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その16 「Running Bass」


 ローゼンクランツのリファレンススピーカーは、ウーハー、ミッド、トゥイーターと独立したエンクロージャーに納め、ひな壇式に積み上げた形になっております。そして、それぞれのサイズに適したインシュレーターを下から順番にPB-BIG、PB-DADDY、MB-18と使用しております。

 この度、やっとBIG JAZZのメンバーが18個揃いましたので、全てに同じ物で聴く事が出来ます。丸々2昼夜は、スピーカーだけを除いてCD、コンバーター、コントローラー、パワーの4ヶ所に使用した形で聴きました。というのは、スピーカーのみBIGJAZZが入ると表面のディンプル加工が残りのミッドとトゥイーターの二つと違いますので、その音の違いの確認を取る必要があったからです。ここまでの状態の音は、・・・「その15」で報告させて頂きました。

 スピーカーにBIG JAZZを入れて、深夜の2時から聴き始めましたが、10分間ほどは足並みが揃わず低音が全くと言っていいほど出なくなりました。15分目位からでしょうか段々と波動が揃って来る様子が分ります。それにつれて動きのある低音が出始めてきました。

 その「動きのある低音」というのは、ちょうど鳩が首を振るような黒人特有のノリです。この感じはステレオと付き合って私も40年になりますが、初めて経験するものです。生でしか感じることの出来ないノリと言ったら分ってもらえるでしょうか?。特に19曲目の「I Gotta Right to Sing the Blues」に於けるWalking Bassなどは、軽快なあまりRunning Bassと言いたいぐらいのノリです。

 今日の私はいたって冷静です。少しずつ積み上げて来た、この一連の「振動の時間軸」の研究の成果が、ここに来て真の意味で「花開いた」のでしょうか?いや!、いや!、そのもう一つ先の「結実した」状態なのかもしれません。感じることは、とにかく、音楽のエキスがものすごく濃いのです!。ですから、ボリュームも上げる必要を感じません。それでも十二分に満足出来るのです。

 いくら大音量で聴いても一つも迫力を感じない音というのがありますが、それは簡単に言ってしまうと音楽のエキスが出ていないだけのことです。


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