トップ情報カーオーディオに関する情報ローゼンクランツのデモカー製作・・・その4

そんな手法見た事も聞いた事もありません



 ドアー部分の化粧仕上げ

 初めの頃は佐藤さんの説明を聞いただけではどうなるのかよく分かりませんでした。実際の形が見えるようになると最後のドアーの仕上がりのイメージが大分つかめるようになってきました。しかし、私にはどこか引っ掛かるのです。

 何なんだろう?・・・。

  それはドアー内張りの一面加工に対してでした。

 「この部分とこの部分を二つに別けて作る事は出来ませんか?」。

 「すなわち、バッフルとドアーの内張りの縁を切るのです」。

 『出来ますけど、そんなのは見た事も聞いた事もないです』。

 「可能ならば、是非その方法でお願いします」。

 『そうすれば、音も良いのでしょうが、メインテナンス性も最高ですね・・・!』。


 『カイザーさんのやる事は、すべての面で理に適っていますね』。

 『一つ一つが新鮮で、もの凄く勉強になります』。


 感動モノのウーハーボックスの設計

 『私がドアーの化粧仕上げをやっている間に、ウーハーボックスの図面をお願い出来ますか?』。

 「了解です!」。

 今回はすべてが出たとこ勝負、メニューを先に考えるのではなく、素材を見てからどんな料理を作るのかを決める、そんなイメージの音作りなんです。自信の表れなんですね。それにも増して、私の頭の冴えは今絶好調なんです。

 先ずバッフル面の縦横比をカイザー寸法で割り出します。そこに8インチのウーハーユニットの現物をあてがいます。四隅のアールの大きさに差をつける事によって強制的に方向性を生み出してやるのです。後ろの下から、斜め上の方向に向けてエネルギーが流れるように。このアールの取り方によって平行四辺形のように見えるから不思議です。

 更にアイディアは膨らみます。ぐるりは板で囲むのではなく、硬く強度を持たす為に枠を積層に重ねていくのです。厳密に言うと枠ではなく下から上、そして前方へ向かってのL字型と後方から前方、そして上へと延びるL字型二つを組み合わせて枠になるようにするのです。

 なぜツーピースにするかと言いますと、枠で組むと強度こそ文句ありませんが、振動がいつまでもループを成し、音の抜けていく出口を見つけられないからです。その点、両手の親指と人差し指で四角形を作るようにしてやりますと、振動の入り口と出口が自然と出来ます。すなわちスピーカーの1回の振幅運動毎に、確実に箱の周りの空気を動かす形のエネルギーへと姿を変えてくれるのです。これで不要な定在波jは皆無となり、明瞭な音楽だけが奏でられる仕組みになるはずです。



 ホームオーディオ式スピーカースタンドの製作

  ただ車の厄介なところはエンジンや外部からの振動にもされされます。したがって、それらに対しての対策も講じてやる必要があります。すなわち、誰かが汚れ役を引き受ける必要があるのです。その大枠は箱を受け止める脚の部分とその間に入るインシュレーターに頑張ってもらいます。

 この部分こそ、どこにも負けないノウハウをカイザーサウンドは持っております。その効果はデモカーが完成した時に音を聴いて頂ければ分かるでしょう。12ミリのMDF板を車の底部に向けて鉄板ビスで固定します。その上に高下駄の歯がY字型になったような形の物を載せます。ボンドとネジでシッカリと固定します。最後にウーハーボックスとその台の間に3点支持でインシュレーター(ハイドロ ミラージュ) を入れてやるのです。




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