ケーブルの構造設計はとっくに終えているのですが、外装の色の修正に随分と手間取っています。ケーブルの一番外に被せてあるジャケットの名をシースと呼び、その色見本を作る為の釜が空くのに1ヶ月近く掛かってしまうのが現状です。前回頂いたのが5月17日、今回の修正が6月13日です。

 紙の上にソリッドに塗装された色見本を見て透明な材料に着色するわけですから100回試みても答えは出そうもありません。そんな中でのやり取りですので凄くじれったいわけです。

 マンセルカラーシステムは基本となる5つの色相からなっていて、今回のReference1は紫(P)と赤(R)の中間色ですが、その中でも純粋な紫(10P)→赤(10R)に一歩だけ近づいた色相です。それを2.5RPと表示します。紫と赤が半々の場合の中間色が10RPです。


 そのカラーチャートは、色相、明度、彩度の順に表しますので、前回の2.5RP6/8から2.5RP5/8になったのは色相と彩度は同じで明度が一つ暗くなった事を意味します。

 今回は気を利かせてくれて通常2ミリ厚の材料を実際のシースの厚みに近い1ミリで作ってくれたことによって相当助かりました。それは見本のシースの下に実際のケーブルと同じ編組の掛かった物を置いて見る事が出来るからです。


 次に色相と明度が同じで彩度の数字が大きい2.5RP6/10というのをもう1枚用意してくれました。両者を比べると見分けがつき難いほど似ています。

 相当困難を極めるだろうと想定してしていましたが、その差は百分の一以下、わずかに2.35ミクロン!。意外にも構えたミットにバチッと入るストライクだったのです。これ以上の贅沢は言えません。職人とは凄いもので、わずか1回の修正でこちらが希望する色目を作ってくれたのです。実際に商品となって出来上がって来るのが楽しみです。


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