トップカイザーサウンドオーディオクリニックの旅アバンギャルドのトリオ+SUB230を根こそぎチューンアップ

アバンギャルドのトリオ+SUB230を根こそぎチューンアップ



 スピーカーの間隔が広いと音の拡がりは出にくい


 アバンギャルドのトリオをチューニングさせて頂くのは寺島靖国さんに続いて今回のM.A様で2件目です。120インチのスクリーンをセットしてありますので、その死角にならない為にどうしてもスピーカーは両端に追いやられてしまいます。その影響でやむなくスピーカーを内側に振らざるを得ないのですが、その角度次第によっては音楽のエネルギーが生きもし、死にもします。今回はそんなデリケートなセッティングの話です。

 M.A様宅もそんな限られた条件の中でセッティングされていました。22畳ほどある部屋であってもリスニングポジションからは両方のスピーカーがカメラに収まりきりません。それぐらい間隔が離れているのです。それでも聴かせて頂いた限りではかなりのレベルでした。このスピーカーをこれだけのバランスで調整するには相当の耳と経験がなければ出来るものではありません。それもそのはず、M.A様は長年ホーンのマルチシステムを使われていたそうですから、耳が鍛えられているのはその経験がものを言っているのでしょう。

 この音から調整して更に上回るにはさすがに危険が伴います。特に今回の話は私が持ちかけたものですから下手に触って改悪になってしまっては私の信用は丸つぶれです。その中でも私が特に気になったのは両スピーカーの外側にまったくといってよいほど音に広がりがない点です。


 左右のどちらに適したスピーカーなのか?


 これには原因があります。今日の場合に限ってはウーハー部の左と右を入れ替えてやれば済む事なんです。メーカーとしては同じに作っているつもりですが、実際には地磁気の働く地球上で物を作る限りにおいては方向性に偏りが生まれるのは仕方のない事です。これは何人といえども避ける事は出来ません。

 スピーカーユニットをも含めて箱の響きの方向が、ユニットの軸上から上下左右に均一のエネルギーで放射されるのが理想ですが、厳密には偏りが生まれるのです。今回の場合はお互いが対象になるようになっていますので、左右を入れ替えてやるだけで問題は解決するのです。

 4発のウーハーユニットは完璧に理想の角度に取り付けられてあります。これは偶然ではあり得ませんのでメーカーサイドで分かった上で商品管理の下に組み立てられているものと思います。まだまだ少ないですが、最近ではこの点においてハイエンドメーカーでは何社か実現出来るようになって来ました。

 私の何倍もオーディオ体験の豊富なM.A様にいきなりこんな話をしてもにわかには信じてもらえませんので、一応頭の片隅に入れておいて下さいとの程度で軽く済ませました。そして最後の最後にその必要性が出てきた時に、その話を元に実行に踏み切るかどうかはその時点で判断して下さいと予告の形で申し上げました。


 スピーカーの振り角度の程度と問題点


 今秋有楽町フォーラムで開かれたオーディオインポートショーの会場でM.A様にお会いした際に、一緒に聴いた18,000,000円のアバンギャルド/トリオ+6バスホーンの音の感想談義がきっかけとなったのです。

アバンギャルドのHolger Fromme氏とその時の記念のスナップです。彼が手にしているのは「カイザーゲージ」です。

 会場が奥に長くあるにもかかわらず角度が内振りに過ぎるので、真ん中から奥の人達には充分に音が届いていませんでした。スピーカーから発せられた第一波だけは限られたリスニングポジションの方達にとって聴けるのですが、真ん中以降のエリアではスピーカーから発する音楽エネルギーが部屋の空気を動かせていないものですから音楽のメッセージが聴き手の心まで届かないのです。もっと切り込んで説明しますと音は聞こえてはいても、音楽が身体全体に染み入って来ないわけです。

 早々と聴き手の前方で音を合成させますと、その後ジグザグの弱まった波となって後ろの壁に当たりますので、反射する波とて更に弱まったジグザグでしか帰って来ません。そしてそのジグザグ同士の波がぶつかり合ってその場で完璧に打ち消されてしまい、音楽の持つエネルギーはいつの間にか萎えきってしまうのです。

 スピーカーのセットされた場所と部屋の壁との位置関係が山と谷の逆相であったなら音は更に最悪です。いくらアンプのボリュームを上げようとも音楽は聴き手に届きません。それは平泳ぎで推進力を得る為に後ろに蹴った波をもう一度かき戻すのとよく似ています。その腕と脚のタイミングが合わなければ、進もうと思ってもその場で立ち往生するようなります。そんな感覚の音なんです、内振りが過ぎるセッティングの音とは!。


 トランペットの音なら誰でも分かります


 比喩ではなく、トランペットの音を聞けばいっぺんで分かります。演奏者がこちらを向いて吹いている時はもの凄い音速ですっ飛んで来ます。それは観客席の後ろの方であってもその感じが薄れる事は決してありません。ステージ上の動きの中でペットの開口部が横に向いたり正面からそれる事がありますが、内振りの過ぎたセッティングは実はその時の音の聞こえ方と同じ鳴り方なのです。
 
 その場合正面を向いて吹いているはずのトランペットの音でさえ、その1/5のエネルギーも感じる事は出来ません。従って一般の部屋における理想の音の反射拡散パターンとは、リスニングポジションの後方であろうが、センターから外れようが、音圧エネルギーの粗密が可能な限り少ない状態を目指すべきです。


 壁に正対に近いセッティング


 今日の場合はその微妙なところの調整ですから、それを分かって貰う為には元の音と正反対の魅力の音を聴いて頂くのが一番の早道です。そのお互いが持つ長所と短所、すなわち両者の行き過ぎた部分を聞けば、どちらがどの程度理想ポイントから離れているのかのイメージ上の位置関係が見えてくるのです。


 ウーハーとホーン部のエネルギー軸を揃える


 元のセッティングで一番気になったのはウーハーボックスの振り角とホーン部の振り角が違う点です。ホーン部の方が角度が深いのです。これはウーハーが高音部の背中を押してやったつもりでも片方の肩を押したのと同じで、回転力こそ加わるものの前に押しやる力は生まれません。すなわち聴き手方向に空気は動かせない訳です。

 その点を考慮して第1回目の試みとして特に気を配ったのは、ウーハーボックス部とホーンセクションのエネルギー軸を前後方向に平行に揃えた上で、低中高の一体となった波を部屋に起こしてやる事です。そしてほとんど背後の壁に正対するぐらい、具体的にはフローリングの板目1枚弱(約60ミリ)分ほど内振りです。この振り角で慎重にウーハーと部屋との「カイザーウェーブセッティング」を行います。


 出来るだけ数多くの音の違いを体験して頂いた方が良いと思い、途中で方針を変え、ホーンセクションは大きく内に振った元のままで一先ず聴いて頂く事にしました。ウーハーだけを揃えた音ですから、案の定ホーンセクションとのマッチングは悪くなり却って音がちぐはぐなものになりました。


 ウーハー部とホーン部の前後の位相合わせ


 これではいけません、素人が聴いても分かるほどなので、いち早く聴くのを止めにし、ウーハーに沿うような形でホーンの前後位置を元あった距離関係と一番近い位置の中で合わせ込みます。大幅に音楽エネルギーが出てきました。良い面と同時に微調整が足りないせいもありますが音が粗くキツイ面が出てきました。

 この時点でのウーハー部とホーン部の前後間隔は青い波で4波、すなわち0.6kaiser(63センチ)になります。さらに出た音からイメージを計ります。青い波を一周期広げるか縮めるかです。どうも縮めた方が良いみたいです。0.15kaiser(157.5ミリ)縮めてその間隔を0.45kaiserにします。これで大分まとまって来ました。


 エネルギーは出せるだけ出し尽くせというのが私のセッティング方針です。

 するとどこかに共振ピークという形となって必ず問題点が出てきます。

 そうなればしめたものと考えるようにしております。

 そうなんです、このウェブの他のページでも書いたことがありますが、

 何かを試みて音が聴きやすくなったとしてもレベルが下がればノー。

 仮に音がきつくなってもエネルギーが上がればその方向にゴーサインを出して、

 その原因を探るべく先に進むことに決めております。

 「肉を切らせて骨を絶つ」の積極的な考え方です。

 この方針だけは10年前から貫いております。

 そして、一歩一歩階段を上るように「音のカラクリ」を解明してきたのです。


 部屋内にある物を使ってエネルギー調整


 気分転換を計る意味でも、スピーカーの前後の位置関係を粗方合わせた時点で他の見直しを図りました。スピーカーの間に60センチ角程の碁盤の目のような木で出来た拡散パネルが上向きに床に2枚置かれてあったのを手に取り、「どうせ置くならこの向きにして置いた方が更に音が良くなりますよ」といってさりげなく音を聴いて頂きますと、予想以上に音が良くなったのです。それを機に私の考えるエネルギーと方向性の関係について一気に興味を示してくれると同時に信用してくれるようになったのです。


 スピーカーのセッティングはいったん置いておいて、気になる所を一つずつ方向性を整える作業に切り替えです。部屋の正面にリアプロジェクションテレビが壁の中に埋め込み設置してあります。その木枠の上の部分に直径5センチ、厚みが2センチほどの無垢木が22個無造作に並べられてあったのです。もちろん音の拡散効果を狙っての事でしょう。


 加速度設置の色々


 これを見てシメタ!と思いました。よく聞くとウォルナット、チーク、ハードメイプルと3種類有るというではありませんか・・・。方向性の管理のみならず、私の得意とする加速度設置を試みたならば、更に音の広がりや、高さ、また前後といった3次元に広がる音空間を創出するにこれ以上の物はありません。


 中央に硬い材料を起点に配し、左右の両端に向かって次第に柔らかい順に並べようとしておりますと、『どうせなら』といって、余りとしてあった物を更に20個ほど持ってこられたのです。更にその中から音の良い物の順に選別し、中央から5個、8個、8個の流れの良い数字の組み合わせで21個の加速度設置を試みました。

 もちろん枝先になる方をリスナー側に向け年輪の外になる方を時計の方向にして左半分は11時、右側の物は13時の位置に合わせて整然と並べます。これによって何が生まれるかといいますと、ゲーム機のフリッパーの2本の棒で玉を上に跳ね上げるように、萎えかけた音を部屋中に一気に蘇えらせる効果が生まれるのです。

 設置完了した時点で音を聴くまでもなく私にとっては部屋の空気が一変したのが分かります。特に私は肺気腫を患っていますので、ほんの僅かな差であっても呼吸するのが楽に感じるのです。特にM.A様の家は梁と柱に大きな無垢木がふんだんに使われていますのでそれが一般の家に比べてより顕著なんです。


 今日メインに使う試聴CDは柳沢功力さん監修によるゴールドムンドのデモディスクです。色々なジャンルの曲で構成されていますので、これはオーディオチェック用には大変便利です。当然音を聴いた瞬間M.A様の頬が緩んだのはいうまでもありません。ここらあたりから両者の温度が同じになり一気にやる気モードに突入です。

 お互いプロとプロですから宮元武蔵と佐々木小次郎との決闘のようでもあります。それは私が一つ試みる度に出てくる音の変化に対して口をついて出てくる感想の言葉がすべて完璧なんです。それは私の耳に聞こえる音とほとんど同じで感覚的な数値としては96%の重なり具合です。


 スピーカーの足元を基礎から見直し


 木の輪切りのセッティングで物凄い効果を確認出来たので、どうせなら「スピーカーの下に入れてある物も根本からやり直しますか?」と尋ねますと、大きく頷かれたので片チャンネルあたり7個でペアリングをとり、ウーハー部の後ろの内側から1、その外が2、フロントの内側が3、そして最後に外が4と音抜けが良くなるように設置です。この時にも当然上下、前後のエネルギーの方向チェックは済ませます。

 その前に直径と厚みの関係が今使っている4センチほどの物より壁に使った2センチ厚ぐらいの薄手の方が和音バランスが良さそうなので総入れ替えをしました。振動のタイミングを揃えるのと、音楽エネルギーの流れを良くする為に徹底的に基礎からやり直しを計りました。

 音の統率感が飛躍的に上がったのにはM.A様も更に満足の様子です。聴かれる音楽の90%がクラシックですから、特に渾然一体となるこの効果は必然であり必須のものなのです。手を打つ度に、目に見える形でハッキリとした音の向上ぶりが提示されるので、こうした形のクリニックセッティングは両者にとって大変気持ちが良いのです。


 気になるケーブルの方向性


 夕方の5時過ぎから始めてスピーカー周りだけで気がつくと深夜が近くなっております。これでもまだスピーカー間の幅の調整が残っています。でも粗方確認が取れて目星がついておりますので、これからの作業はクリニックの方法を理解して頂くための確認作業はいりませんので進行具合は効率良くなっていくでしょう。

 同じ事をやっていますと気持ちの方がついて行きませんので、スピーカー周りのケーブルの方向性のチェックに入ります。はじめの段階から気になっていたのはミッドバスのホーン部からミッドレンジへと繋がっているケーブルの方向性です。合っているようで合っていないような変な感じの反応を示すのです。「6:4の割合でどうも反対のような気がしますので、確認の意味で入れ替えて聴いてみて頂けますか?」。

 そのケーブルには方向性を示す矢印がハッキリと書かれています。それにも拘らず何の抵抗もなく繋ぎ変えてくれました。音を出し、聴く限りにおいては私の判断に間違いはなかったようです。それでもまだ私の耳には何かわだかまりがあります。

 今度はミッドレンジからツイーターに繋がっているケーブルの反応を見ようとするのですが、先ほど感じたのとはまた違った反応を感じるのです。要するにどちらかハッキリしない訳です。さすがの私も確信が持てなくなりましたので、いったん外してあらゆる方法を駆使して確認しますと、Y端子の向きの加減で方向性が最終的に線材の持つ方向性を上回る結果になる事が判明したのです。

 使っておられたケーブルは幸いにして端子の部分だけYやバナナに交換出来るタイプなんです。偶然のいたずらといってもいいぐらい、何と入り口に適した方向の物と出口に使った方が良いと思われる4つのY端子すべてが反対なのです。これこそが犯人だったのです。

 日頃からローゼンクランツのケーブルは端子の前後はいうまでもなく、裏表まで方向性を管理して作ってありますので分かったことですが、実際に端子を着脱出来る方式だったからその場で証明する事が出来たのです。でもこの着脱出来る方式は試しに入れ替えてみる事が出来ますので、購入者にとっては幾通りもの音を紡ぎ出せる点では大変有利に働きます。このケーブルの方向確認をしながら聴く音の中で、『この音は魅力的だ!』と、M.A様の琴線に触れた音があったみたいです。


 再度スピーカーの調整に戻ります


 これでM.A様宅のスピーカー周りのクリニックは終えましたので、何がどうして今の音になっているのか判明した事実を元に再度スピーカーのセッティングに入ります。この時点で午前1時ぐらいになりました。あっという間に時計の針が回るようです。徐々に希望の音に近づいているのを確認しながら仕上げの段階に入りますので、お互いがどこをどうすれば良いのかのイメージは出来上がっているのも同然です。


 そうですスピーカーの幅を少し狭める事と振り角をもう少し内に戻すこの2点で最後の追い込みです。左が少し外にありますので52.5ミリ、赤いウェーブひと山分内側に持ってきて聴きます。左右のまとまりが大分良くなったとの感想。もうひと山、内側に持って来れば計測上でも良い位置です。カイザーゲージで正確にセンターから左右のスピーカーの距離の取り直しをします。

 この時スピーカーの振り角はフローリングの板目にして1枚と1/3ほど約9〜10センチでした。一番最初が3枚半ほどの約25センチでしたが、最終的に板目にして2枚とちょっと振り角を浅くした状態に落ち着きました。この微調整でほぼ満足の行く音になったようですが、強いて言えば、もうひとつ音のにじみが抜けてくれたら申し分ないという贅沢な希望を口にされたのです。


 アバンギャルド/トリオ+SUB230の怖さと難しさ


 その意向に対して入力機器の電源周りを強化すればこのにじみは取れると見たのですが結果は次の通りでした。P-0sに始まり、コンバーター、クロックを接続している電源タップです。セッティングの過程の中で今日は何一つローゼンクランツ製品を使わないで音を作ろうと決めていましたが、どうしても我慢しきれずタップの「ナイアガラJr.」だけ聴いて欲しいと試聴を促しました。それは2ランクぐらい一気に音質向上したのですが、他のもろもろとの兼ね合いでオーバークオーリティー状態の音になったのです。

 将来を見据えるなら私の耳には一も二もなくゴーサインなのですが、今のバランスが崩れた状態からすると、M.A様には高圧的な音に変わった様に感じ取られ、(特に弦楽器の線が太く、かたまってしまい微妙な音色の変化が出ず)先ほどとは別にハッキリと拒まれました。事実、音はそのように変化したのです。本日唯一、二人の間で判断の別れたところでしたのですぐに元のタップに戻しました。
 
 ここまでエネルギーの調整をしたなら弊害は出ないと見て試みたのですが、何せ相手は能率106デシベルですから僅かなことでも大きな変化となって露呈してしまいました。これは私の読み間違いでした。この時点で初めてアバンギャルド/トリオの難しさを改めて思い知らされました。
 
 この際ついでに3本のACケーブルの適材適所を確認しますと、トランスポート用とコンバーター用のケーブルを入れ替えてやるのが良いみたいです。また、差し込む順も音楽の流れが良くなるように入れ替えてみました。その結果は大変ナチュラルになったとの感想でした。


 左右のウーハーの入れ替え


 「残るは一番最初に指摘させて貰ったウーハーの響きの方向がお互い内側にぶつかり合っているのを、ホーン部とハーモニーするようにしてやればそのにじみも解消すると思いますが騙されたと思ってやってみますか?」。二人とも精も根も尽きるぐらい疲労の局地に差し掛かっていましたので、この時私はもうてっきり『今日は遅いから、これで終わりにしましょう』という言葉が返ってくるものと思っていました。それが予想に反し、『よし!、やってみよう!』の声を聞いたのです。この一言で決まりです。重たいスピーカーを何度も途中でウッドベースから外し、指を詰めそうになりながらも最後の力を振り絞ってやっとの思いで左右の入れ替えを終えました。

 このウーハーの入れ替えの効果は凄い結果になりました。M.A様は、私と同じように、未だ見ぬ世界の音まで直感として読み取れる能力を持っておられるのでしょう。これだけ良くなったにも関わらず天井知らずで音に対する欲が口をついて出て来るのです。あと一歩来たら凄い事になる。


 ウーハーユニットのネジの加速度トルク調整


 分かりました、取って置きの技術で最後に決めましょう。両チャンネルとも上下2本のウーハーの一体感が今ひとつなのはユニットを止めているネジのトルクの強いところと弱いところがあるのが原因です。その結果音楽エネルギーがスムーズに流れなくなり中音以上のホーン部とのハーモニーが創り出せないのです。6角レンチがあればほんの3分で調整出来ます。各ユニットに8本で止めてあるのが4個ですから合計32個のネジのトルク調整をし直し、上下2個のウーハーの一体化を図りました。



 ごまかしの効かないアバンギャルド


 正真正銘のウーハーとホーン部の一体化が成りました。

 苦労しただけの甲斐あってスピーカーは別物に変身したかのごとく、

 部屋中に音楽を充満させ始めたのです。

 これだけの大型スピーカーが、

 まるでフルレンジ1発のスピーカーのように点音源で鳴っているようです。

 この効果にはM.A様も本当にビックリ!。

 9回裏にサヨナラホームランをかっ飛ばしたような爽快な音です。

 思い起こせばひとつ試みる度に正直に反応したスピーカーでした。

 よく出来た物は嘘をつきません。

 本当に手強い相手でした。
 
 日頃の私をすべて見透かされているようでもありました。

 でも、またひとつ大きな自信になりました。
 
 いや〜本当に疲れました。

 午前2時半です。



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