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”土俵の鬼”若乃花逝く

昭和の英雄がまた一人旅立った。土俵の中央で相手をなぎ倒す若乃花の十八番である”呼び戻し”は、別名”仏壇返し”という名が付くほど切れ味鋭く鮮やかだった。

特に俵に足が掛かってからの驚異的な下半身の粘りは、”かかとに目がある”とまで言われ、”土俵の鬼”と恐れられた。昭和30年代初めの栃若時代の相撲人気は凄いものがあった。団塊世代の子供達はみんな相撲に憧れたものです。

その後、子供たちの好きな物三つと言えば、”巨人・大鵬・卵焼き”と言われる時代になって行くのである。その頃の子供達は何人か集まると棒切れで円を描き、すぐに相撲に興じるのでした。

男の子にとって相撲は直接組み合う事によって、相手の力加減を学び知る絶好の機会なのである。相撲は一円もお金が掛からず楽しい遊びでした。今や滅多にしか見る事が無くなった土俵だが、小学校の校庭には是非とも土俵を作るべきだと私は思う。

若乃花は親方としても、二横綱、二大関を誕生させる功績を残し、中でも22歳年の離れた実弟の”満”氏を名大関貴ノ花として育て上げ、史上初の兄弟優勝を成し遂げるのである。

協会の粋な計らいによって、兄から弟への優勝旗の授与が実現した。その時に出た涙こそ、正に”鬼の目にも涙”であった。その絵に描いたようなストーリーに国民は喜びの涙を流して感動を共有出来た。

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