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高速道路の勾配率とピアノのブリッジベアリング角


 ”1kaiser”とピアノの関係

 発音弦の長さ52,5mm(1/2kaiser)という数字に、濱田さんは強く興味を引かれたそうです。その後、ローゼンクランツのウェブをじっくり見た上で、”1kaiser”という音の良い長さの単位が、ピアノという楽器とどのような関連性があるのか、色々なところに気をつけて調べて行くうちに新発見が有ったと言って電話を下さいました。

 道路の勾配率とピアノの弦の角度

 先だって、田中さんの長野の別荘に行く際に中央道を通ったそうです。その時に気をつけて道路に表示されてある勾配の率を細かく観察したそうです。中央道の一番高い所では1000メーターを少し越えます。高速道路の中でもアップダウンの大きい部類の道路になります。その一番急な勾配でも5,9%で、殆どは5%位までで止めているようです。すなわち、100メートル走って5メートル上る勾配率です。

 5%でsinθは2,8度になり、5%弱になれば上りと下りの勾配の和が5,25度に近づくことになります。すなわち、走っている車に負担が掛からないで最高の力を発揮し、維持出来るのに、5%弱の勾配になるのだろうとの見方をしたそうです。濱田さんにとっては、その道路の勾配がピアノの弦に見えたというのです。早速、帰ってから手当たり次第にピアノというピアノのその角度を徹底的に調べたそうです。

 5,25度に近いピアノほど音が良いことが判明

 駒ピンとピッチピンの間に張られているピアノの”共鳴弦の長さ”と”張りの強さ”を決める重要な役割を持つ”アリコートブリッジと言う駒”があります。その駒の高さによって弦の上りと下りの角度が決まります。この両者の角度の和が5,25度に近いものほど、良い音がする事を濱田さんは発見したと言うのです。

 こだわりの独立型アリコートブリッジ

 その勾配が平らに近い物まであって、それらになると全く力の無い音しかしないそうです。しかし、独立アリコートブリッジによって理想の角度にしてやれば、見違えるように鳴りの良いピアノに変身するそうです。これらの事は、理に適った”歯と歯茎の構造”をしたローゼンクランツのインシュレーターをスピーカーに入れてやれば、見違えるように鳴り始めるのとよく似ています。

 1kaiserの話を知るまでに、濱田さんは駒の高さを調節する事によって、一番鳴りの良い所を見つけ出す方法を感覚として既に実践していたと伺いました。また、その角度を保持する為に、0,5mm刻みで高さの違う駒を20種類ぐらい用意しているそうです。

 弦に掛かる理想の圧力と52,5度の関係

 専門用語でその角度の事をブリッジベアリング角と呼び、今回改めてそれを計ってみたところが、いわゆる鳴りの良いピアノほどその角度が5,25度に近い状態であったと言うのです。そのブリッジベアリング角にしてやると、弦に掛かる圧力が理想と言われている4kgに自ずと一致するそうです。

 この鳴りの良いポイントこそ、最大の力を取り出すスイートスポット、すなわち、ローゼンクランツ流で言うところの”波動コントロール”と同じ事なのです。

 弦の長さと太さによって音階を調整

 ピアノについてある程度の知識をお持ちの方には常識でしょうが、1オクターブ毎に弦の長さが倍になって行く訳ですが、倍、倍になって行くととんでもない長さになりますので、それを避ける方法として弦の太さを上げる事によって解決しているのです。しかし、出来るだけ弦の太さを変えずして出来るに越した事はなく、理想の音に近いフルコンサートモデルあたりは3メートルを超える長さになります。


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