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拘りの手作り真空管アンプとJBLミニ4350

ご自宅ではJBLの大型SPで楽しんでおられるH.Kさんですが、『職場の休憩室にも新たにオーディオシステムを組みたいのでセッティングをして欲しい』との依頼を受けました。天井には既に天吊型のスピーカーが設置されています。

会議用のテーブル上に無造作に機器類が置かれている状態にも拘らず、スカッとした快活な音を放っています。床との振動の折り合いの問題が無いと、こうも気持ち良く鳴るものか!?と、再認識させられました。

ご自宅のシステムにカイザーラック(5段タイプ)を導入した時のインパクトは、H.Kさんにとってかなり強烈だったようです。従って今回も同じように、カイザーラック(4段タイプ)2組の注文を頂きました。

そのラックと機材のセッティングが今日の仕事です。現場で組むと時間が掛かるので既に組んだ状態で持ち込みました。コンクリートにピータイル直貼りの床にカイザーラックを設置するのは初めてなので、振動の移動速度や音の質感には大いに興味が湧きます。

ソリッドな音の中にも雰囲気も有している音です。ジャズを好まれるH.Kさんには打ってつけの鳴り方と言えるでしょう。第一関門は難なく突破です。しかしながら、100枚CDチェンジャーのプレーヤーから聞こえてくるレコード針特有のスクラッチノイズには戸惑いを覚えました。

体験によって蓄積された今までのデーターと、目の前にある視覚情報と、現実に出ている音との現象に、脳のコンピューターがバグッてしまったような不思議感覚です。

それもその筈、アナログプレーヤーからCDRに焼いた音が鳴っていたのです。それを真空管アンプで鳴らすのですから、何とも言えないアナログサウンドが醸し出されるのです。これは癒しの極地であり究極の楽しみ方です。ランダムプレーも多種なリピートプレーも朝飯前ですからBGMには打ってつけですね。

もうひとつ驚いたのは、非接触式のレーザーピックアップアナログプレーヤーで録音しても、針で再生した時と同じようにスクラッチノイズが入る事です。

私も過去にこの手の100枚チェンジャーを使った事がありますが、聴くに値するレベルの音には全く持って達していませんでした。もっともその時は、CDをそのままチェンジャーに入れて再生していました。しかし、現実に今ここで鳴っている音をCD再生で実現しようものなら、どれだけのお金を投じなければならないでしょう。

配線類は全てローゼンクランツです。「切れがあってコクがある」まさにビールの宣伝文句がそのまま当てはまる気持ちの良いサウンドです。ジャズのインタープレイにはその特徴がより一層発揮されます。

雰囲気あります。この真空管アンプはオーダーメードの一品物で完全手配線です。内部を見せて頂きましたが、それはそれは丁寧に作り込まれていました。真空管アンプと言っても最近は名ばかりの物が多く、その殆どは基板を使った中国製の量産物です。

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