トップカイザーサウンドオーディオクリニックの旅映像派から次第に音に凝り始めた(PMC/FB1)

映像派から次第に音に凝り始めた(PMC/FB1)



 ----- Original Message -----
 
From: T.E
 
To: info@rosenkranz-jp.com
 
Sent: Sunday, April 27, 2008 8:24 PM
 
Subject: オーディオクリニックについて


 貝崎様

 品川区のT.Eと申します。
 
この度、貝崎様にクリニックに来ていただきたくメールいたしました。

 オーディオ雑誌等を見てアクセサリーを購入し、音を良くしようと試みているのですがうまくいきません。アクセサリー取り付け当初は音が良くなるのですが、すぐに聴きなれてしまうというのか長く感動が持続しないのです。

 このごろは音は良くなっているが、音楽的な良さが薄れているように感じています。
自分は、ホームシアター派ですのでAVアンプとDVDプレイヤーの組み合わせでCDを聴いています。

 涙を流すほど感動する音楽を聴くには、純オーディオシステムにしないとだめなのかなぁと思っていたりもしています。しかし、カイザーサウンド様のHPを拝見し1月にPB-COUSINUを購入してその良さに驚き、それと同時に一度貝崎様に託してみようと決意いたしました。

 住まいは賃貸アパートで和室6畳にてシステムを組んでいます。
 システム構成は以下になります。

 AVアンプ Pioneer VSA-AX10Ai
 DVDプレイヤー ESOTERIC UX-3
 フロントSP PMC FB1
 センターSP PMC TB1C
 リアSP PMC TB1
 コンセント オヤイデ SWO-GX ULTIMO
 マルチタップ オヤイデ OCB-1 EXs
 電源ケーブル
 アンプ→タップ AET HCR AC
 プレイヤー→タップ AET SCR AC
 RCAケーブル audioquest PANTHER
 i.LINKケーブル ESOTERC Sterssfree8nCu
 SPケーブル QED SilverAnniversary
 それと50インチのプラズマTVがシステムの中心になっております。

 当日望みますことは、システムのクリニック及びセッティング。
 FB1のモディファイ。
 サウンドステーションUを購入したいと思いますのでその日に配達及びセッティング。
 ナイアガラStの購入も検討しています。できればナイアガラJrとの比較視聴もしたいです。
 ナイアガラとコンセント間の電源ケーブルも同時購入で検討していますので、おすすめのケーブルを何本か視聴させてもらえればと思います。

 後、FB1のモディファイ料とクリニック及びセッティング料はどのくらいかかるものなのでしょうか?

 宜しくお願いします。


 
----- Original Message -----
 
From: info@rosenkranz-jp.com
 
To: T.E
 
Sent: Tuesday, April 29, 2008 2:15 AM
 
Subject: Re: オーディオクリニックについて


 T.E様

 
初めまして、貝崎と申します。
 クリニックとセッティングのお問い合わせ有難うございます。
 東北へクリニックに行っていまして先ほど帰ってきました。
 お返事が遅くなって申し訳ありません。

 早速下記にお見積もり申し上げます。

 機材の数、システムのグレード、
 難易度等によって料金に違いがありますが、
 T.E様のシステム内容ですと、税別で、
 クリニック料が40,000円、
 セッティング料が40,000円になります。
 最初から買って頂く物もありますので、
 今回は近くですから出張料はサービスさせて頂きます。

 FB1の加速度組み立てはペアーで50,000円(税別)です。

 サウンドステーションに関しましては受注生産方式をとらせて頂いております。
 ご入金頂いてからの取り掛かりになりますのでご理解賜りたくお願い申し上げます。

 後はご要望の通り当日比較試聴出来るように商品の用意を致します。

 カイザーサウンド
 貝崎静雄


 音を聞く前の段階で何かが気になります


 昭和40年代の頃に住んでいた懐かしい感じのするアパートです。白い壁なので漆喰かなと思い、ノックするようにコツコツと叩いてみますと土壁ではありません。さりとて石膏ボードでも無いようですが、中が太鼓状態である事は確かです。

 スピーカーは僅かに壁面とオフセット気味に設置されています。音を聞く前から”何か”しっくり来ないものがあります。その”何か”というのが特定して感じるのではなく、何かしら落ち着かないという感じです。

 いつもはその何かが目に止まったり、具体的に感じたりするのですが、今日ばっかりはそうではありません。それが後で何を感じていたのか判れば良いのですが・・・。

 センサーがニュートラル状態にある第一印象はとっても大切です。物作り、音作りにとって、全てがそこにあると言っても過言ではありません。



 映像と音がリンクしていない


 「何でもいいですから現状の音を聞かせてください」。

 DVDでライブ演奏を聴かせて貰いましたが、映像と音声が合っていません。昔のトーキー映画を見ているようです。ソフトの方にも問題があるのかもしれませんが、歌い手の口の動きとスピーカーから聞こえる声に1秒ぐらいのタイムラグがあるような感じです。

 実際にはそんなはずは無いのですが、でもそんな風に感じてしまうほど凄い違和感を覚えます。2週間ほど前にバンダースティン1Cをクリニックした時と同傾向の症状です。

 その両者の共通点は壁面に対して斜めにスピーカーを設置する”オフセットセッティング”です。フラッターエコーを嫌うあまりに、このようなセッティングにしてあるのでしょうが、とにかく音が滲んでいて聴くに堪えません。 

 正確には滲(にじ)んでいるというよりは歪(ゆが)んでいます。


 お勧め出来ないオフセットセッティング


 あるウェブサイトの推奨セッティングを参考にしたということですが、その方法で素晴らしい音を作り出せるのは万に一人、その道のプロ中のプロ以外は無理です。

 ビリヤードに例えると正面から狙えば良いものを、わざわざ難しい間接ショットを試みているようなものです。それも入った時には格好良いかもしれませんが、ことごとく外れているから余計に様にならない・・・。そんなシーンを思い浮かべて頂くと良いでしょう。

 何事も先ずは正攻法から攻めるべきです。

 ステレオの基本は、2本のスピーカーが動かす空気を如何に効率よく混合させるかにあります。オフセットセッティングにしますと、ほとんどが斜めに戻って来るすれ違いのような反射波となります。

 それが横方向からお互いが崩し崩される格好となり、殺がれた両スピーカーのエネルギーに大きな狂いが生じます。その結果、周期ずれを起こし痩せた音になるのです。


 「オフセットセッティング」はフラッターエコー以上にデメリットが大きいですから、お勧め出来るものではありません。

 特に楽器が持つ倍音を再生するには程遠いです。

 倍音の出ていない状態で音を良くしようとすると、性能ばかりを追いかけるようになり、音楽の感動はドンドンと逃げて行き、機器の買い替えばかりに目が行くマイナスのスパイラルに陥ります。

 倍音とはその文字の通り、元になる音に対して2倍の波長周期を持った音が重なった時に初めて起こる現象であります。特定のピークとなってしまう波長の重なりは良くありませんが、さりとて色々な波長が重なり合わない限り、倍音や響き、そして潤いも生まれないのです。

 要は斜めに置く事に意味があるのではなく、美しい響きになるように置いてやる事が大切なのです。その好結果が得られるなら方式論なんてものはどうでも良い事です。結論としては、いつ何時でも魅力ある音を出せればそれで良いのです。


 電気的にディレーをかけると不自然になりがち


 その倍音に関する話ですが、カーオーディオにもタイムアライメントといって、デジタルプロセッサーによって各スピーカーから出る音にディレーを掛ける方式があります。

 目的はフロントガラスのセンターに音を定位させるというものです。確かに絵で描いたように音の位置が判ります。でも肝心な音はというと、響きが殺ぎ落とされた平坦でデジタルチックなサウンドです。

 空気という媒質が振動して感じる自然界のものとは程遠い有り得ない音です。「オフセットセッティング」にはそんな音に似た違和感を覚えるのです。

 タイムアライメントのように”電気的”に行なっているか、あるいはオフセットセッティングのように”機構的”に行なっているかの違いであって、現象としての結果は両スピーカーからの到達時間を狂わせる事に於いては同じような考え方です。従って音の傾向も似ているのです。

 DVDプレーヤーであり、AVアンプでは所詮良い音を出すのは無理なのかなぁ・・・と今日のセッティングに一抹の不安がよぎって来ました。


 クリニックの開始と同時にシックリこなかった原因が判明


 ”壁の反射を嫌う”そのオフセットセッティングから、”壁の反射を味方に付ける”カイザーサウンドの和音セッティングの音を体験して頂きます。僅か数センチスピーカーを動かすだけですからほんの15秒もあればO.Kです。

 『コロッと変わりましたですね!』

 「でしょう!」

 捻れた音から開放された私自身の体も楽になったと喜んでいます。音を聞く前に感じた今日の何か落ち着かない原因はこのスピーカーの”オフセットセッティング”にあったようです。赤ちゃんと同じように、あるがままの本能で感じるように普段から習慣付けている私の脳みそがそのように反応したのであります。


 サウンドステーションの威力と汎用性の高さ


 「それでは次にサウンドステーションを組みますので、その間スピーカー周りの掃除をお願い出来ますか?」。

 「それともう一つ、提案ですが、ラックの上に設置してあるAVアンプを一番下の棚に移動しませんか?」。

 「右のスピーカーの直前にあって、空気の動きの妨げになっているからです」。

 『ハイ、分りました』。


 「沢山結線されているスピーカーケーブルの配線を間違わないように気をつけてお願いします」。


 ローゼンクランツの木製品は拘りの手作りですから、表木のハードメイプル、底部に使うスプルース。それぞれに響きの方向性を管理した上で組みます。更に1本の木から裁断した根太木にあたるスプルース材にあっては、戸籍簿管理という独特の方法で順番管理しています。
 

 それは大地に近い方を長男とし、枝先に向って次男、三男と呼ぶ方法であります。自然の摂理に従って作り込んでいるからこそ、ローゼンクランツ製品が奏でる音には魂が宿るのです。

 ほぼ正方形に近いスピーカーボードからサウンドステーションに履き替えた直後に出て来た音といったら、明らかに”モノが違う!”といった感じです・・・。

 うう〜ん、ちょっと言葉には表し難いですが、本物の楽器が奏でる響きの美しさを聞かせてくれました。オーディオ関係でここまで徹底した物作りをしているメーカーは世界中のどこを探しても無いと思います。

 この時点で今日は”良い音が作れるぞ!”と確信しました。

 畳、カーペット、フローリング等、サウンドステーションはどんな床とでも相性はバッチリです。

 特に始末に終えないのが床暖房の緩々(ゆるゆる)の低音ですが、サウンドステーションなら見事な音をお約束します。そのサウンドステーション誕生のきっかけとなったのは、私が6年ほど前に東京に試聴室を開設した際に初めて出会ったガスによる床暖房でした。

 そのどうにもならない、ゆるふん(ゆるんだふんどし)の低音を解決するのに誕生したのがこのサウンドステーションなのです。値段だけ見るとちょっと高いようですが、その音から得られる感動の大きさと、汎用性を考えたら一生道具として使えますので、是非使って欲しい必殺のアイテムです。


 電源タップの比較試聴


 次は最初からプランの中に入っていた電源タップのグレードアップに関してのテストです。先ずはACケーブル類はそのままにして、「ナイアガラSt.」だけの違いを聴いて貰いました。

 この音の違いは3ランクどころか次元の違いを見せてくれました。

 音が出た瞬間にT.Eさんの顔色が変わったのが判りました。

 それぐらい見事に変身しました。

 『これ以上の音がまだあるのか想像がつかない!』とT.Eさん少し興奮気味です。


 次に「ナイアガラJr.V」を聴いて頂きます。

 先ほどの衝撃があまりにも大きかったものですから、王道を行くが如く”安定感のある音”を分って貰えるかな?とちょっぴり心配していましたが、何と何と!「ナイアガラJr.V」の魅力ポイントを的確に掴み、持ち点の違いと申しましょうか、番付の違いのようなところを見抜いていたようです。

 次に壁コンセントからタップまでをパワフルさが売りのAC-RG2に変えて聴いて頂きます。これでナイアガラJr.Vが本来の力を発揮出来るようになります。一気に音楽が堰を切ったようにグイグイ迫ってきます。この時点でT.Eさんのにやけ顔は更に崩れて行きます。

 そして、ほくそ笑むように、『ここはJr.を貰います!』と、ハッキリ口にしました。


 パイオニアのAVアンプ(VSA-AX10Ai)の音は一級品


 正直な事を申しますと、今繋いであるACケーブルで過去にこんな音は出たことがありません。という事は、パイオニアのAVアンプと白いスピーカーケーブルが余程良いという証明なんです。

 セッティングを上げて行くに従って通常なら問題点が出始める頃なのに、「ドンと来い!」とばかりに期待に応えるのですから立派な物です。

 そして、このAVアンプは今までの概念を遥かに超えたところにあると感じました。何よりビックリしたのは音がリアルである事です。パイオニアブルーに象徴されるように、常に陽のあたる場所を歩いてきたパイオニアサウンドは、苦労知らずのお坊ちゃんお譲ちゃんのようでした。

 それがあろうことか、今日のAVアンプの音を聴いてビックリしているところです。この最近大赤字を出したりして苦労しているのがプラスに働いているのか、音に随分と陰影が出てくるようになりました。明暗ではありませんよ、陰と影ですから負を経験しないと出せない表現です。下手な2チャンネルハイエンドアンプより断然良いです。

 VSA-AX10Aiなんて憶え難い中途半端な型番は音から判断するに相応しくありません。しかし残念かな、型番を見る限り、このアンプの音の凄さを営業サイドの人間は解っていないのでしょう???。

 パイオニアにとって歴史的快挙といっても良いこの素晴らしい音から判断して、VSA-10000と改名しては如何でしょう?!。また、この完成度はパイオニアスピーカーのフラッグシップモデルであるR1より上であると私は見ました。


 スピーカーの加速度組み立て


 そろそろスピーカーの能力の底上げをしておかないと、長所のみならず欠点の方が目立つようになっても困ります。これもお伺いする前からの規定路線として決まっていたことです。

 FB1のツイーター取り付けは、出っ張っている端子の部分が入るようにバッフル部分に切り込みが施されてあります。ですから取り付ける向きの変更は出来ません。耳をそばだててチェックしたところ、運良く両方とも響きの方向が上に向いて揃っていましたのでそのままでO.Kです。

 集中力を高めウーハーも調べますと、左右どちらのユニットも7時の方向に音が流れていました。高、低、お互いのユニットが背を向けているような格好になっているので、これではスピーカー本来の良さが出ません。

 しかし、この時点でかなり良い音になっているのに、更に加速度組み立てを施したらどこまで良くなって行くのでしょう・・・。スピーカーによっては密着が強くて簡単に外れない時もありますが、今日はいとも簡単に外れます。幸先良い感触です。

 FB1の場合ユニットも軽いし脱着も簡単なのですが、曲者はギザギザになったワッシャです。トルク調整をしようとした時に止まっているかと思えば、一緒に回ってみたりして微妙な力加減が判り難いのです。

 ですから、左右のエネルギーバランスを揃えるのに一苦労です。揃えたつもりでも微妙にですが必ず違いが出ます。良い方に合わせようと欲を出してやると更に難しくなるのですが、今日に限っては私の調子が良いのか?、T.Eさんの運が強いのでしょうか?、音が目に見えるように判断出来ます。


 見違えるような音に生まれ変わったFB1


 左右合わせて3度ずつは試みたと思います。トルク調整をする度にグググッと50万円刻みに上級機のスピーカーに変えたみたいに音がアップするのが分ります。思いの外上手く行ったようです。

 この技術に関しては日増しに腕が上がって行っている自分が分るのです。調子の良い時は左のスピーカーを調整していて、右のスピーカーの音が見えるようになる事があるからビックリです。

 それは自分に無かった感覚が新たに芽生える訳ですから、やっていて本当に嬉しくなる瞬間です。60歳にしてなお成長しているのですから、人間努力し続ける事に価値があります。今日もそんな風に音が見えました。

 FB1の調整をしてみて感じた事はネットワークのバランスが素晴らしい点です。音抜けも良いし、トールボーイ型でありながら、低音楽器が切れ良く鳴るのはちょっとありません。ましてこの無骨なデザインとは似ても似つかない音が出るようになった今日の加速度組み立てであります。


 役割分担ACケーブルの試聴


 DAコンバーター専用ACケーブルという触れ込みで発表したAC-DA614は、素晴らしいスピード感と位相の正確さにあります。シンプル録音ですと演奏現場に近いリアリティーです。この時点になると、初っ端に聞かせて貰ったエイミーの口の動きとスピーカーから出てくる音がかなり揃ってきました。


 次に人の声帯域をリアルに表現する為に開発したAC-Blood Stream1を繋いで徳永英明を聴きます。これも声の中に秘めている感情のデリケートな表現が豊かになりました。特に弱く消えて行くようなところです。今まで彼の良さに気がついていなかった私も改めて魅力を知るきっかけになったのは大きな収穫でした。T.Eさんも益々ツボにはまっているようです。


 予定外のインシュレーターの試聴


 滅多に無いクリニックの機会だからという事でインシュレーターの音も聞いて頂く事になりました。それというのも、ちょっとざらついた音が首をもたげて来るようになったのが理由です。

 その原因をエソテリックのプレーヤーに見い出しました。マグネシュームの軽いインシュレーターで受けているのと、元々付いてあるインシュレーターがぶら下がっていてカタカタ鳴る状態になるのが気になって仕方が無かったのです。



 足を外したついでに簡易加速度組み立てを敢行


 エソテリックの足はごつい底板を外さない限り、中からナットで締め付けてあるので外す事は出来ません。素人の方は下手に触らない方が無難です。

 TEACはメカ屋さんだけあって筐体がシッカリしています。逆にちょっとやり過ぎと思えるほどガチガチです。音が硬いとかキツイと言う感想が多いのはその為であります。それともう一つ、UX-3の音のざらつきについては天板の砂地のような塗装にも原因があります。



 底板を外したついでに天板も外し、20本以上あるネジの適材適所を決め、側面にあってはアルミのワッシャの方向性まで揃えて加速度組み立てを施しました。予定外ではありますが、本来ならインシュレーターがローゼンクランツの一番の売りですからクリニックから外す訳にはいかないところです。


 入り口機器にPB-BIGUは無類の能力を発揮


 UX-3位の機器になると、迷う事無く最高級のPB-BIGUが相応しく、その音と言えば、正確さと力強さを併せ持ち、そして音楽性の高さの3拍子揃った正にインシュレーターの王様であります。



 入り口の音が正確性を増すと、その後の増幅系のアンプやスピーカーの仕事がやり易くなるのです。これで音楽振動がスムーズに流れるようになり、本来の力のある音と共に美しい音色も新たに誕生し更に強力なチームに変身です。


 音が落ち着くまでちょっと休憩


 スピーカーの加速度組み立てをしてCDプレーヤーにインシュレーターまで入れると音が根こそぎ変わります。そんな理由でしばらくは音の調整は出来ないのでここで一服する事にしました。

 今日の仕事に備えて早寝早起きをしようと試みたところ、4時ごろには目が覚めて寝つかれなくなったので読書をしました。ところが今度はちょっと寝過ごしてしまって、15分ほど約束の時間に遅れてしまったのです。そんな訳で朝から何も食べない状態で夕方まで頑張っていたのです。

 T.Eさんのご好意に甘えて中華料理をご馳走になりました。その後スターバックスでコーヒーを飲み2時間ほどリラックスしてから部屋に戻りました。


 PB-COREは音楽の下支(したざさえ)に不可欠


 そして、スピーカーの下のインシュレーターもPB-COUSINUからPB-COREにグレードアップする事になり、また、余ったCOUSINUはセンタースピーカーとして利用しました。

 特にPB-COREはローゼンクランツインシュレーターのアンカーとして登場した勝負強さが売りであります。インシュレーターがしなければならない仕事の中で足らないところを一手に引き受ける頼もしい存在なのです。

 例えて言うなら人間社会の縮図のように、音楽には、清、濁、老、若、と色々な表現が求められます。チューバとかバスーンと同様に欠かす事の出来ない下支(したざさえ)の切り札的存在を務めるのがPB-COREなのです。

 PB-COREがアンカーとして疾走し始めたその後の音といったら、想像を遥かに超えた素晴らしいものに成長を遂げました。お伺いした時の音から考えると、そのレイズアップ効果は私のクリニック史上最高傑作の一つに数えられる結果になったと自負しております。

 コンポの主役である三役は一つも変わらないにもかかわらず、これだけの変身を遂げられるのですから、「オーディオクリニック」、「オーディオセッティング」は海のように深く空のように高いです。

 この先まだまだ研究を重ね腕を磨く所存です。

 
クリニックご希望の方はお気軽にお問い合わせ下さい。

 翌日すぐにT.Eさんからクリニックの感想を以下のような内容で頂きました。


 ----- Original Message -----
 From: T.E
 To: info@rosenkranz-jp.com
 Sent: Friday, May 30, 2008 4:05 PM
 Subject: クリニックありがとうございました。


 カイザーサウンド 貝崎様

 品川区のT.Eです。
 昨日は長時間に渡るクリニックお疲れ様でした。 
 そして、ありがとうございました。

 クリニック開始当初は、いろいろご指摘を受けて「そんなに悪い音だったのか・・」と恥ずかしくもなり、この後いったいどうなるんだろうと心配にもなりました。しかし、終わってみればあまりの音の変貌ぶりに言葉が見つからず、貝崎さんにはニヤケた顔を見せる以外ありませんでしたが、貝崎さんにはそれで十分伝わったと思います。(笑)


 ノラ・ジョーンズのファーストアルバム

 一夜明けて、少しは興奮も落ち着き何枚かお気に入りのCDを聴いてみました。
まずは、ノラ・ジョーンズのファーストアルバム。朝起きてコーヒーを飲みながら聴くノラ・ジョーンズは最高です。

 なんとなく癒されるんですね。今まではそう思っていました。でも、今朝、目の前で聴いているノラは違いました。今まで最高と思っていたノラを遥かに超えたノラがそこには居ました。 

 ノラがバンドを率いて目の前でセッションしていると言ったほうがいいんでしょうか。以前より、断然楽器の音数が増えてドラム等の打楽器系の音が良く出るようになりました。 

 無論、ノラのややハスキーな声もより魅力的になり、聴いてるとゾクゾクしてきました。う〜ん、これは朝聞くより夜お酒でも飲みながら聴くほうがいいのかな〜。まあこれは自分の勝手ですね。(笑)


 次に、徳永英明の「ヴォーカリスト3」を聴きました。

 女性アーティストの曲を徳永英明が歌う。これってものすごくハマッテますよね。だからヴォーカリスト3作品はあれだけ売れたのでしょうけど。

 そして、今聴いている徳永はそのハマリ度合いが以前聴いていたのとは桁が違います。女性アーティストみたいな甲高く伸びのある声は以前とは比較になりません。やっぱりこの人歌うまいですね。 

 後、ものすごく感情を込めて歌っているのが感じとれます。クリニック毎に聴いていたので、貝崎さんは気づいていたかもしれませんが・・。

 曲を聴いている時にふと思い出しました。以前、徳永英明がTVに出演している時に、「今回のヴォーカリストでは、数々の名曲にたいして畏敬の念を持って歌わしてもらいました」とおっしゃっていたのを思い出しました。 

 「そうか、これか!」。そんな感情表現まで出してくれる、今のシステム、そしてカイザーセッティングに脱帽しました。


 最後に大好きなエイミー・マンです

 映画「マグノリア」のサウンドトラックを聴きました。映画のサントラなのですが、中身はほぼエイミー個人のアルバムみたいな内容というちょっと変わったサントラです。

 エイミーもクリニック開始当初からクリニック毎にチェックで聴いていましたが、視聴するたびにエイミーが生き生きしてくるのがわかり、それがものすごくうれしくてしょうがなかったです。

 さて、今聴いているエイミーはといいいますと、もう何も言うことはありません。 しかしそれでは感想になりませんので、あえて言いますと。エイミーの声の表現力、曲中でのハモリ、何度も聴いているこの曲にまだ聴いたことなかった音まで聴こえてきました。 

 なによりライブ盤を聴くと、ものすごく楽しく演奏しているエイミーが聴き取れるのです。そしてそれはイコール聴いている自分も楽しくなってくるのです。

 想えば、ホームシアターで映画しか観てなかった自分をオーディオの世界にまで引きずり込んでくれたのはエイミー・マンにハマッたのがきっかけでした。 

 エイミーの曲をよりいい音で聴きたい、自宅でエイミーの曲を聴いて涙を流したい。この思いで今までコンポを買い換えたりアクセサリーを買ったりしていましたが、いつのまにか感動や音楽の楽しさを求めるより、ただ音がよくなって満足してしまうただのオーディオマニアになっていました。


 やはりすごかったのは貝崎さんのセッティング技術

 まあ、そのことに気づかされたのもある日エイミーの曲を聴いたときにあまりにつまらなく聴こえたのがきっかけだったのですが・・・。そんな、つまらなくなった音を、音楽を楽しむレベルにまで仕上げてくれたのは今回のクリニックでした。

 また、今回のクリニックがなければ、危うく今の名機達を手放してスピーカーかアンプを交換するところでした。貝崎さんのセッティングに我が家の機器たちは、面白いようにどんどんと答えてくれる。 

 「すごい、こんなにすごかったんだ我が家の機器たちは!」(もちろん加速度組み立ての効果ができめんに出ているのは言うまでもありません)。

 そして、やはりすごかったのは貝崎さんのセッティング技術。

 真似しろって言われても真似できませんよあれは。 

 だからプロによるセッティング(クリニック)って大事なんだなと骨身にしみてわかりました。

 コンポ1台交換したって今みたいな音には化けることはないでしょうからね。今日から忙しくなりそうです。なぜなら、家にあるソフトを映画も音楽も全部聴いて観直したくなったからです。

 これって、すごく幸せなことだと思いませんか?。


 PS.
 こういう感想レポートって難しいですね、本当文面めちゃくちゃですいません。また、何かありましたらご相談いたしますのでよろしくお願いします。

 あっ、最後に言い忘れていました。

 ローゼンクランツのファンがまた一人誕生したことを。

 T.E


 ----- Original Message -----
 
From: T.E
 
To: info@rosenkranz-jp.com
 
Sent: Tuesday, June 03, 2008 8:07 PM
 
Subject: クリニックのその後


 カイザーサウンド 貝崎様

 お世話になってます、品川区のT.Eです。


 クリニック後は、休日にCDやDVDを観るのが楽しくてしょうがありません。

 おかげで、時間が足りません。(笑)

 この前は、CDを中心に聴きましたので。今日は、映画を観ました。もちろん、クリニック後のサウンドチェックも兼ねてです。

 観た映画は「時をかける少女」(細田版)です。

 「時をかける少女」といえば幾度となく実写化されてる筒井康隆氏原作の物語ですが、この細田版は現代版「時をかける少女」という内容でアニメ映画です。アニメ映画といっても、内容は超1級品のヒューマンドラマであります。

 普通映画でサウンドチェックと言えば、SFやアクションいわゆるドンパチ物なんかでチェックするのが定石だと思います。しかし、なぜ「時をかける少女」を選んだのか?。自分は、クリニック後の音に低音や爆音がすごいだの、リアとの音の繋がりが良いだのと期待した訳ではないのです。 

 どれだけ映画に感情移入できるか?。 

 映画に没頭できるか?。

 自分の好みの映画が法廷ものや、サスペンス等のヒューマンドラマ系が好きなのでそこに期待したのです。

 先に結論から言いますと、予想以上でした。

 観ているとグイグイと映画に引き込まれる感覚、

 声に感情がこもっているのがわかるんです。

 今回のマルチチャンネル再生において声がキーポイント、すなわちセンタースピーカーとなるわけですが、貝崎さんがセッティングしたスピーカーの位置がドンピシャだったのでしょう画面から違和感なく声が出てるんです。

 もう何度も観ている映画なのですが、いつもより時間が短く感じました。それだけ集中して観れるようになったということでしょうか。バックに奥華子が歌う曲が流れ、主人公が疾走するシーン思わず涙が出てしまいました。 

 以前の状態では、まずありえなかったことです。クリニック時に確認済みでしたが、色合いが引き締まり画質がアップしこれも、集中して観れるのに一役買っていると思います。

 そういえば、貝崎さんがおっしゃていた例の絵なのですが、試しに外してみました。するとどうでしょう、音全体がこじんまりと痩せて聴こえるようになりました。以前の音よりはマシかもしれませんが今の音と比べるとつまらない音になってしまいました。

 そして絵を元の場所に戻すと、また音がよみがえりました。もう頭の中が「???」な感じです。 これは、一体どういうことなのでしょう? 実に不思議です。ただ一つわかったことは、今の家に住んでいる間はこの絵をはずすことができないということです。 

 今回のクリニックは、自分にとって非常に有意義なものでした。お金では買えない価値のあるものを手に入れることができたと思っているからです。しかしまだ手を加えてない箇所もあるわけで、早くも夢想をしてしまう自分が居ます。

 スピーカーアタッチメントをつけたらどんな音になるのだろう?。ピンケーブルを替えたら?。リアスピーカーのグラグラなスタンドをST-1Sに替えたらどうだ?。 まあ、夢を見るのはタダなので。(笑)

 この夢想が現実になるようになりましたら、またご相談いたしますのでよろしくお願いします。

 ウェブ拝見いたしました、クリニック史上最高傑作の一つに数えられる結果ということで大変うれしく光栄に存じます。

 PS. 当日忘れていった傘を、本日東京視聴室宛に宅急便で送りましたのでよろしくお願いします。

 T.E


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