導体の性能が上がるほどにオーディオケーブルの設計は難しくなります。その理由はどんな微弱な信号も表現するようになりますので、今まで気にならなかった新たな問題点が出てくる危険性を裏腹に持っているのです。高純度銅をベースにしたケーブルに凄く良い音と嫌な音の両面を感じるのはそんなカラクリが潜んでいたのです。 今回のD.U.C.C.技術を導入するに当たってBasic1とほぼ同じ仕様で試作してくれました。繋いだ瞬間です。明らかに「モノが違う!」と感じる圧倒的な性能差を見せてくれました。これには「嬉しさ満開状態」になりました。 「秀でた構造に勝るものはない!」、と普段から言ってはばからなかった私ですが、この時はやっぱり物の違いには勝てないかと自分の考えを否定した瞬間でもありました。 しかしです。1時間後ぐらいでしょうか次第次第に聴いているのが苦痛に感じ始めたのです。一言で言うと無表情なんです。いやいや歌っているようで耐えられなくなりました。そしてすぐに元のケーブルSP-RGB3に戻しました。 やっぱり音楽はこうでなくっちゃ!。 私の考えに間違いはありませんでした。
次に会った時に三菱の担当者に尋ねました。 「Basic1とほぼ同じと聞きましたがどこが違うの・・・?」と。 『大体同じですが、シースと撚りピッチでしょうか・・・、撚りピッチはカイザーさんの指定の52.5ミリではなく、線径に見合った普通のピッチです』。 この時に感じたのは天国から地獄に変わったほどの違いだったのです。ありとあらゆる音を体験してきた豊富な私のデーターを持ってしてもその枠外だったのですから、その落差たるやお分かり頂けるでしょう。 ちょっとした撚りピッチの違いであったり、シースの違いであったり、ケーブルは本当に怖いです。 大半の方はオーディオケーブルにとって導体の純度の高さが一番重要と思われているでしょうが、カイザーサウンドでは一番重要なのは導体素線の最適な撚りピッチだとの結論に至りました。それは伝送スピードに一番影響が大きいからです。秀でた構造に勝るものはありません。 現時点における私の考える序列はこうなります。 1. 撚りピッチ 2. 各素材の方向性の組み合わせ 3. 導体の太さと量 4. 導体の純度 5. シースの厚さ 6. 防振材 |
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