トップ情報音のカラクリ>第3回 色による音の違い A&Vvillage 7月号 第56号 P94〜P95

第3回 色による音の違い 
A&Vvillage 7月号 第56号 P94〜P95

貝崎静雄(カイザーサウンド)

 色についても見た目通りの音がする

 結論から言いますと、オレンジや黄色の暖色系の色は温かみのある音がします。反対に水色や紺の寒色系の色は冷たい音になり、琥珀色や茶色はコクのある味わい深い音がします。新緑の緑になると、これは爽やかな印象の音になります。また、曇天のようなグレーの場合は、そのまま暗い感じの印象を持つから不思議です。

 色による音の違いに気づいたきっかけ

 ローゼンクランツ独自の音質改善グッズである、スピーカアタッチメントの結束バンドは普段黒色を使っているのですが、ある時、黒が切れていたものですから仕方なく白を使いました。他の物を作る間に音の確認の為につないで音出しをしていましたが、一向に音が馴染んでこないものですから不思議に思い、昨日と違うことといえば「黒」が「白」になった事ぐらいです。気になったものですから、すぐに黒の結束バンドを買いに走り取り替えてみますと、なんと!いつもの音に戻ったではありませんか。それでもと思い!もう一度白に戻すと、やはり音が「落ち着かず」、「ハジク感じ」の音になりました。間違いありません!。これで、紛れもなく結束バンドの色の違いが音に影響をもたらしたことがハッキリしたのでした。

 結束バンドの色の違いによる音の変化の実験を更に詳しくすすめる

 まずは幅2.48mm、厚さ1.01mmの透明に近い「白」、これは音がスカスカ、音楽的な情報量が激減します。野球で言えば「空振り」の様な音です。次に「緑」、藻や藻草の様な少し濁った色、その色から得られるイメージ通り、田舎くさい濃厚な音です。次は「黄色」、明るく爽やかな音色で、音程が上がった様に聴こえます。「青」いバンドでアタッチメントを縛ると、地の黒いネットと視覚的なバランスはとてもきれいで好印象です。音も見た目の通り、最初の一音からバランスのとれたいい感じです。  

 「黒」(リファレンス)ローゼンクランツがこれまで使っていたバンドです。透明感のあるいい音です。色付けが少ない分インパクトに欠け、少し面白みがないような気もしますが、これが最も自然でニュートラルな音なのでしょう。「赤」、この音はいただけません。まったりとしつこく、聴いていて胸が悪くなりそうです。情報量も多く、どこといって欠点はないのですが、この落ち着きのない音は生理的に拒否反応を起します。やはり赤は血の色、危険な色なのでしょうか。
 
 ここで、すべてのバンドの中で最も結果のよかったリファレンスの「黒」を再度試聴します。どこまでも自然でニュートラルな印象は、やはりすべての色を吸収する黒の特徴でしょうか。伸びやかで音量が上がった様に聴こえます。なかなかの音です。(この項のコメントは私と一緒に実験に参加したS氏のものです。)

 ネジを使っての実験

 アンプの電源トランスにローゼンクランツのマイクロベース(MB-18)を取り付ける際に、色々なネジを使って音の違いを実験しました。この時には「材質による音の違い」、「形状による音の違い」、「色(メッキの表面仕上げ)による音の違い」の3つの関係が分る貴重な体験をしました。やはり、音は見た通り、触った通りの音がします。端的な例は「赤黄色」をした亜鉛メッキのクロメートは色の通り音も暖かいのです。その反面、「青白い色」のユニクロは生気のない音がします。また、「ステンレス」は一聴するとS/Nが良くなったような印象を持つのですが硬く冷たい音になりました。それより一番問題なのは音量がグッと落ちた事です。これは強度や硬度の違いすぎる物がぶつかり合った場合の音楽エネルギー振動の減衰でしょう。

 虹色の向こうにある色の秘密

 色が音に関係あることを証明することに出会ったのはN.H.Kの科学番組からです。太陽光線をプリズムに当て虹を作り、それを詳しくレンズで観察するとその色と色の間に黒い縦の線が存在していることにある科学者が気づき、それを長年研究したけれども存命中には解明できなかった。彼の死から半世紀後にその線の謎が解き明かされるという話です。

 何とその線は元素を表しているという。太陽規模の星には水素とへリュームまでの軽い元素しか存在しないといわれていたにもかかわらずです。太陽の温度ではそれ以上に比重の高い物は出来ないらしい。それなのに今現在存在が分かっている90に及ぶあらゆる元素に相当する黒い線が、その虹の中に確認できるそうです。

 星その物の質量が作り出す元素に大きく関係しているという、太陽の大きさからその8倍くらいまでの大きさの星が年老いて中心部の水素がすべてヘリウムに変わった時、温度が上昇し膨張して「赤色巨星」という星に変貌する。その赤色巨星の温度が2億度まで上昇するとへリウムが核融合を起こし炭素が生まれる。さらに、ヘリウムと炭素が核融合を起こし今度は酸素の誕生となる。

 酸素より重い物が出来るためには太陽等よりはるかに巨大な星が必要となってくる。また鉄以上の比較的重い物は50億度を超える超高温でないと出来ないもの、それらの研究の中から分かってきた事は、それぞれの元素はある星が生命を終える時に核融合によって爆発し、チリやガスとなって宇宙に降り注いだものだという。ですから、それらの元素は星の命の結晶と言うことになる訳です。

 特に金のように質量のある元素は想像を絶する圧力と超高温でないととても出来ないそうです。星が最後に爆発する時に、中心に向かってすさまじい高圧力で凝縮した「中性子星」という物体が出来る。何と!その質量はスプーン一杯で数十億トンという超高密度。それらの中性子星同士が衝突した時に核爆発が起こり、何兆度という温度になり、はじめて金が出来るのではないかというのです。

 私達人間にとっても生きていく上で必要な鉄分とかカルシューム分とか20数種類必要といわれている。その元素の祖先は、何と!星だったのです。この事から分る事として、色にエネルギーがあるのではなく、色を構成しているその元の元素そのもののエネルギーを色による音の違いとして感じているものと思います。

 何気なく使っている色に対する言葉に、実はヒントがある

 「血色がいいですねぇ!」・・・この言葉は頬に薄紅色がさしていて健康そうに感じる時に使います。

 「顔色が悪いですねぇ!」・・・顔面蒼白、顔から血の気が引いた不健康な時に使われます。

 そうです、全てが当てはまるとは言いませんが、このように暖色系には健康と言うイメージ。又寒色系からは不健康と言うイメージがあります。「シックな色ですねぇ!」、「爽やかな色ですねぇ!」、とこんな風に会話の中に自然に無意識のうちに使われています。「鮮やかな色」、「目の覚めるような色」、「落ち着きのある色」、「渋い色」、「攻撃的な色」etc.まだまだ他にも沢山な言葉があります。特に日本人は微妙なことに敏感ですから、色についても表現が出来ない場合にはそのものズバリの言葉を色にしてしまいます。「空色」、「栗色」、「桜色」、「肌色」、「桃色」、「なす紺」、と言った風に非常に多彩です。

 健康に良い鉄器や銅食器

 昔からすき焼きには黒色の鉄鍋が使われ、炒め物には鉄のフライパンが使われます。フライパンと言えば銅もありますが、銅食器は高いのでなかなか使えません。しかし、一家に一つは是非欲しい物です。私達の身体には食物からだけではなくこうした器からも必要な元素を取り込んでいるからです。

 ブロンズ色した銅は温かみのある色であると同時にコクのある色でもあります。その銅は、私たちの健康に欠かせない栄養素です。鉄分を含む食物をちゃんと摂取しているのに貧血になる・・これは銅の不足から生じる銅欠乏症貧血と呼ばれる症状です。

 血液には無数の赤血球が含まれ、血液中の酸素を運搬しています。赤血球の赤い色素はヘモグロビンと呼ばれる鉄分をもった蛋白質。このヘモグロビンがカラダの中でつくられる時、銅は、鉄分の利用を助ける役割をはたしているのです。また、銅が不足すると脳や神経、骨の発育不振などの影響を及ぼします。つまり、私たちの健康なカラダは銅なしではつくれないわけで、銅は人間が生きていくために必要不可欠な”必須金属”なのです。

 数年前から我が家では、私が勝手に名付けた「パワーウォーター」なる物を飲み物や料理に使っています。それはどのようにして作るかといいますと、先ず水道の水を銅の鍋で煮沸させ、カルキを一旦飛ばします。冷ました後、プラボトルに移します。その中には一握りほどの量の碁石大の特殊な石が入っており、それは山梨県で約3億年程前の地層から採掘した恐竜時代の物です。この水は喉越しがよく、本当に美味しく、私のエネルギーの源として欠かすことのできないもので、正に命の水なのです。

 「色」と「音」と「健康」の関係

 健康面からも「ニンジン」、「かぼちゃ」、「ほうれん草」、「キュウリ」等、色とりどりの野菜をまんべんなく取ることが大事といわれています。ほとんどの野菜は緑・黄・赤の暖色系です。土の中に出来る野菜(根の物」を取ると頑張りと粘りが効くとも言われています。また、夏野菜は身体を冷やす効果があり、冬野菜は身体を温めるとも聞きます。いずれにしても身体に良いこと、健康であることが大切です。

 音にも健康に良い音とそうでないものがありますが、それは聴いていて疲れるとか、頭が痛いとかいった症状を感じますから誰にでもすぐに分ります。そうした時に、どなたも買い替えに意識が向くようです。即ち不健康な状態から逃れたいと身体が本能的に反応しているものと思われます。

 色で自分の好みの音を作る

 こうした関係から、今の自分のステレオの音が冷たい音がするようであれば、おなじアンプやCDでも買い換える際にはゴールドの暖色系の物を取り入れるなり、色々な工夫をしていただければ気に入ったバランスの音になるでしょう。間違ってもそのような時にはシルバー系のものは選ばないことです。また、黒は全ての色を取り込んだものですから、あらゆる喜怒哀楽の表現にはニュートラルであり無難です。こうしたことを知らずに、無意識のうちに自分の好みとは違う方向に行くことがありますので、皆さんもう一度ご自分の過去を振り返ってみてください。思い当たることがあるかもしれません。

A&Vvillage 7月号 第56号 P94〜P95に掲載されています。

backnext