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肌に合わなかったクラシックが、好きになりそう


 ----- Original Message -----
 From: Y.S
 To: info@rosenkranz-jp.com
 Sent: Wednesday, December 10, 2003 11:01 PM
 Subject: 楽しませていただきましたフェーズプラグの感想を送らせていただきます。


 拝啓 貝崎様

 今回フェーズプラグの試聴に参加させていただきましてありがとうございました。

 わくわくしながらの試聴で3倍楽しむことが出来ました。

 当たり前ですが「趣味はどれだけ楽しめるか」、

 また「自分の理想にどれだけ迫れるか」ではないでしょうか?。


 まず始めは、今回の貝崎様の開発の過程の話を聞き、自分なりにイメージを膨らませていました。子供の頃からそうですが、欲しいものがあると手に入るまでは自分で勝手に想像を膨らませ、それが楽しいのです。待ち遠しさが手に入れた時の喜びをいっそう大きくしてくれるのです。

 材質は”木”と言うことで、柔らかく、何処か温かみがあり、かつエボニ−の硬さから締まった音。特にアコースティックギターやバイオリン、ピアノなどは生き生きと音楽を奏でてくれる・・・・・高音で痛いような音が優しくなる。

 わくわくしながらイメージを膨らませ、待つ間楽しませていただきました。


 私は製造関係の仕事をしておりますが、やり方は世界一を目指し、ベンチマークをしっかりして、その分析結果よりあるべき理想の姿をイメージし、ここまでやれは”世界で一番に決まっている”と考え、では「どうやれば出来るか?」、「どうやって成し遂げるか?」について日夜頑張っています。

 理想の姿は見えるものの、結果が何処か違う、違和感がある、その違和感をどうやって払拭するか?、なかなか手が届かず、どつぼにはまったり徹夜が続いたり...、でも成し遂げた後の達成感、満足感は代え難いものがあります。


  次に楽しませていただいたのは物を手にした時です。

 S805に着けて見るとタイガーアイに色合いが完璧に調和し美しい。

 ”こんなに美しければ良い音に決まっている!”と直感しました。

 実際に音を鳴らして、数時間経過すると非常に心地よい音に変わりました。

 今までと比べると、厚み、奥行き、広がりが増した感じで、クラッシックなどの繊細な音は今まで体の表面で止っていた音が体の中に浸透し吸収していくような、体が受け入れようとしている感覚を覚えました。


 元のアルミに戻すと見た目に違和感があり、音もキツク、

 特にピアノの一番高い音など頭に刺さってくる様で元に戻せません。

 今までは、「クラッシックは感覚的にあまり合わない、体が受け付けない、

 長い時間聞きたくない」と思っていましたが、

 今は、「もっと聞いてみたい」と言うのが今の正直な感想です。


 jazzも今までパワーで体に受け入れていたのがきっと変わる、

 感じれていなかった音を感じることができる。

 今のシステムは「もっと良い音が出せるはずだ!」

 と更に夢が膨らんできて当分楽しめそうです。


 と言うことで、とても楽しませていただき、本当にありがとうございました。

 試聴期限がきたため返却しなければならないのですが、

 出来れば購入を考えたいと思います。


 その前に失礼ですが1つ質問をさせてください。私のイメージとしてはエボニ−をピカピカに磨いた状態が更に良いのではと考えているのですが?、今の旋盤の目が無いくらいに光沢が出るまで磨くとどうなるのでしょうか?、もし確認されているのでしたらお教えいただけれは幸いです。



 ----- Original Message -----
 From: info@rosenkranz-jp.com
 To: Y.S
 Sent: Wednesday, December 10, 2003 11:50 PM
 Subject: フェーズプラグのレポート有難うございました。


 Y.S様

 フェーズプラグのレポート有難うございました。
 
 音楽の楽しめる幅がすごく広くなったようで良かったですね。
 私もシグネチャー805で音を聴いていますのでよく分ります。

 
 フェーズプラグを「もっとピカピカに磨いたらどうか?」というご質問ですが、

 はっきり言って、その答えは"No"です。

 もちろん良くなる音もあるんですよ、

 きらびやかな音になりますから、品の良い音楽や、

 幸せに満ちた喜びの音楽あたりはとても魅力的になるでしょう。

 
 しかし、音楽は喜怒哀楽のバランスが何より大切です。

 苦しみや悲しさも、音楽にとっては同じくらい大事です。

 それと、アグレッシブな音も出なくなりますし、ワイルドな音も出なくなります。

 したがって、今回の仕上げは240番で磨いた後、皮で磨き光沢を出しているのです。

 ここらあたりの仕上げバランスがニュートラルでベストだと思います。


 よくご覧になっていただくと分ると思いますが、

 シグネチャー805のアルミプラグは、サンドブラストした後、塗装しております。

 このブラスト処理がルーペで見るとザラザラですから、

 何か引っ掛かりがあるような粗目の音になり、

 音楽の流れを阻害してしまうような感じがするのはその為なのです。

 カイザーサウンド
 貝崎静雄


 追伸

 Y.Sさんから頂いたレポートで感じた事があります。

 >今までは、「クラッシックは感覚的にあまり合わない、体が受け付けない、

 >長い時間聞きたくない」と思っていましたが、

 >今は、「もっと聞いてみたい」と言うのが今の正直な感想です。

 
 これは、Sさんの身体が正直に反応していたもので、

 クラシックが肌に合わなかったというのは、

 正しくは、「自分のシステムで鳴らすクラシック音楽に対して身体が受け付けなかった」のでしょう。

 それが、フェーズプラグ一つでクラシック音楽に対する思いが変わったのは、

 Sさんが普段から自分に対して素直に向き合っているからだと思います。


 ですから、これでSさんのステレオシステムがご自身の要求レベルにやっと追いついたと見るべきでしょう。

 このようにどこかにキーとなるものが潜んでいるのです。

 今回のような「音のカラクリ」を私は解き明かしたいのです。


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