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RK-BW・・・その12
  「たった3秒でRK-BWを買った!その人の名はヤスケン」


 一番最初に紙面にRK-BWの音について書いて頂くにはどなたが?と考えていたところへ、「オーディオ知ったかぶりのヤスケン」こと安原顕さんが801を聴いておられると言う事を思い出しました。早速、彼の悪友である寺島さんに電話をして、安原さんにB&W専用のインシュレーターを開発したので聴いて頂けるように紹介をお願いしました。

 すると、寺島さんは「彼は今、色々と聴きたがっているから丁度いいよ!」。「じゃ、住所と電話番号を後ファックスするから」といってその日は電話を切りました。翌日教えて頂いた電話番号にダイヤルすると、受話器を取られたのは奥さんでした。今、秋田の方へ1週間ほど療養に出かけていて27日の土曜日の夕方にならないと帰って来ないと言うことでした。

 急なことで、26日金曜日の16時半からB&Wの試聴室でRK-BWを評論家の林正儀さんに聴いて頂くことになって、その前日にはもう広島を出発しなければなりません。確認も取れないまま東京へ着いた後、ぶっつけ本番で土曜日の夕方に電話をしましたら今度は安原さんご本人が出られました。

 聴かせて頂くのはいいけど、「今、僕はリュウマチを患っていて握力がほとんどゼロに等しいから、重たいスピーカを持ち上げることは出来ないよ!」と言われました。そして続けるように「誰か手伝いの人がいないと、130キロもあるスピーカーを寝かせたり起こしたりは無理だよ!」と仰る。「仮に付けたとしても音が気に入らなかったら、また外さなきゃならないから大変だよ!」。「それでもいいの?」。

良い音にさらに磨きがかかりご機嫌のヤスケンさん

 当然、そういうことには慣れていますから何てことはありません。そうした心配はいりませんので、とにかく聴いてみてください。今までに5人に聴いて頂いて全員購入という実績があります。一応僕も手伝って下さる人を探して見ますが、もしそれはそれで見つからなくても、とりあえずお伺いだけはしたいと思いますのでよろしくお願い致します。と言って29日火曜日の16時にお伺いすることになりました。

 前日横浜の島田貴光さん宅にお邪魔した際に、「明日、小澤君が来て、アンプ作りを手伝ってくれることになっているんだ」と言っておられたので、ひょっとしてスケジュールが空いていて、手伝ってくれることが可能ならばと淡い期待で電話をしてみることにし、小沢さんに代わって貰い、お願いしたところ「別に用事はないから、喜んでお手伝いしますよ」と言ってくれたので大変助かりました。

 14時半に新しく出来たAVヴィレッジのエンゼルポケットで待ち合わせすることにしました。もうお一人小沢さんの友人の田中さんも手伝ってくださるということで大助かりです。3人で鶯谷まで行き、落ち合い場所であるファミリーレストランで待つこと10分、そこへ気さくな安原さんが手を上げてお出ましです。「待たせちゃったねぇ、さぁー行きましょう」。

 ご自宅はすぐ目の前のマンション、狭いから何室も借りているそうです。案内されてみると本当に狭く、物書きの方らしく足の踏み場もないほど本とCDの山です。早速現状の音を聴いて貰いましょうと言って、矢継ぎ早に最近お気に入りのディスクを次から次にかけていきます。手馴れたものです。それより何より!、とにかく!音の素晴らしさに度肝を抜かれました。

四方ぐるりを取り囲むように本やCDが今にも溢れんばかりです

 一声、ん!百万円の物ばかりです。CDがリン、プリがレビンソン、パワーがマッキンとくれば、なんとなく音の想像が頭の中で出来上がっていたのですが、「何が!」「何が!」出てきた音は完璧で素晴らしく、想像とは全く外れてしまいました。これだけ聴く前のイメージと現実とが、かけ離れていたことは正直言って過去に経験がありません。安原さん曰く、今日が63回目の誕生日だと言うことで、ことの外ご機嫌でもありました。いや〜高貴な日にお生まれになったものです。  

 一番驚いたことは完璧にスピーカーのタイミングが取れているという点です。B&Wをこんなにレスポンス良く鳴らしている人は恐らく世界中でもいないと思います。いい意味で私はカルチャーショックを受けました。この人の頭の中には自分の目指す音が完璧に出来上がっているとしか言いようがありません。とにかく出てくる音に迷いが全くないことに気づきます。音に全てが吹っ切れているのが私には手にとるように見えるのです。ですから、ある種私の出す音と瓜二つなのです。

 コンポやケーブルその他もろもろがこれだけ違った物でありながら、出てくる音楽はというと私のシステムと瓜二つのように鳴るのですから、音というものはやはり道具より鳴らし手の思いの強さの方が上回るのかなぁと実感させられるのでした。いずれこの件についてはもっともっと真剣に研究のテーマとして取り組んでみたいと思います。

 5〜6曲聴いたでしょうか?、「そろそろ、いいでしょう」と言う声が安原さんから出ましたので、「それでは今日の目的であるB&W専用のインシュレーターを装着して聴いて頂く事と致しましょう」。と言って手前のアンプやCDを片付け、スピーカーを前に寝かせる場所を確保した上で、そっと静かに801をうつ伏せにします。

 手伝って下さる二人がベテランで手馴れたものですから、本来なら難しい作業もいとも簡単に進んでいきます。ただ部屋に物が多いのでそれらを片付けるのに余分な時間がかかっただけで、正味はそんなにかかってはいないでしょう。

前2ヵ所をRK-BWに交換し、後ろはスピーカーターミナルの下の部分にPB-BIGで受けます

 純正のボールキャスターからオプションのスパイクに変更され、先端のスパイクは外した状態でスピーカーをタオックボードの上にセットしてあります。音の抜けの良くない物も何ヶ所かあるにもかかわらず、いい音を出してあることにはもう本当に脱帽ものです。そんな状態の中にあってですから、私にとってはまだこうすればもっともっと良くなるのにと思うことがあり、ついつい手が出てきそうになることを我慢するにはつらいものがありました。

   慎重に結線をして、「さぁ〜これから記念すべき音だしです!」。

   イントロクイズでもやっているのかと思うほどの速さで、

   音が出るや否や、開口一番、「買った!」。

 自分のイメージする音と「ピッタンコ」だったのでしょう。これにはいささか私も驚きました。後は、いつものように信号系のケーブルを外して方向性のチェックです。一番の問題はプリパワー間のケーブルが片チャンネル方向が反対に結線されていたことです。それとスピーカーケーブルに至っては両方とも反対でしたからこれだけでも相当いい音になるはずです。

 再び聴くクリニック後の音は、案の定ピアノの輝きから音楽の喜びまで表現されるようになってくるではありませんか。左右が同一条件で揃ったことによる気持ちの良さといったら何ともいえないものがあります。あと、最後の仕上げはコンポの置かれているボードの響きの方向チェックです。CD、プリともどちらも前後が反対になっていましたので180度入れ替えました。

無理をお願いして手伝って頂いた田中さん(左)と小澤さん(右)。大変お世話になりました。

 更に気持ちよく大変きれいな澄んだ音が出てくるようになりました。音の瞬間の立ち上がりがより速く、鮮明になったことと相まって今度は消え際の美しさまでもひと際であります。気配とかまでも感じ取れるようになり、もうこうなったらステレオのことなんか頭の中から完全にどこかへ消え去って行ってしまいします。4人ともオーディオの大変なつわものですが、全員揃って大満足な表情ですからさぞかし安原さんもご満悦なことでしょう。

Online BookStore 株式会社ブックワン 文学サイト編集長 安原 顕 http://www.bk1.co.jp

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