味があり、そこも酷似しております。

肝心な音(音楽)であります。これは基本的動作をきちんと踏んだ。突きや蹴り、受け、払い、そういった一連の動作を正確に呼吸を乱さず稽古しているかのごとしです。

これは、いかに運動能力、基礎が素晴らしいかと言う事と同じです。だからといって、強いとか、弱いとか、極まってるとかでは有りません。これからの音楽ライフにおいてのスタートラインにおいて、決して外してはならない基本(高度な基本)の構えを保有していることを現しております。

これから、どんな演舞をできるようになるかは私次第です。しかしながら、頭のなかには流れていた"瀬兵音鏡"の音楽に全くの狂いがない事を実際にジェネレーション2で確認できております。これは本当に喜ばしい事です。答えが解っていても、方程式が分からないような感覚からの解放と言えます。

私がジェネレーション2で一番に聴いて楽しかったのは、私が耳をダンボのようにして聴いていた十代の頃の激しいロック、メタル、パンクなどです。当時のアーティストがいかにエネルギッシュなのかも瞬時にわかりますし、演奏が上手いのです。

それだけ約束組手のように相手の間合いの兼ね合いを瞬時に捌けるのは、基本的動作のレベルの高さを現しております。特にベース、ドラムの速さ、キレ、溜め、疾走感だけみても圧巻です。

これだけ生まれが素晴らしいと、所有者次第で達人のようになるのは容易にわかりますが、欲張った行為は簡単に裏目に出る事でしょう。それくらい素晴らしい素質があるのですから、大切に育てたいと思います。私の分身にしかなりませんが・・・(笑)

したがって、ジェネレーション2は、生まれの厳しい抹茶椀となんら変わりが御座いません。皆様に一期一会の音楽の素晴らしさを伝えるために生まれてきたのです。今のデザイン室には野点のような爽やかさがあり毎日が音楽に痴れる毎日です。

鍋島藩窯の素晴らしい環境と相まって、周りの野鳥も一緒に歌っております。本当に、本当にカイザーさんはじめ、カイザーサウンドのお客様には感謝しております。今後とも応援よろしくお願いいたします。


追記

九日目となる月曜日に、いきなり潮目が変わるように、更に鳴りはじめました。床との相性も良かったのでしょうが、低域の処理が更に見事になっております。ゆえに真ん中がしっかりしてきたので、上手く下が連れ添っているのが良くわかります。

沢山のジャンルを聴きましたが、やはり1950〜1960の音源の素晴らしさは世界遺産ですね、これだけの情報がまだまだあること、感動の部分の質が全く現代と違う事に改めて気づかせてくれます。

ジェネレーション2はカイザーさんの化身ですよ、間違いございません。

昨日は、ビルエバンスのワルツフォーディビーを聴いた時の演奏者の間合いの素晴らしさ、ヴィレッジバンガードの空気感は初めて経験できました。