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その19 「ミラクルサウンドのマスト棒が出来上がり」


 ワゴンが故障したので、1本20キロはあるエコブラス棒を14本セダンで運ばなくてはならなくなりました。合計300キロ程の重さの物を後ろの座席を倒しても入りきりませんので、折りたたんで起こしたシートの部分に立て掛けるようにしてやっと入る状態です。

 ですから、運転する私の肩のところにまであります。重心が一番後ろに掛かりますのでバランスが悪く、運転するのに大変神経を使いました。車検から戻ってきて、晴れて私の名義になって始めての仕事がこれですから、こいつにはこの先苦労を掛けそうです。

 私のわずかな広島滞在期間中に、仕上げてもらうように無理をお願いしておりますので、明日には出来ると言ってくれました。1,700ミリの長い物の加工は大変手間が掛かるものらしい。そこの社長は長年の立ち作業が響いて、足が内出血したように青黒くなってむくんでいる。見るからに痛そうだから、この度の重たい棒の加工は大変こたえたらしい。

思った通りの仕上がりです。


 「社長、はよ〜、やってくれてありがとう」。

 『な〜に、こが〜に重た〜物なんぞ、やるもんじゃな〜わ!』。

 『は〜、もうやらんぞ!、どこなと持て行けよ』。と言われてしまった。

確かにこの状態では邪魔になるでしょう。


 「社長、最近足はど〜なん?」

 『それがの〜、昨日気功士に初めて見てもろ〜たんじゃが、

 ち〜た〜ようなっての〜、

 インチキくさ〜け〜、途中で帰っちゃろ〜おも〜たんじゃが、

 知った奴の紹介じゃったけ〜、こらえたんよの〜』。

 『こが〜に、なご〜て、おもた〜モンは始末に悪い、

 持って帰ってくれたら助かるわ〜や』。

 <ここの社長は、海に近いところですから、広島弁の中でも特に言葉が荒っぽいのです>。


 『傷がついたらいかんけ〜、ドンゴロス貸しちゃろ〜』。

 「ドンゴロスとは、最近トンと聞かんようになったよね〜?」。

 「それにしても、社長は、”ど広島弁”じゃね〜」。

 『きのこの分、半田を入れてはよ〜持って来てくれよ、

 今月の売り上げにせにゃ〜いかんけ〜の〜』。
 
 ”キノコ”とは、その格好からP-0の脚の事なんです。

 「うん、分かった、ありがと〜、ほいじゃ〜」。

 

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