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B&W/802DとGoldmund/Telos390.2

ネットで色々調べ物をしていてローゼンクランツのウェブに目が留まり、内容を読んでいる内に惹かれるものを感じ、カイザーゲージを買ってセッティングを試みた事で、ローゼンクランツ製品をもっと試してみたいと思うようになったそうです。

その後は私の助言を元に、ジャンパーケーブルやフェーズプラグ、ミュージックスピリットのスピーカーケーブル(Swing)を使うほどに音楽の魅力が増して行ったそうです。


過去に例が無いほど難易度の高い部屋

A.Mさんのステレオを置いてある環境は書斎兼仕事場です。12畳のリビングとの続き間であった6畳の和室の縁側の部分を拡張して8畳の洋間に改装した変則的な部屋でした。

スピーカーの左には出窓あり、スピーカーの背後の面の半分は押し入れで右は奥行きのある大きな本棚が陣取っており、そのすぐ右には立派な柱時計があります。右のスピーカーの外側にあたる手前部分は壁になっていますが、すぐ横は部屋の境界で仕切りはなくオープンです。

音楽を聞く位置は左角にあるデスクに向って仕事をしながら聞く事が多いそうですが、そのチェアーの横、即ち右のスピーカーのすぐ前に馬鹿でかいソファーがあってこれが音に悪さをしています。これさえどこかに移動出来たら音作りも易しくなるのですが、A.Mさんにとってリラックスするのに欠かせないとの事なので、別の考えを見つけ出さなくてはなりません。

壁面四面の形状が全て違うので、左右のスピーカーによって生じる気流に澱み部分が多くなりとにかく流れが良くないのです。オリーブのメディアプレーヤーに取り込んだデキシーランドジャズを聞きながら思案を巡らしていますが、その音は痩せていて冷たくきいついので、奥さんから苦情が出るというのも頷けます。


カイザーサウンドは本音を語ります

私のセンサーに出て来たカイザー指標値は100点満点の25点です。このきつい点数を口にしてしまうと、結果を出せなかった時の責任が自分に戻って来るのでプレッシャーはかなり掛かります。

そんな事は分かっている筈なのに、もう一人の私が勝手に口を開けるのです。"善も悪も混じった魂の声"として出て来るのです。これが良くも悪くも私の持って生まれた性なんです。どうあがいても変わりません。お迎えが来るまで変わらないのでしょう。


オフセットセッティングに賭けてみる

さてどうしたものかと部屋をぐるぐる回りながら作戦を練ってみるものの、通常の思考パターンの中では使えそうな物は思いつきません。今回だけは普段私が絶対にやらないオフセットセッティングしか残された手筈は無いみたいです。

フラッターエコーを避ける事が出来るという触れ込みで、一部にオフセットセッティングの信望者が居ますが、素人騙しに毛が生えた程度の結果しか得られません。何軒かそのセッティングに遭遇した事がありますが、脳が腸捻転を起したような音で吐き気を模様したのを覚えています。

にも拘らず敢えてそのオフセットセッティングを試みようというのだから、上手く行くのかどうなのか私自身にも分りません。とにかく初めてのトライアルなのですから・・・?。しかし必ずどこかに、通や玄人も唸るだけの音に繋がる答えが隠されている筈です。それを何とか今日はひねり出してみましょう。


念力と無心の脱力でスピーカーの位置決め

雑念を除き念力にも似たパワーでスピーカーの位置をマーキングします。左に比べて右のスピーカーは30センチは裕に後ろに下げたでしょう。幅も少し広げ気味です。前からスピーカーを動かすのではなく後ろに回って調整を図ります。

何故かと言われると、リスニングポジションのみではなくどこで聞いても良い音になる為には間接音を聴いて合わせなくてはならないのです。聴くのではなく聞こえて来るといった感覚で合わせます。

前後、左右、振り角共に勝手に手が動くようでなければなりません。ジャズの音色も豊かになり心地よくスイングし始めました。曲のリズムに合わせるようにボリュームを上げたり下げたり、乱暴に激しく動かすと水を得た魚のように生き生きし始めます。


ガン細胞のような音を見つけ出す耳

最後の仕上げに入るべく歌の入った曲をお願いすると、美空ひばりの歌がかかりました。かなり良くはなったのだけど、何か相容れないストレスを憶えます。どうやっても取れないガン細胞のような物がどこかで足を引っ張っています。

見つけました。犯人は足回りです。硬く冷たいステンレス製の鋭利なのスパイクにスパイク受けが痛い痛いと言って泣いている悲鳴だったのです。ここは想定していた事だったので、用意していた歯と歯茎構造のスパイク受け(キャップテン)に入れ替えて試聴して頂きました。

見る見る血色がよくなって、ひばりが十八番の曲だと言わんばかりに乗って来る感じが分ります。バックの演奏も埋もれて聞こえなかった楽器が沢山見えて来ました。聞こえない帯域の音があったのは、同じ素材で波長も同じだから振動が打ち消し合っていた為です。

自画自賛が笑い者にしかならない事を分っていても自慢したくなる。

それがローぜンクランツの歯と歯茎構造のインシュレーターの凄さ。


From: "A.M"
Sent: Tuesday, March 29, 2011 21:02 PM
To: <info@rosenkranz-jp.com>
Subject> Re: オーディオクリニックをお願いします

貝崎様

こんばんは。

802Dはゴキゲンで鳴っています。とにかく音が活き活きとし、躍動感を感じさせ、首を振ったり、体を左右に動かしたりと体が自然とリズムに合わせて動き出します。これで未だ6.5合目とは、山頂に上ればどんな音が聴かれるのか、それは先のお楽しみ。

A.M

From: "A.M"
Sent: Tuesday, March 30, 2011 21:43 PM
To: <info@rosenkranz-jp.com>
Subject> Re: オーディオクリニックをお願いします

貝崎様

こんばんは

今日は終日音楽に浸っていました。(います、今も)。感じるのは、今まではスピーカーが歌い、演奏しているような鳴りっぷり、響きであったものが今は部屋が音楽を奏でているようです。

従来は二つのスピーカーから線音が耳に飛び込んできましたが、今はスピーカー+その周辺から音が面耳に届き、体を包み込むように聞かせてくれます。(ひばりもビートルズもリアルで生々しい)。

6.5合目から頂までは遠く、道のりは険しいですが、今後共引き続きよろしくお願い致します。

A.M

From: "A.M"
Sent: Tuesday, April 2, 2011 8:31 AM
To: <info@rosenkranz-jp.com>
Subject> Re: オーディオクリニックをお願いします

貝崎様

おはようございます。

毎日生まれ変わった音と音楽を堪能しています。この鳴りっぷりはオーディオクリニックを受けなければ決して得られなかったもので大いに感謝するところです。特にジャズは今まで以上に盛り上がり、ジャンル別では鑑賞時間が一番長くなっているようです。

A.M

補聴器を通しても、素直で暖か味のある音を聞かせてくれる

From: "A.M"
Sent: Tuesday, October 11, 2011 11:37 AM
To: <info@rosenkranz-jp.com>
Subject : 補聴器を通しても、素直で暖か味のある音を聞かせてくれる

貝崎様

ご無沙汰致しております。その後も新製品開発やクリニックでご多忙のことでしょう。

ローゼンクランツは正に音ではなく音楽を聴かせてくれます。音の幅、奥行き共に深まり、生き生きした芯のある太いがやさしく、艶やかで耳に、体に心地よい音で音楽を楽しませてくれます。

頂いている65点を100点にする行程表をたまに横目でチラチラと眺め、折に触れオークションで検索していましたが、先月、PIN-3EXを落札することが出来、早速アンプとプレーヤーに接続し、興味津々で耳を済ませました。音が濃く、艶やかで、又甘く聴こえ、求める好みの音に確実に一歩近づいたことを実感しています。

SP-RGB3はローゼンクランツの"伝道師"であるT氏のご指導でその素晴らしさを教えられ購入した次第ですが、音が生き生きしており、大変心地よい音で音楽を楽しませてくれています。折に触れ、T氏にはメールのやりとりで色々と体験的、実践的なことも教えて頂いています。

聞き慣れた曲で今まで聞こえなかったベースの音も聞こえるようになり、ひばりも裕次郎も一段と歌が上手くなりました。又、音楽以前にピアノやヴァイオリン、フルート、ドラム等の楽器の音そのものを楽しめるようになり嬉しい限りです。

小生の場合は、二つのスピーカーを通して音を聞くせいか(補聴器=マイク+アンプ+スピーカー)両者の相性が合わないと耳が、体が受付けない嫌な音となりますが、ローゼンクランツを通して聞く音にはこの心配が全く無く、素直で暖か味のある音で聞かせてくれます。

従来は二点から出た音が線で耳に伝わり聞こえていたのがオーディオクリニックでまるで部屋が鳴るように面で聞こえるようになり、ローゼンクランツ製品で更に「物」が「音」を出している聞こえから何か「生き物」が「奏で、歌っている」ような聞こえとなりました。

ところで、T氏とのやり取りでは学ぶべきことが多々あります。かって頂いた100点取り用の行程表のイの一番に何故コンセントや電源タップ、同ケーブルが挙がっているのかやっと腑に落ちました。

まるで、全身ブランド物(ゴールドムンドやB&W)でギラギラに着飾り、銀座をさっそうと闊歩していたら、人から指摘され、履物(電源タップやコード)を見れば、破れたスニーカー。

数千円の電源タップでは、仰らなかったですが、貝崎さんも開いた口が塞がらなかったのでは、、、。だから、次のステップのイの一番に電源関係が来ていたんですね」。

まだまだ道のりは遠いですが、目的地がハッキリした今となっては迷う心配は無く、懐具合を気にするだけで済むので気持は軽やか、余裕を持ってマイペースで進めそうです。

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