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ランチア・カッパにオールシーズンタイヤ(三度目の加速度組み立て)

初めて履くオールシーズンタイヤ

さて、ミラノの名門に夢中の私だが、北イタリアのもう一方の名門、トリノのランチャとも蜜月が続いている。(これが女だったらもう無間地獄だ!)

F.F車が2台となった今回、ランチア・カッパにオールシーズンタイヤ(Vector 4Seasons)を試してみる事にした。これで北国での急な雪にも慌てふためく事がなくなると嬉しいのだが・・・。

F.R車のオメガにスタッドレスを履かせた事はあったが、雪道の上り坂では役に立たなかった苦い思いがある。雪の日は車を走らせないのが一番だが、そうも言ってられない時もあるのである。 

205/60R15が標準の設定だが、敢えて205/65Rを履く事にした。装着予定の銘柄のラインナップに60が無かった事も理由のひとつであるが、65チョイスの真の目的は、バレリーナのようなしなやかな脚を持つカッパの個性を更に伸ばしたかったからだ。(メーカー推奨無視の褒められた事ではないので真似はなさらぬよう願います)。

タイヤの直径を元に外周を計算すると、60Rの直径が625ミリで外周が1962.5ミリ、65Rが647の2031.6となり、65Rが外周で69ミリほど長くなる。同じ回転数でも100km走ると3キロちょっと距離が伸びる計算になる。タイヤ自体の重さや負荷も変わるだろうから一概には言えないが、燃費面でも概ね同じような比率になるのではないだろうか。


初めて失敗した加速度組み立て

新しい靴を得たカッパはスリップ止めをした路面もガタゴトしないでスケーターのように滑らかに通り抜けてくれる。狙った乗り味が得られ成功したと思っている。このようにタイヤの選択には満足なのだが、車全体のスムーズネスに欠ける走りに身体が徐々にストレスを感じ始めた。

一言で言い表すと、シックリ来ない!

気持良く走ってくれないのだ。

どうやら今回は加速度組立そのものに失敗したようだ。

後ろのタイヤのテンポがわずかに速く急かす感じがする。

古いタイヤ('07 Regno 7000)のまま加速度組み立てをした前回、ボルトの適材配置を決めるのがとても難しかった記憶があるが、今回は事もあろうにホイールの方向性を見誤ってしまったのだ。

期待していただけに、私のショックはかなり大きい。後にも先にも加速度組み立てに失敗したのは今回が初めてである。自分で言うのも何だが、弘法も筆の誤りと、我を慰めるしかない。それにしてもカッパのホイールの方向性とボルトの適材配置は難しかった。

前回行った時のR.R(後ろの右)という文字と矢印がクッキリと残っている。今回入念に調べ直したのが私が指差している場所である。殆ど正反対だったのだからシックリ来ないのは当たり前だ。


失敗をした時こそ力が付く

オーディオ的に言うと、位相が150度ほど狂っているのと同じストレスである。オーディオクリニックとセッティングを高度にこなすには、こうした違和感を察知し、どこに原因があるのかを診断出来るセンサー精度を上げるしかないのだ。

しかし、私のモットーは「転んでもただでは起きぬ!」だ。

敢えて、負のフィーリングデーター採取の為に、疲労を承知で何度も走り込み微妙なニュアンスを身体に覚え込ませ、再度加速度組み立てに挑んだのである。フロントの右を除く残りの3本を、ホイールバランスを含め全工程やり直す事となった。空気圧は前を2.3、後ろを2.28とした。


いざ! テストドライブ

今度こそ大丈夫!

さて、足元をリチューンしたカッパと、

粋な夜のドライブと洒落込もうではないか! 

どのコースを走ろうか!? 


ふと考えたが、迷わずいつもの銀座線モナカ・サーキットを選んだ。

渋滞で有名な箱崎も気持よく流れ、

銀座、汐留を過ぎ、あっという間にレインボーブリッジが見えた。

秋の夜風はひんやりとして爽やかだ! 

東京の湾岸沿いを走っていて不思議に思うのは、

私の大きな鼻孔を持ってしても潮の匂いがしないのだ。

瀬戸内の潮の香りが恋しい。

物足りなさと言えばその一点だけである。


雲のじゅうたんに乗っているような乗り心地に誘惑され、

もう一回りしてみたくなった。

お台場の明かりを右に見ながら箱崎まで戻り環状線に再流入する。


皇居の奥を内回りに霞ヶ関を抜けると、すぐ一の橋ジャンクションだ。

目黒方面へと進むと環状線になっていて、

浜崎JKTを銀座方面へと向かえば最初とは逆コースとなる。


しなりと粘りのある走りに更なる磨きが掛かったようだ。

動物の中でもランチアは明らかにネコ科だ。

余りにも気持が良いので、

もっと運転していたいという衝動に駆られる。

更に湾岸の一般道を千葉方面に車を走らせた。

今夜は得心するまで走った!
 
気がつけば距離計は100キロを超えていた。

生来の優雅さに悠然とした走りがプラスされ、

狙った通りのコンディションに仕上がった。


近場も遠くも雪道もカッパが大活躍してくれそうだ。

頬ずりをしたくなるくらい麗しい車。

それがランチア・カッパである。

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