トップ情報気になるオーディオ家訪問>島田貴光さん宅訪問

島田貴光さん宅訪問


 昨年の正月明けに食道ガンの大手術をされてめっきり体力を奪われた島田さんですが、気力は何の!何の!凄いもので、このところスピーカーを作ったり、アンプを作ったりと自分を奮い立たせるように頑張っておられます。

 ご機嫌伺い方々10ヶ月ぶりに訪問です。ダイヤトーンP610を中心にしたシステムの高域用のアンプが出来たと言うことで聴かせて頂く事になりました。電圧増幅管を使った出力はわずか1ワットほどのアンプですが素晴らしくいい音で鳴っていました。いつ聴いてもバランスを取るのが本当お上手で、これにはいつも勉強させられます。キチンと測定を取り、その上耳で厳しくヒアリングを重ねるわけですから教科書のようなお手本なのです。

この度完成した高域用のアンプ(左)と中域用のアンプ(右)

 「そろそろ、いつもの物を取ろうかねぇ?」。

 「ハイ!是非お願い致します」。

 これで二人の間では分るのです。それは何かと言いますと、とっても美味しいロースのトンカツです。約2年前に寺島靖国さんが島田邸に来られた時にはじめてご馳走になったのですが、その時は東京のお客さんとの待ち合わせの時間に遅れそうになり、私だけ残念ながら半分以上残して中座せざるを得なくなり非常に悔いが残っていました。それ以来そのトンカツの美味しさの虜になり、島田さん宅にお伺いすると必ずご馳走してくれるのです。

 つい口が滑って、奥さんに憎まれ口を叩いてしましました。

 「島田さんにお逢いするより、実はこれが目的なんですよ!」。

 「まぁ〜!カイザーさんたら、ハッキリ言うわネェ」。・・・って肩を叩かれてしまいました。

 LPを久し振りにEMT927で聴かせて頂きましたが、この音を聴いたらもうCDの音など何とも寂しい限りです。この20年デジタルの進歩は凄まじいように感じていましたが、こうしてみるとアナログ再生と言うものは如何に素晴らしいものか改めて考えさせられます。それには、人間の命の息ぶきを感じることが出来るのです。

30cmLPレコードを乗せた時の状態 滅多に見る事の出来ない40cmレコード
如何にターンテーブルが大きいかが良くお分かり頂けるでしょう

 そして生まれて初めて見る40センチ盤を見せて頂きました。特に島田さんの持っておいでのEMT927は、初期のイコライザーアンプが真空管式の物で非常に貴重な物です。音も素晴らしいものですから、SPからの復刻版として発売されるCDには、レコード会社もこの島田さんのプレーヤーを使って録音し発売している物もあると聞きました。何でも物持ちのいい昭和一桁の方ならではです。


back