トップノウハウ「大砲の弾」と「ロケット」の違い

「大砲の弾」と「ロケット」の違い



ロケットと大砲の弾

 エンジンを持って推進力を得ながら突き進んでいくのがロケットで、方や大砲の弾は形は同じようでも一旦解き放たれたらその勢いが萎えると落下してしまいます。持続したエネルギーが確保出来ている物と、たった一度のエネルギーしか得られない物の違いです。



「ステレオ」と「楽器」の違い

 この両者の関係から何を言いたいかといいますと、「ステレオ」と「楽器」の違いについて述べてみたかったのです。ステレオの場合は電気というエネルギーを貰いながらスピーカーを駆動して音を出していきますが、方や楽器の場合は人が息を吹き込んだり、手足を使って、叩いたり、物に衝撃を加えて音を出す仕組みになっております。

 その為、楽器については如何に効率よく大きい音を出すかという工夫が色々となされております。また、ゼンマイ仕掛けの蓄音機もそういう工夫が随所に見られます。ステレオの場合、トランジスターの発明以降大きな力を取り出すことが容易になった関係から、小さな箱でも低音を出すことを可能にする為インピーダンスを低くした低能率型のスピーカーが現在では主流になってきております。

 小さなユニットでも低い音を出す為にコーン紙の質量は重めになっており、時間軸に対する反応や追随性については決して優秀とはいえません。そのようなユニットが発する音から感じる音楽には、生き生きとした生命感を感じにくいのです。電気というエネルギーを容易に確保出来る状況にあることが、ある種の甘えになっているのではないかと考えるものです。


目指すは電気を頼らない音

 私の目指そうとしている音は、出来るだけ電気に頼らないで、その物自身の持っている本来の能力を存分に引き出してやることによって、生き生きとした音楽を奏でることを理想としています。別の言葉に置き換えれば、「好きこそ、ものの上手なれ」とでも言いましょうか、音楽が喜々として鳴っている状態です。


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