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ジャガーを買ったいきさつ


 アルファ147をきっかけに始まった今回の車騒動は、ただでさえ忙しい私を、更に目が回るほどの忙殺状態にしてくれました。その、そもそものきっかけは、いつも車でお世話になっているディーラーからアルファのスポーツワゴンの案内をもらった事でした。

 そこはAlfa Romeo、FIAT、CITROENの3つのブランドを扱っており、ローゼンクランツの木工製品の製作をお願いしているところのすぐ近くにあります。その日はお願いしていた物の出来上がるのが少し遅れて時間を持て余すことになりました。

 時間つぶしに、「ちょっと乗ってみようか?」。

 Alfa Romeoの車に乗るのはこれが初めてです。イタリア車は面白いと何度となく人から聞いておりましたので期待しておりましたが、乗ってみると、「スポーツワゴンはもうひとつ?!」。アクセルレスポンスにわずかなバランス不足を感じました。「それでは、これにも乗ってみて下さい!」。といって用意されたのが147だったのです。

 ほとんどが共通部分が多いと言うのに、随分とフィーリングの違いがあります。147は以前に書いたようにキビキビと走り、おのれの長所をハッキリと訴えてきました。そんなものだから、乗った瞬間に虜にさせられたと言うのが正直な感想です。

 しかし、これから東京との往復が多くなることを考えると、どうみても長距離向きではありません。今まで乗っていたシトロエン・エグザンティアはリラクゼーションが6〜7、アドレナリンモードが3〜4です。アルファ147はそのバランスが丁度反対の関係にあります。ですから、どちらも魅力があるのです。

 ただ、この度買うのであれば、万が一事故に遭遇した場合でも、自分の身を少しでも安全に守ってくれるのは大きい車ということになります。そうした考えの元に、改めて候補車選びが始まったわけですが、色々な車に乗っては見たものの、私の気持ちは冷めて行くばかりなのです。

 「買い物に出かけよう!」と、ポケットにお金を突っ込んで、商店街を歩けども、歩けども、欲しい物に出くわさない苛立ちのようなものを感じました。今回は「何も買うな!」と言うことだろう。と、一旦はあきらめて、丁寧に説明や見積もりを書いてくれたところに丁重に断りを入れました。

 しかし、一旦買い物モードに入ってしまった私の身体は治まりません。来る日も、来る日も、パソコンを開いては車の情報を探している自分がそこにはあるのです。自分ってこんなに「諦めの悪い」、また、「往生際の悪い人間」だったのかイヤになってくるのでした。

 とにかく、今回は何かを買わないことには治まりがつかないことだけはよ〜く解りました。決め手に欠いていたわけですから、いつかは乗ってみたいなぁと思っていた車にするのが一番いいだろうということでジャガーに落ち着いたわけです。

 そのジャガーに乗った私なりの感想です。ドイツやフランス、イタリアのようなテクノロジーはあまり感じることはありません。イギリスというお国柄は、女王様や王子様を象徴とするロイヤルなものが価値観の根幹にあるというのがよく分かりました。ロールスロイスしかり、ベントレーしかり。

 ですから、ジャガーに対しても外から見て大変憧れを感じるものが私の中にもあったのでしょう。しかし、乗ってみて自身で解ったのですが、何か私には不釣合いな感じがしてなりません。育ちと言うか、品性と言うか、車の格に追いつかない自分があるのに自覚できました。

 この車が似合うような人間になろうと思ってもなれるものではない、何かが足りません。それは多分に教育の無さなのかもしれません。でも、せっかく買ったのですから、もう少しお付き合いさせてもらおうと思っています。


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