トップカイザーサウンドオーディオクリニックの旅セッティングによる差がモロに出るB&W S-805

セッティングによる差がモロに出るB&W S-805



 鳥羽港から愛知県の伊良湖へフェリーで向かおうとしたのですが、あと2台というところで積み残しにあってしまいました。当日は日曜日で車が多くそれを見越して1時間以上も前に着けていたのですが、それでも更に1時間あまり待つ事になりました。フェリーはこれが困ります。

 初めて車で走る夕闇に包まれた渥美半島の景色は本当に新鮮でした。アップダウンの繰り返しの先に現れる海岸線の美しさは雄大でゆったりとした気分にしてくれるのです。これからまだ浜名湖の近くで一仕事あるというのに観光気分100%。

 なかでも42号線沿いに延々と続くメロン栽培のハウスの数には圧倒されます。何から得た情報かは忘れましたが、この付近にはメロン富豪が沢山誕生したとか?。これだけの需要があるのかとビックリしてしまいました。この地は農作物と海の幸に恵まれているせいか、道沿いには商店やコンビニも必要としないのでしょうか、とにかく店舗らしき物が無いのです。自然と織り成す悠久の営みの臭いがします。

 訪問予定先のY.Sさん宅には約束の2時間遅れで20時前に到着です。通された部屋には私から買って下さったアンプRK-PA01の姿が見えません。その代わりにオラクルの200万円のアンプがデンと居座っております。

 暖かな色で塗装された明らかに自作と分る木製のラックが一番最初に目を引きました。お尋ねすると今日完成したばかりで何でも長さは全てカイザー寸法で決めたそうです。こんなところでも少しずつカイザー単位が浸透していたのです。

 ラックを入れ替えた関係で音が様変わりし、まだ今の所、音の感想がよくつかめていないとの事。ケイコ・リーを聞かせて下さったのですが、スピーカースタンドとベース材として使ってある御影石との相性が上手く行っていないような鳴り方です。

 ステンレス製のスパイクの受けには丸い黒檀製の物が履かされています。金属製のスピーカースタンドに対して決して悪くは無いはずなのに出て来る音は歪っぽく濁りが想像以上に多いのです。よく見るとスパイクとスピーカースタンドのベースプレートが袋ナットでシッカリと締め付けられていません。ネジの部分で不要共振を起していたのが大きな原因と見ました。


 「息子に対してどうする?」と聞きますと・・・。

 『どんな音にでも出来るよ』と返事が返ってきた。

 『さーて、やりましょうか』と小声を発して行動に出た。

 スパイクとベースの間の木製スパイク受けを外し、何と御影石に対してスパイクを直に載せピンポイントに追い込むというのです。カンカン、キンキンの音しか出ないはずなのに、『潤いのある音と同時に切れのある音が出せる!』と言い切って平然とした顔であっという間にやってのけたのです。

 特にウッドベースの音とバスドラムの音の区別がつかなかったのが、ハッキリと聞き分けられるようになりました。しかしこのセッティングだとほんの少し触っただけでもバランスが崩れるほどデリケートな状態なのです。

 お勧めとしてはエコブラスのスパイクとPB-JRU(H)のスパイク受けでのペアー使用です。そのコンビですと遊びが少し出来るので安心して音楽を聴いて頂けるようになりますとの提案です。この一連のセッティングにはY.Sさんも理解するのに時間が掛かったようです。



 昨日はありがとうございました。


 ----- Original Message -----
 From:Y.S
 To: info@rosenkranz-jp.com
 Sent: Monday, April 19, 2004 11:42 PM
 Subject: 昨日はありがとうございました。


 拝啓 貝崎様

 昨日はお疲れのところご訪問頂きましてありがとうございました。

 正直な所、驚きの連続で別世界を体感させていただきました。

 初めは「何がどう変わったのか?」なかなか付いて行けませんでしたが、

 ちょうど写真のピントを合わせるようにベースのボケた音像が”ビシッ”と決まり、

 今までの音は何だったのか?と言うぐらい激変しました。 


 『B&Wは知り尽くしている!』と言うご子息の神業のようなあっという間のピンポイントセッティング、

 解り易い解説のお陰で音の出し方、波動の理論、

 理解の仕方等、とても多くの事を学ぶ事が出来ました。
 
 といっても真似が出来るわけでは無いのですが...

 インシュレータ―をほんの少しまわしてだけであんなに音が変わるなんて...

 「自分でコントロールできる様になったらさぞかし面白いだろうなー」と思いましたが、今は怖くて触れません。 

 今後御影石とSUSのピンポイントからブラスに変え余裕を持たせた時、

 チューニングにトライしてみたいと思います。

 それが楽しみです。


 今日の音は昨日よりも馴染んだせいか更に良い音になりました。

 特に驚いたのは弦楽器ヨーヨーマのチェロや、

 村治佳織のギターが信じられないくらい素晴らしい音になっており感激です!!。

 弦楽器の奥行きと豊かな響き、臨場感が増え聞こえなかった音が見える様になりました。

 お陰で昨夜のCDプレーヤーのインシュレータを外し元に戻した時のショックから立ち直る事が出来、

 今後のステップアップの楽しみに変へる事ができました。


 昨日出来たばかりのカイザー寸法で自作したラックが意外に弦楽器に合っているのかも..
 (その反面女性コーラスの高い音が聞きづらくなりましたが)

 今日改めてカイザーサウンドとお付き合いを続けさせていただければ、

 我家のセットも木とブラスで足回りをまとめあげれば、

 「きっとすごい音になる!」と確信する事が出来ました。

 本当にありがとうございました。御礼申し上げます。

 お待たせしてしまったご家族にも宜しくお伝えください。  

 敬具

 Y.S


 お邪魔しました


 ----- Original Message -----
 From: info@rosenkranz-jp.com
 To: Y.S
 Sent: Saturday, April 24, 2004 1:57 AM
 Subject: お邪魔しました


 Y.S様

 クリニックのご感想有難う御座います。

 Sさん宅での今回のセッティングは、普通の常識では考えられないような綱渡りのようなものです。

 それだけステンレスのスパイクと石というのはハーモニーポイントが極端に小さいという事です。

 当日まさか息子があんなセッティングをするとは私自身も思っていませんでした。

 Sさんのシステムの可能性を分って貰うにはあの方法がベストと彼は思ったのでしょう。

 硬い、キツイ、冷たいの要素がステンレス、石、金属にはありますので如何に使いこなすかはちょっと難しいですね。

 折角のアンプとスピーカーの性能を引き出してやる為には、コンポとは別の周辺機器を見直してやる必要があると思います。

 少しずつ楽しみにやってください。

 また、音に対するご相談は何なりと仰ってください。

 このような武者修行が次のお客様によきアドバイスが出来るようになるためには大変大切な事と思っています。

 当方としましても勉強になる環境でした。

 有難う御座いました。

 カイザーサウンド
 貝崎静雄


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