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その24 カイザーウェーブと平均率


 日本全国を周りながらクリニック及びセッティングを積み重ねていく内に、いろんな状況や現象に出くわしとても勉強になります。その結果、一つ一つ謎が解けるように色々な事が分かってくるようになりました。特に「カイザーゲージ」を使ってセッティングをしておりますと、前後においては私が今まで提唱しておりますとおり、0.05kaiser(52.5ミリ)及び0.15kaiser(157.5ミリ)単位で調整して上手く行くのですが、スピーカーの間隔の関係については必ずしも「カイザーウェーブ」に合わせさえすれば良いという事でもない結果に気が付き始めたのです。

 部屋やシステムコンディションが良くなればなるほど「カイザーウェーブパターン」に近いのですが、そうでない所は、そのパターンより少し短い周期で良い音が構築出来るようです。音の広がりと定位に大きく関係する左右のスピーカーの間隔は、前後の位置関係と違ってスピーカーのピストン運動によって動かされる空気の粗密波の影響の受け方が少ない為と考えられます。「空間の時間軸」の関係よりも、むしろ「床と壁の寸法比による振動パターン」から受ける影響の方がはるかに大きいからです。

 床と壁の接合部で常に振動のぶつかりあいが生じます。その際のお互いのピッチのズレ幅との関係でスピーカーの間隔を平均率でずらす必要が出て来るのです。その幅は「カイザーウェーブ」の青い波の前後数センチの範囲の中で見つけるしかありません。

 例えば1.8kaiser(189cm)に対してプラスマイナス数センチ。

 それは部屋が最初から良い音のするカイザー寸法比で作られていれば問題ないのですが、あいにく部屋その物が音痴な寸法比にある訳ですからどこかで辻褄を合わせてやるしかないのです。それはピアノの調律に用いられる平均率と同じ考え方です。


 前後の位置調整の後の第2段階における音の良し悪しは次の3和音構成で決まります。

 1. 振動ピッチが固定の壁。

 2. スピーカーと壁までの間隔。

 3. 左右のスピーカーの間隔。

 1の固定に対して、幾らでも変える事の出来る2と3の組み合わせによる音の良い和音作りに尽きるのです。


 現時点での私の受け止め方は次のようになります。

 ● スピーカーの前後の位置と音楽エネルギーの関係
   空気の粗密波の影響が 60〜70%
   床と壁の振動パターンの影響が 30〜40%

 ● スピーカーの間隔と音の広がりと定位の関係
   空気の粗密波の影響が 30〜40%
   床と壁の振動パターンの影響が 60〜70%

 ● スピーカーの高さと総合的音楽エネルギーの関係
   空気の粗密波の影響が  50%
   床と壁の振動パターンの影響が   50%


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