トップ情報音のカラクリ第22回 ポイントは「正誤」か「好き嫌い」かの見分けに尽きる

第22回 ポイントは「正誤」か「好き嫌い」かの見分けに尽きる

 「音のカラクリ」20回記念として、本誌74号の紙面を通じて無料クリニックを募りました。中でも江戸川区の清水靖さんのJBL 4344MkUとの並々ならぬ格闘ぶりに心動かされましたので、今回のクリニックの対象として選ばせて頂きました。振動対策一つとってもその試みには頭が下がるほどの努力のあとが見受けられます。

 何を試みても、その試みた数だけの音の種類が存在しますので、オーディオに於いて、何が良いのか、またそうでないのかの判断をするのは大変難しいです。そのポイントは「正誤」か「好き嫌い」かの見分けに尽きると言い切れるでしょう。

 以下は実際にクリニック&セッティングをさせて頂いた清水さんから感想を頂いた物です。

 カイザーサウンド 貝崎様

 先日は休日にもかかわらず、長い時間本当にありがとうございました。又、今回は「音のカラクリ」20回記念無料クリニック&セッティングに私のような者を選んで頂き大変に感謝しております。私のオーディオシステムの概要は今年5月号の「ステレオ誌」の名物コーナー「音響人生・・・」で紹介されており、(ただし名前が間違って掲載されています、また、パワーアンプはアキュフェーズのA-60に変更になっています)。
 
 自分なりに普通レベルの機材を使い、様々な対策を施し、それなりの音で聴いていたつもりでした。しかしです、常に「次は何をしようか?」等と考えている日々が続いていたのです。そう、つまり自分で満足していなかったのです。オーディオの志を同じにする妻も、いつ聴かせても今ひとつといった顔で聴いていました。そんな時に「音のカラクリ」20回記念の無料クリニックの記事をA&V Villageの紙面で見つけ、瞬時に「これだ!!」と感じました。まるで、何かお告げでもあったかのような気持ちでした。まさに「出会い」です。

試された数々の振動対策グッズ コンポーネントの下にも自作のインシュレーター
爆発的ヒットの波動コースターも早々と導入 動力から引いた三相強力電源

 早速貝崎さんに電話をしてお願いしたところ、何と私の所に来て頂く前に電話でのアドバイスがありました。ここからクリニックが始まったのです。分かりやすい例を用いて説明して頂き、今まで気がつかなかった事をご教示通りに行ったところ、確かに音が良い方向に向かいました。この時点で感謝モノです。

 これは凄い事になりそうだ・・・。

 当日貝崎さんは息子さんと一緒に来て下さいました。早速現状確認から始まるのですが、私の音は野球のバッティングに例えるなら「ボールがバットの真芯に当たっていない」との事。つまり基本がなっていなかったのです。そして、いよいよ貝崎さんのセオリーセッティングが始まるのです。スピーカーのセッティングをすべてバラし、足場に使ってあるパーツの方向性をチェックし、カイザーゲージで測定し、どんどん作業が進んでいきます。スピーカーの後は振動系のチューンに入りケーブルの入れ替え、方向性のチェックが行われました。この時です、驚いた事にC社の高級電源ケーブルの方向性がメチャクチャだった事が分かり、開いた口がふさがりませんでした。

 ここまでの私の至らない文章では簡単な作業に感じる読者の方もいるかも知れませんが、実は大変な作業で、その間の音の変化はというと、一つ一つの作業がまさに激変の連続で、何かの高級ケーブルを入れ替えたといった次元ではありません。
セッティング後のボードとスピーカーの関係

 最後の決めはスピーカーの取り付けボルトのチューニングです。これはまさにスピーカーの調律作業であり、音が「グッ」と決まっていきます。特別に新しい物を加えずにこれだけの事が出来てしまうなんてもう信じられないくらいです。

 ふと今までを振り返ると、セッティング作業はとかく独りよがりなる事が多く、また、一度行ったセッティングを崩すとなるとなかなか出来る事ではありません。まして、私が使用している大型フロアー型スピーカーともなると、ひとりではそう簡単に動かせないのが実情だと思います。そのような現実の中で、ある意味で諦めかけていた私のオーディオシステムが素晴らしいサウンドを奏でられるようになったのです。

 まさに「音楽」、音を楽しめる空間に変身しました。

 ヴァン・ヘイレンのアルバムではエドワードのギターが炸裂し、デイブ・グルーシンのアルバムではあの独特のリズムパターンとピアノのタッチが手に取るようです。ストリンスの入ったアルバムでは上から降り注ぐような広がり感が聴く者を包んでくれます。妻が好きなマイケル・ジャクソンの「ヒューマン・ネーチャー」のシンセサイザーの広がり感も見事に再生出来るようになり、彼女も大喜びです。

 今まで自分のシステムで、このようなクリアーなサウンドを楽しんだ事はありませんでした。”音苦”(おんく)まではいかなくても、せいぜいオーディオを鳴らしている程度だったと今では思えてしまうほどなのです。

 それにしても、貝崎さんの人への思いやり、心配りは実に見習うものがあります。というのは、クリニックが終了した後に伺った話ですが、私のシステムは実に難しい問題だったと話しされていました。これは多分、私があまりにも様々な対策をして、自分なりに完成させていたつもりだったからであろうと思います。それでも、最初のステップで見事な結果を出し、大きな信頼を私に持たせたと同時に、これから起こるであろう「感激変」ぶりを期待させてくれたのです。

 そして、どんどん良い結果が得られる。

 これはもう涙ものです。

 いや、実際にクリニック中に涙を流してしまいました。

 鳥肌が立ってしまいました。

 今まで趣味という世界の中で涙した事があったかと、自問してしまうほどの体験でした。

 貝崎さん親子の心が音楽を創り出し、私の心に感動をもたらしてくれました。

 それにしてもオーディオの世界の中で、どれだけの人間がこのような職人技を持っているのでしょうか?。

 オーディオショップの店員はどうでしょう?。実際に@客はレジまで商品を持って行くだけだし、A「あ〜、その商品はそこにあります、これは○○っていう感じですねぇ〜」的な人が多いのではないでしょうか?。少し良くてもBもう少し詳しいアドバイスをしてくれて、こんなにやってくれたところで、C納品して、設置してくれるまでではないでしょうか?。これでは客の為の職人店員が育たないと思うのです。

 必要以上の授業料を支払わなければならなくなるのです。私個人的には今後そういう事は望みません。私は本当に必要な機材、アクセサリーだけを買いたいのです。その為には貝崎さんのような職人が必要なのです。また、貝崎さんの音楽及びオーディオ(業界)に対する思いは計り知れないものがあります。これは御自身と直接にお会いするか、電話等で話してみると誰にでも分かる事です。

 こういう音の職人に出会った時こそ、本物のサウンドに巡り合えるのです。出会いは重要です。今までどれだけの人が貝崎さん(本物のサウンド)に出会う事が出来たのでしょうか?。
音が見事に変身した4344MkUの雄姿
私は25年のオーディオ歴でやっと出会う事が出来ました。しかし、音の職人に出会えず持っているオーディオの良さを半分も出していない人や、迷路に入ってしまった人は気の毒だと思うのです。まして、諦めてしまったり止めてしまう人がいるとしたらとても悲しい事だと思います。

 この文は、今までのオーディオ(業界)に対する怒りと、今日現在の喜びと、将来の希望を持って書いているのです。今のままではオーディオ業界が駄目になってしまいます。貝崎さんが行っているようなサービスがないとオーディオが駄目になってしまうような気がします。オーディオが駄目になってしまう事は許し難い事です。オーディオ業界の人間がただ、物を売るだけの事では先がなくなってしまうのでは・・・?。だからこそ貝崎さんのような人達にオーディオ業界を引っ張ってもらいたいのです。そして、私はこういう人達にオーディオを依頼したいと思うのです。


 今回のクリニックの感想をお読みになってご興味を持たれた方は、下記編集部まで無料クリニック希望としてお申し込み下さい。

 次回は少しエリアを広げて、関東100キロ圏内の方を対象とさせて頂きます。

 編集部 03-3988-4369

A&Vvillage 9月号 第75号に掲載されています。

どんなご質問でもお気軽にお尋ねください。

郵便番号 135-0045
住 所 東京都江東区古石場2−14−1
ウェルタワー深川606
社 名 カイザーサウンド有限会社
担 当 貝崎静雄
TEL 03-3643-1236
FAX 03-3643-1237
携帯 090-2802-6002
E-mail info@rosenkranz-jp.com
URL http://www.rosenkranz-jp.com


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