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その10 能力の限界に挑戦してみたい!


 B&Wのスピーカーが持っている潜在能力をどこまで引き出してやれるのか?、「私自身の現時点に於ける能力の限界に挑戦してみたい!」、との考えから今回のフェーズプラグの開発に取り掛かることになりました。

 この手の物にはまったく魅力を感じなかったのですが、なぜか私のハートに火がついてしまったのです。ですから今では、これほどやり甲斐のあることはないと思えるほどに気持ちが変わってきました。

 それは物凄く制約がある中での仕事ですから、逆に能力の差を見せるのには絶好のチャンスなのです。これだけ前振りのパフォーマンスを見せているわけですから、抜き差しならない状態に自分を追い込んでいます。

 全ては結果です!。

 出て来た音が全てを物語ると思っています!。

 とにかく、出来上がった音でローゼンクランツの評価をして欲しいと思います!。


 欲張りかもしれませんが、フェーズプラグ一つでどこまで音質向上が図れるか?、私自身の頭の中にイメージしている音を具現化するのが今回の大仕事です。改善したい項目を列挙してみました。

● 血の通った音にしたい。

 中高域のハウジングキャビネットに代表されるように、B&Wスピーカーはハイテク素材の多用によりS/Nの良い音が得られている反面、市場では音が冷たいとの評価です。その為にギターのネック材に使われるエボニーの無垢木を採用しました。本当に音楽が好きであれば、音を聴くと何をして欲しいかスピーカーがキチンと教えてくれるのです。

● 低・中・高のつながりを良くしたい。

 3つのユニットに違う素材を採用するのは、音のつなげ方に難しさがあります。その弱点を理想的な内部損失であり、音の切れと響きの美しさを併せ持つエボニーで、フェーズプラグの残響時間を程よい長さにして、各ユニット間の絶妙なハーモニーの融合を図ってやるのです。

● エネルギーをもっと前面に出したい。

 B&Wのデザイン形状から来る前後のエネルギーバランスは私が感じる限りにおいて2:8です。これを少なくとも4:6までに持って行きたい。方向性の強い無垢木の特徴を活かし、砲弾型のフェーズプラグに伝わる音楽電気振動エネルギーを勢いよく押し出せるように、エコブラス製ネジの先端の加工形状を105度の円錐型にします。 

● 切れの良い音を出したい。

 スピーカーユニットの中心部に取り付けられるネジの長さの配分設計によって、微動だにしない安定したグリップの確保が出来ます。そのネジに採用した素材は自身がほとんど鳴かないシリコン入りのエコブラスです。音を切れ良く立ち上がらす為には足場がシッカリしていなくてはなりません。

● アタックを強くしたい。

 ネジの太さ、長さ、ハウジングの穴繰り等を見る限りにおいて、比重が7も8もするような重金属を採用するような軸強度設計はどこにも出来ておりません。ネジ部分にストレスが集中しますので、せめてオリジナルのアルミが限度です。実際にネジの部分を指先で持ってみてください、3分と持てない筈です。これが全てを物語っています。

 この構造を車に採用したら金属疲労で命取りになります。車のフロント重量が重たくなると挙動が安定せずハンドル操作が意のままにならなくなります。そうです、ヘッドを軽くしてやらなければ瞬発力が生まれません。その為にも今回採用したエボニーという素材が理想なのです。

● 軽くしなやかな音にしたい。

 1/10ミリですが、先端に行くほど僅かに絞り込まれたエコブラスの精巧でストレスのないネジで取り付けますので、振動速度は速く、波形がきれいですから、楽々とフェーズプラグに音楽振動が伝わり、軽やかで力みのない音になります。

● 美しい響きを倍音として乗せたい。

 ネジの形状、精度、長さのバランス等の力を借り、肝心なフェーズプラグには生命が誕生するかのように感情表現の中枢を司る中音域が形成されます。これで初めてナチュラルな喜怒哀楽の表現が可能になるのです。また、3つのユニットに繋がりが生まれ、音楽は見違えるように上に下に倍音が伸びて行きます。

● 流れるような美しい音にしたい。

 フェーズプラグの根元に設けたアール形状によって、美しい音楽振動が淀みなく流れるようになります。今回の設計の2本柱は適材適所としてのエボニーの採用と精巧なエコブラスのネジの開発にあります。


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