トップ情報最近のニュース最近のニュース2002>歌は心で歌うもの

歌は心で歌うもの


 朝の4時からの放送で、N.H.Kの心の時代に今日は田端義夫さんが出ておられました。途中から聞き始めましたので初めは田端さんとは気がつきませんでした。昭和14年19歳の時に初めて吹き込んだ「大利根月夜」の事を話しておられました。

 デビューして62年音のキーを変えて歌ったことはありませんという。作曲家の先生がよく考えて作った曲は一音たりとも変えればシックリこなくなる。大利根月夜を例にとると一つキーを下げると、それはもう途端に「三下侍になってしまう」と、その場で歌ってどう違うか聞かせてくれる。侍の心を歌うにはこうでなくてはいけませ
ん。

 それと上手く歌おうと思うと、「上手風になってダメ」だという。「さりげなく、魂で歌うもの」ですと続ける。その62年前の歌を今聞いたら幼稚だけれども、その無心さで歌っているということに於いては今も敵わないという。

 戦争時代には戦地に慰問で歌いによく出かけたそうです。「ありがとう、これでもう思い残すことは何もない」。といって、手を握ってくる兵隊さん。歌い終え、また別れ際には寂しそうな顔をする人たちのことを思い出すと今も目頭が熱くなるそうです。その頃の経験が人生の大きな勉強になっているとおっしゃる。

 終戦直後の大ヒット曲「帰り船」を歌うと、当時の事を思い出し涙を流す人が多いそうです。同じ歌手仲間、後輩達からも絶大な信頼と尊敬の念を集める、おごらず飾り気の無い人柄がそのままにじみ出る歌は人々の心に直接語りかけるのでしょう。不変の人気の秘密は正にそこにあるといえます。


back