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クライスラー300CツーリングからベンツW124ワゴンへ

クライスラー300Cツーリングは大き過ぎて、狭い住宅地へ入った時に立ち往生する事があった。夜にもなると塀や電柱にぶつけないかと神経がすり減る。とは言え、ダイムラー・ベンツと提携していただけの事はあって、アメ車とヨーロッパ車の良い所を併せ持っている。

とても気に入っていたのだが、サイズの割に思ったほど荷物が積めないこともあり思い切って買い換えることにした。短い期間ではあったが300Cツーリングには良き体験をさせて貰った。ちょっぴり別れが忍びない。


次の候補として、20年ほど前に乗っていたボルボ240にしようと探し歩いたが、さすがに程度の良い個体には出会えなかった。そこで今まで一度も乗ったことのないベンツに矛先を変えた。しかし、ベンツに関しては全く知識が無くて困った。

どこのメーカーであっても、コンピューターでガチガチに固めた最近のモデルは、欲しいと思わないしまた高くてとても買えない。とにかく20年ほど遡るしかない。その時代は各社とも良い商品を作るべく真面目にモノ作りに取り組んでいた。だから車に限らず魅力的な商品が目白押しである。

色々調べる中でW124 320TEが候補に上がった。シルバーとグリーンの2台試乗したが、乗り味はどちらも素晴らしかった。8万キロと13万キロだったが、多くの部品交換をしていたこともあり敢えて走行距離の多いグリーンに決めた。

とても良い個体だったのだが、納車された直後にDOHCよりも初期型のSOHCの方故障率も少なく魅力的だ。そんな話がちらほら聞こえて来て気になる存在となった。それはアルファ164のシングルカムエンジンの魅力を知ったからでもあった。一気に吹き上がるエンジンはそれまでに経験したことのない快感だった。

一時乗っていたマセラティをも凌ごうかというほどの魔力を164は秘めていた。その妄想がもたげて来てW124の300TEを熱心に探し始めたのである。

念入りに整備を施した個体を見つけたのはいいが、物件の所在地は雪深い富山である。融雪剤で底部に錆が侵食していないか気になったのですぐに電話をしてみた。ヤナセ本社から仕入れた物で近畿地方で乗られていた経歴との情報を得たので、翌日は朝3時に起きて富山までランチアカッパで飛ばした。


店主は如何にも車好きだというのがすぐに分かった。

ゴールドメタリックの300TEはしっかりと整備が行き届いているようだ。


『これが交換した部品です!』


「車の底を見せて頂くことは可能ですか?」

『はいはい! 結構ですよ!』

二つ返事で、リフトに乗せて丁寧に説明してくれたのだ。

実際に交換したところを見ると安心が得られる。


その気持の良さに惚れ込んだのも、

彼の言動が自信に満ちていたからだ。

昭和の匂い満載の気持ちの良い男に久々に出会った。

年は未だ40代半ばだろう。


試乗もしないですぐに買うことを決めた。

それは不安を持つどころか、安心を提供してくれたからである。

物を買うというより人を買ったと言った方が正解かもしれない。


先に買ったグリーンの320TEとダブってしまうことになる。

自分に納得がいけば幸せなのだ。

さて、ベンツはどんな楽しみを私に与えてくれるのだろうか・・・


そんな事を考えながら次の目的地名古屋へ向けて移動だ。

BMW 525i Touring M Sportとやらを見に行く為である。

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