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その20 「ネジ止め無しのサウンドフロアー」


 最近のほとんどのマンションが、階下に振動が伝わりにくいような構造方式の物を採用しているのが現状です。その原因は、一時期フローリングが大流行して、物音が下に響くのが問題となった事にあるようです。すなわち、そのマンションの自治会でフローリングの施工を禁じているところが多いと聞きます。

 その”うにゅっ”とした何とも”煮え切らない音の床”に対して、私には必ず征服しなければならないとの強い思いがありました。何故ならば、今現実に私自身が一番その音に対して不満を感じている張本人だからです。

 そこで、次なる私のプランはサウンドフロアーの施工無しタイプの物を設置してみる事です。ある日、このプラン(東京試聴室奮闘物語その2)を見られたお客さんからEメールで問い合わせがありました。

 『床にネジ止めしなくても、同等の音が得られるものでしょうか?』という内容のものです。

 でも、その時点で私には未だその音を聴いた体験はなく、責任ある回答は出来ずじまいでした。結局、そのお客さんも同じような軟弱な床に悩まされていたのです。色々と考えた結果、実績の有るネジ止め固定式に決められました。

 しかし、施工当日になって変更があり、フローリングに傷をつけるのを避ける為、打ち合わせの結果、根太材を両面テープで床止めする方法に落ち着きました。私の頭の中にはベストの方法から後退するイメージの方が強いものですから、結構出来上がり時の音には不安がありました。


 初めの1本を根太材に取り付けたところで揺すってみますが、意外や意外、ビクともしません。思った以上に強力に固定出来ているようです。2本目を取り付けた時点で、多くの経験による直感から、完成後のその音に確信を得ることが出来ました。


 こうして、偶然の産物として、両面テープによる施工方式のサウンドフロアーが初めて完成したのです。機器をセットし、その出来栄えと音の効果の程を確かめますが、立派な音がしております。思った以上の効果に驚きです。

 素晴らしい音を創り出すサウンドフロアーも、今一歩施工数が少なかったのですが、これでしたら、床に傷をつける事無くサウンドフロアーを導入出来るので、お客さんも二の足を踏む事はなくなるでしょう。

両面テープ止めで完成したサウンドフロア

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