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録音年代の違うソフトとオーディオ機器との関係性

50年前と現代のソフトを両立して鳴らすのは大変難しい

カイザーサウンドの宣言文の中に次の文言があります。

時代、国、文化、年齢、性別に関係なく通用する音を目指します。

そのカイザーサウンド宣言文の中の最初に「時代」がキーワードとなっているのですが、オーディオにとってこれほど難しいものはありません。例えばですが、21世紀の録音物と1940・50年代の録音物のどちらも完璧に鳴らせるシステムというのは、私の知る限りどこにもありません。

あちらを立てれば、こちらが立たずとなります。その「どこにも無い物を必ず実現可能にしてみせる!」、という強い信念の元に日夜頑張っています。


不可能を可能にするフルレンジスピーカー

・昔のハイインピーダンス、ナローレンジ、高能率型スピーカー

・今のローインピーダンス、ワイドレンジ、低能率型スピーカー

このように新旧両者は全てに於いて正反対です。勿論ソフトもそれに伴って変化しています。何事も環境に応じて変わって行くものではありますが、これだけ極端ですとどうしても得て不得手が出て来ます。

短距離にマラソン、相撲に水泳、これらは全く違う能力を必要としますが、更にスケートも野球も上手くこなせというぐらい無茶なレベルの要求と変わりません。私の場合それをフルレンジユニット一発で達成しようと目論んでいます。山梨のFeastrexの協力を得ながら実現に向けて着々と進んでいます。

何故フルレンジなのか? その理由は簡単です。ディスクに記録された音の強弱と緩急をシンプルにエネルギーと捉え、その動きを如何に忠実に再現するかにテーマを絞ると、自ずと答えはそこに行きつきます。

単位面積当たりの圧縮エネルギーをどこまで上げられるかが、今後のテーマであります。時間軸面に於ける正確な追随再現が、迫力を身に付けるよりも先にやらなければならない仕事です。速く正確でありさえすれば、あとは量を盛るだけですから可能性がありますが、パワーはあるけれども素早くは動けないとなると、最早その時点で音楽ではなくなります。


部屋の響きをも仲間に取り込む

最終的には部屋の響きをも含めた音が耳に届き、その時点でリアリズムと迫力を感じる事が出来ればO.Kという事になります。私が目指すイメージは、小さいユニットの限りなく正確で俊敏な反応を、大型楽器が持つオクターブ和音まで響鳴する構造に作り上げれば、何も大きな口径のスピーカーに頼る必要は無くなるのです。

ユニットと部屋を倍音・和音構造に調律するかが、私の頭の中の設計図なのです。既にその部屋はお客様宅を通して完成しましたので、残るはイメージ通りの音楽の再現が、ダイレクトに呼応する床や壁の構造と一糸乱れることなく、オーディオコンポーネント達が働いてくれるかに掛かっています。


音楽は量的迫力ではなく、緩急・強弱の連続性の再現です

音楽とは量的迫力の表現ではなく、時の流れの中に生まれる緩急・強弱の連続性の再現なのです。音量は小さくても音楽のDNAは崩れてはいません。キーは多少外しても音楽にはなりますが、リズムとテンポについて来れないようであれば音楽は絶対に成立しません。

オーディオにとっての絶対は時間軸に対する緩急と強弱の追随性であります。迫力を先に求めようとすると、技を極めるよりもパワーを先に身に付けたくなります。そうなると敏捷性はその時点で諦めるしかありません。

当ウェブの中では何度も述べている事ですが、

運動エネルギー=(1/2)X速度2乗X質量です。

だから速さを究めた方が迫力に勝るのです。

ここを皆さん方は勘違いしているのです。


(1/2)X10km/hX2乗X10kg=500(10kgの重さの物体が10km/hでぶつかると500です)

(1/2)X10km/hX2乗X20kg=1,000(重さが倍だと運動エネルギーは2倍の1,000です)

(1/2)X20km/hX2乗X10kg=2,000(速度が2倍だと運動エネルギーは4倍の2,000です)


トライモードユニットは世界屈指

ローゼンクランツのトライモードユニットは、微弱な信号に対しても俊敏に反応する世界屈指のユニットです。むしろ性能が高過ぎて、神経過敏症とも言えるほどであります。イメージし易い例えですと、誰も乗りこなす事が出来ないロデオの荒馬のような跳ねっぷりであります。

手を変え品を変え、振り落とそうとして腰を振り跳ねようともピタリと馬の背に密着し離れない、そんな動きの出来る電源ケーブルやスピーカーケーブルの開発に日夜余念がありません。

音楽信号とはそんな予期せぬ動きの連続ですから、スピーカーの抵抗値は激しくアップダウンを繰り返します。やがてアンプもそのあまりにも乱暴な動きについて来れず、大幅なインピーダンス変動をきたし追随不可能状態に陥ってしまいます。

繋がれたケーブルの中でN極とS極間で臨界点に達するほどの磁界変動が起こり、正相・逆相が入り乱れて収拾がつかなくなります。どんなに優れたケーブルと言われる物であっても、インピーダンスマッチング幅から完全に外れてしまうのです。

その簡単な診断方法ですが、スピーカーから出ている音が楽器のイメージが出来ず、スピーカーユニットから出るただの音と感じるようでは、その時点で既にアウトです。スピーカーから出ている全ての音がスピーカーの音ではなく、完全に楽器の音にすり替わって聞こえなければベストなコンディションとは言えません。オーディオ設計者はその耳を持って測定器とすべしです。

ローゼンクランツのカーディナルスピーカーに使ってあるユニットは僅か5インチですが、コントラバスのような低音からバイオリンの高い音まで分断感のない、全く自然な楽器の音色を再現してくれます。特に人の声だけは、途中でネットワークで切られると、自然な人の声に聞こえるものではありません。


人は人の声を聞き間違えると困ってしまいます。

それ故、人は人の声に極めて敏感です。

個々人によって違う声紋の描き分けは、

スピーカーにとって一番難しいテーマなのです。


だから、声が一番高度な楽器と言われる所以です。

そんな人の声を再現させたら右に出る物がないのが、

ローゼンクランツのトライモードユニットであります。

絶対の自信を持って言えます。


昔の自然な音と現代のうそ臭い音の違い

ソフトに関しても同じように諸問題があります。古い時代は汚染されていない綺麗な電源環境の下でシンプルなアンプやマイク設定で録っているので、電源環境の恵まれた位相歪の少ない相性の良いシステムで再現すると、もの凄く自然で生き生きとした音で鳴ります。これらを真のダイナミックレンジと呼ぶのです。

片や、現代のソフトはマルチ録音なので、リミッターやコンプレッサー等、数多くのデジタルイフェクターを使って、あとから幾らでも小細工が出来ます。それを良い事に、全ての楽器の音をよく見せようと欲張り、実際には遠くて小さいはずの音までも、レベルを上げてスポットライトを当てたかのような状態にする訳ですから、それはそれは、高性能な音に感じる録音になっているのです。

しかしながら、私が! 俺が! と、しゃしゃり出る! その音の洪水は音楽への冒涜ではないかと思えるほどです。現代のノイズっぽい電源環境下では、微弱信号はいとも簡単に歪められるので、ピアニシモの再生は極めて難しく、ある程度のレベルにまで持ち上げないと、ノイズにかき消されてしまうから止むを得ない面もあるのです。

昔の自然な音をよく知っている方達は、そのうそ臭い音をすぐに見抜いてしまいます。アンサンブルに見せるお互いの呼吸とか間合い、あるいは何とも言えない雰囲気といった、音楽にとって一番大切な部分が欠落してしまった音です。見た目はゴージャスで綺麗な音ですが、デジタルイフェクターで整形に整形を繰り返した音はどこまで行っても不自然さが付きまといます。

最近ではテレビに出てくる若いタレント達で、整形していない人を探すのは困難とまで言われています。見た目が一番! 売れれば良い! 今やオリジナルの自分までも壊す事に抵抗のないフェイクの時代なのです。恥を知らない事ほど悲しい事はありません。


本物を知らない人達が多くなり、

本物でなくても売れる時代になってしまいました。

悲しい限りではありませんか・・・。

カイザーサウンドは最後の一人になっても、

本物を追及して行きます。


数え切れない臨床例から生まれた製品群

これら、新旧のソフトを完璧に鳴らす為にはオーディオ機器類だけではなく、周辺のオーディオラックやインシュレーター、電源タップをも含めたケーブル類の革新無くして実現は不可能です。

当社に於きましては、数え切れないほどのオーディオクリニックをこなしながら、採取・蓄積されたあらゆるデーターとの摺り合わせ作業が、どこと比べても抜きん出ているのであります。

そのような緊張感ある環境の中で生まれた、痒い所まで手が届くアクセサリー精鋭群は、世界でも稀であるだけでなく存在すらするものではありません。ローゼンクランツ・インシュレーターの世間の評価が絶対的なものであると同時に、ケーブル類もそれに追いつくように急速に注目を浴びています。


オールマイティー型自動制御ケーブルの実力

特に昨秋より順次発表しております、「オールマイティー型自動制御ケーブル」を購入なさった皆様方の評価は、驚愕と感嘆の言葉のラッシュであります。本ケーブルの実力は、音から一気に生きた音楽に生まれ変わらす力を持っています。

良い音で鳴らないのは、録音が良くないディスクのせいだと思い込んでいたのは間違いで、自分の過信とおごりが恥ずかしくなり、それらディスクに対して素直に謝りたくなるのです。そこまで自分を謙虚な気持ちにさせてくれるのは、人生の師と仰ぐ存在と比肩されるだけの価値が有るからであります。

ローゼンクランツが誇る世界初の「オールマイティー型自動制御ケーブル」を、貸し出し試聴をご利用の上、是非ご体験頂きたいと思います。