トップ考え方売り手も買い手も賢者でありたいものです

売り手も買い手も賢者でありたいものです



申し込み方によって値段が違う

 小売業者はネットをメインとした通販をトレンドと捕らえ、ネット価格と称して店頭より安い値段で商品やサービスを提供するという動きが見えます。ホテルの予約などもそうです。Eメールで申し込むのと、電話で予約を入れるのとでは大きな価格差があります。メールでの安さに有り難さを感じるのはつかの間で、その内に電話で申し込んだ時の方が高く損した気分になるから不思議です。人間とは身勝手なものです。

 人手を必要としないからというのは分からないでもありませんが、どうも釈然としないものがそこにはあります。営業時間外での売り上げはすべてプラスオンと考えているのでしょうか?。中にはそのようなケースもあるでしょうが、従来の顧客がその部分に流れているだけで、総需要数には変わりは無いはずです。


売り手と買い手、どちらに軍配が上がるのでしょう

 売り手側が仕掛けたものではあるのでしょうが、一見得と見えるそうしたサービスに消費者が群がると、群集心理と同じ作用が働きドンドンと膨れ上がります。短期的には売り上げが伸びるかもしれませんが、長い目で見た場合企業利益が圧迫され、サービスの低下に繋がりかねません。消費者が必要以上に安さを求めると、手抜きが生じたり、定価の上乗せへと形が変わる恐れもあります。その挙句は定価の無いオープンプライスになり。安いのか高いのかの判断がつかなくなってしまうのです。

 同じ商品を買うにしても、物だけの値段の安い高いではなく、手にし得るサービスや価値をも含めた損得をもっと計算した上で買い物をするべきではないのでしょうか。今のような状態では両者痛み別けのような気がしてなりません。売り手も買い手も賢者でありたいものです。


販売者が納品しなくなった

 自分に関係する話に戻しますが、全国をオーディオクリニックして回り、検証出来つつあることがあります。それは、ほとんどの方とは申しませんが、結構な数の方が音の分かるお店の方ではなく、ピアノ運送等の配達業者による納品で終わっている点です。ですから音の方は決して良いコンディションではありません。もっとも、専門店が納品設置したからといって、全てが良い音を提供出来るとも限りません。一人ひとりに能力差があります。オーディオとは本当に難しいです。


力の差が年々開きます

 販売店のスタッフは納品設置の経験を積む事によって力が付くのです。納品をしない人は何十年の経験があっても、工夫や知恵が働きませんから、真剣勝負になったら弱いでしょう。

私の場合いつも条件の厳しいアウェーでの仕事です。現地で何が一番重要かというと、それは工夫に尽きます。私の脳の中に色々な部署があるとすれば、一番活動しているところは開発部なのです。

 ですから、お客さんのシステムをクリニックしながら新しいアイディアがいつも湧いてきます。1件の訪問で最低でもひとつは新技を発見します。そんな緊迫感の繰り返しによってどんどんと力が付くのです。

 こうしてカイザーサウンドは益々力をつけますが、納品しなくなった人達は技術を磨くことを放棄した事になります。これでは時間が経てば経つほど差が開く一方になります。

 これをスポーツ選手にあてはめてみると如何でしょう。練習をしなくなったらあれよあれよと弱くなります。こんな簡単な事が何故気がつかないのか私は理解に苦しみます。

 スポーツ界にはこういう格言があります

 一日サボると自分が分かる

 二日サボるとコーチや監督が分かる

 三日サボるとお客さんが分かる

 2009/7/9 一部加筆修正


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