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その19 「JAZZ喫茶メグ訪問」


 寺島さん宅には、連休初日である28日の日曜日15時にお伺いする約束をしています。当日は早めに宿を出て、秋葉原のガード下のパーツ街で色々と買い物です。特に今日見つけた一番はビットのセットです。訪問先では何があるか分りませんので、工具箱に積んでおくと何かと便利で、これだけあれば回せないネジはないでしょう。

< 広島に帰ってからの話 >
納品に来た、K氏に「これ買ったよ!」。
「これだけありゃー廻せんネジは無かろ〜?」。

ジーッとK氏がビットを見て、突然WBTのスピーカー端子を持ち出し・・・
「廻せんネジがあったよ〜」とかる〜く一言・・・。

「どこにやぁ〜」。

「これ!」。

「ほんまじゃ〜」。
「カーッ!」と頭に血が上って行く私があった。
“このヤロー!!”、気の利かん奴じゃ・・。


 一旦神田に戻り、中央線で吉祥寺に向かいます。今日のもう一つの目的はJAZZ喫茶メグに行くことです。駅を下りてタクシーに乗り運転手さんに番地を告げますと、このすぐ近くですからそこの交番で聞いて歩いて行った方がいいでしょう、と言って下ろされました。

 線路沿いに歩いて2〜3分。この筋だと思い入りましたら、「ひ・ら・が・な」でスナック「めぐ」という看板が目に入って来ました。いくら変わり者の寺島さんとはいえども、JAZZ喫茶に「ひらがなはないよなぁ〜?」と思い、周りをウロウロ眺めると、紛れもなくJAZZ喫茶にふさわしいカタカナの「メグ」という文字がすぐ目と鼻の先で見つかりました。テナントビル風の2階です。

E/VジョージアンUとマッキントッシュMC2500

 店内に入ると正面にはレジカウンターがあり、そのすぐ右手にジョージアンのスピーカーが店内の奥に向かって置いてありますから、お客さんが皆さんこちらに向いて座っている格好になります。どこのJAZZ喫茶も同じですが、7〜8人はいましたでしょうか一様に皆さんうつむいて一人JAZZの世界に浸っています。とはいえ、入った瞬間全員の視線がこちらに集中したかのような錯覚を覚えるようです。話し声一つ聞こえることはありません。まるで、「音楽を聴く人の迷惑になりますから、一切会話はしないで下さい」。とのおふれが出ているのかと思うほどです。一般人からすると、何とも異様な雰囲気でしょう。

老舗のJAZZ喫茶だけあって、ソフトはほとんどLP中心みたいでした

 皆さん奥側の席に座っていますから、私は店内の中央ぐらいの席に着きアイスコーヒーを注文しました。ウエイトレス一人しかいないようで、その娘が音楽もかけているようです。店内に流れている曲は誰の曲か判りませんでしたが、とってもいい曲が鳴っていました。「あそこの音はキツイから、耳栓をしないと聴けないぞ!」といった感想を過去に聞いたことがありましたが、決して今日鳴っている音はそんな風ではありません。明瞭度こそありませんが、構えて聴くことなく、とても雰囲気のある音で、寺島邸の凄い音とはぜんぜん違います。

値段はほとんどのドリンクが600円で安いです

 同じ人物の音とはとても思えず、どちらの音が寺島サウンドなのか不思議でなりません。私でしたら、システムこそ違っても出てくる音楽のエキスには、共通したものが自ずと出るものと思うのですが如何なものなのでしょう?。

椅子やテーブルも年期が入って雰囲気は最高です

 アイスコーヒー代600円を払おうとレジに向かうと、そのすぐカウンター越しにトーレンスのレコードプレーヤーで鳴らしていました。「これから、寺島さんのお宅へお伺いするところなんですよ」と言っても、彼女はキョトンとした様子で何も知らないみたいでした。これまた不思議。

 タクシーに乗って、「本町4-4お願いしま〜す」。

 
カイザー
 寺島邸に着くや否や、「いま、メグに寄って来ましたけど」、

 「どうしてすぐ近くに、同じ名前でひらがなの『めぐ』があるんですか?」と聞くと、

寺島
 「そうなんだよ〜!」「世の中には変わった人がいて、その名前を使わして欲しいと言って来たもんだから仕方がなかったんだよ〜!」。

カイザー
 「しかし紛らわしくて、間違うお客さんがあるでしょう?」「僕も、もうちょっとで、そちらに入るところでしたよ〜!」。

寺島
 「そうだろう!、困っちゃうよな〜」。

 「ところで、どんな感じだった?」。

カイザー
 「どんなって、皆さんうつむいて音楽に浸っていましたよ!」。

寺島
 「アッそう!、やっぱりそう!、そういう雰囲気って嫌いなんだよねぇ〜」。

 「楽しそうに会話を楽しみながら、JAZZを聴いて欲しいんだけどなぁ〜」。


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