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2002年8月9日 兵庫県 K.T様


 インシュレーターの貸し出し試聴を希望されて、頂いたお電話がK.T様とのお付き合いの始まりです。システムの概要をお教え頂くに従ってどんな金持ちの人なのかと思っていましたが、学校の先生をしておられるということですからごく普通の収入の方です。

 しかし、ヤルモノデス。アンプ、スピーカー、CD、この3点で総額1,500万円也。30年余り辛抱して、その間ステレオは粗末な物で済ませていたそうです。それにしても、思い切る時と、辛抱する時の落差が半端ではありません。

 先ずは、BIG、そして、BIG JAZZとDADDY JAZZこの3種類を3個づつ試聴用としてお送り致しました。この最近、車での東京往復が多く、その道中に立ち寄らせていただきました。ご覧の通り豪華で立派なスピーカーです。まさに、ウェストレイクのフラッグシップモデルだけあって堂々としています。

 細かいことはお聞きせず、先ず、音を聴かせて頂く事になりました。「イキナリとんでもない大音量です・・・」。「1曲終わるのが、長いこと・・・!、長いこと・・・!」。私はおもむろに・・・、「いつもこんな音量でお聴きになるんですか?」。「大きい音で聴くから、私なんか頭が痛くなるんですよ!」と、事前に奥さんから伺っていても、そう感じたのですから、その音の大きさを想像していただけるでしょう。

 寺島邸もかなりの音量ですが、その倍の音圧は出ているでしょう。音量が大きいだけならいいのですが、ある所にピークがあるものですから、音楽を感じる前に不快なスピーカーの音が耳を刺してきます。まわりを見渡した後、「お金を1円も使わないで、音を良くしてみたいと思いますが、私なりの調整をさせて頂いてよろしいですか?」。「ハイ、どうぞ!どうぞ!」。


 重さが1本で170kgもありますからクレーンで吊り上げ、掃き出しの窓から入れたそうです。しかし、スピーカーの微調整については、ベースごと動かしますのでそれほど大変ではありませんでした。

LINNのCD-12にBIG-JAZZ FMアコースティックのプリアンプ

 先ず最初に気になったのは、パワーアンプのスピーカーターミナルのところです。締め付けネジのところにワッシャがあるのですが、スピーカーケーブルのY端子がその手前に挿入されていたり、奥側に挿入されていたりとまちまちです。これでは左右のエネルギーバランスが揃いません。この事をK.T様に説明しますと、そうなんです、左右のバランスが違うんですが、アンプ担当の人曰く、アンプ内部のバイアス調整を次の機会にしましょうということになっているそうです。

 
問題のアンプ・・・デュアル・モノ構成、片チャンネル700ワットのクラッセ2台でバイアンプ駆動

 「これでいいでしょう、それでは、先ほどと同じ曲をかけてみていただけますか?」。

 「いかがですか?」。

 「いや〜直りました、ピタッときています」。

 「しかし、こうも違うんですか?、たったワッシャ1枚で」。

 「そうなんです、基本中の基本ですよ。左右同一条件で、如何にエネルギーロス無く結線するかという事は」。

 「それと、今日は車にナイアガラやケーブルも積んでありますからお聴きになりますか?」

 車からバッグを運び、先ず手始めにナイアガラにパワーアンプを繋いで聴くことにします。思ったほどの効果が出ません。何か大きく悪さをしている物が他にあるはずです。次にキャメロットの電源タップにつながれている、くすんだ緑色のACケーブルをローゼンクランツのAC-4EX(Perfect)に交換。これは効きました!その前のナイアガラも併せて効いているのでしょうが、それにしても、このグリーンのACケーブルは詰まっていて抜けが良くありません。

伺った時の状態 AC-4EX(Perfect)に交換

 そのあと、スピーカーの角度と前後の距離を合わせて、いちおう今日のセッティングはおしまいです。そして、本日はBIG JAZZをCD用に3個と、電源タップ用のACケーブル2本をご注文いただきました。


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