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ROSENKRANZピアノ

久し振りに田中さんに電話をすると、『カイザーさんにちょうど電話をしようと思ってたところなのよ』と機嫌の良い声が返ってきました。『本物のローゼンクランツのピアノが入ったから聞きに来ない』。

『ROSENKRANZと書いてあっても偽物ばかりで、本物には滅多にお目に掛かる事はない』という。勉強の為にも聞きに行っておいて損はありません。お客さんであるS.Kさんを誘って行って参りました。

田中邸に着くや否や真っ先に音を聞かせて貰いました。

それはそれは、豊潤で濃密そのもの。

まろやかで重厚で深みがあって素晴らしい音色です。どう頑張ってもスピーカーからは出ない音です。ピアノに持つイメージが一変しました。

スピーカーのエンクロージャーを浜松の塗装工場にお願いしている関係で、ピアノに関する話はよく聞きますが、音の良い材料が少なくなっているのも理由にあるのでしょうが、昨今の不況の影響で安い物しか売れなくなってしまったそうです。耳を疑うような話ですが、材料にもベニヤが使われるようになったというのですからその音は言わずもがなであります。

それにしても、今日の"ROSENKRANZ"の音を聞くと酔っ払ってしまいそうです。1920年代の物だそうですから、ヒットラーが現れるより少し前の時代になります。ピアノはその時代の物が一番優れていたそうです。

西田敏行ではありませんが、この時ほど”もしもピアノが弾けたなら”と思った事はありません。もしも、そうであったならその場ですぐに買っていたでしょう。それ位素晴らしい音色でした。

この最近2トラ76センチのオープンデッキを手に入れましたので、それを使って生録をしたいものです。田中さんは是非その機会を設けましょうと言って下さったので、楽しみにしています。

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