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その11 「年末には『夢の音世界』が待っていてくれるのでは・・・」


 まとまった単位で発注しなければならない、COUSINやFRIENDの材料であるエコブラスの1回の重さは300キロです。インシュレーターとしての製品の数にすれば何千個ですから相当の期間分あるのですが、今回ミラクルサウンド・スクリーン用のスタンドのマストとしての使い道が発生した為に、材料を長期間寝かすことなく有効に使える事になりましたのはある意味ラッキーかもしれません。

 カイザーサウンドには倉庫らしい物がありませんので、そうした材料を置いておくスペースが充分ではないのです。ところが、今回のようにある程度の期間内に消費する予定があれば、金属化工屋さんに伸銅メーカーの工場から直送という形が取れるので大変助かります。当面、東京の試聴室に必要な分だけでも半分くらいは使います。

 8組全てのミラクルサウンド・スクリーンが理想の形でセッティング出来た時の音を想像すると楽しみでなりません。特に、今日K氏から丁寧に手直しされた図面が送られて来たのをジックリ眺めていますと、今ではそれ無くしてはならないほどの理詰めの構造であり、デザインに仕上がっております。已む無くスタンドが必要になったのが嘘のようです。まるで、最初からミラクルサウンド・スクリーンの能力を発揮する為には、それ無くしては機能しないと言わんばかりに両者のハーモニーが良いのです。

 特に、42ミリ(0,4kaiser)厚で設計されたハードメイプルの扇形(105度)のベースが、7本で出来たミラクルサウンド・スクリーンの振動の基軸をまとめる役割を成しているのが、その図面から良く分かります。丁度、強靭な「ナイアガラ」のボディーにつながれた各コンポの関係と瓜二つです。こうした関係が出来上がると、床の構造の影響を受けるのが最小限で収まるようにイメージ出来ます。ですから、当初そのまま自身で自立する事を想定した物より相当能力が高いものになったと感じています。

 窮地に追い込まれた時こそが、真の意味での実力の発揮の為所であるとは、いつも自分自身に言い聞かせている事であります。「転んでもただでは起きない!」を地で行けたようです。全てが揃って出来上がるのは、恐らく年末ぎりぎり位になるのではと思っております。その時に出会える音は、かつて経験した事の無い『夢の音世界』が待っていてくれるのではと、否が応でも期待してしまうのです。


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