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フルスペックPCトランスポートの導入(YAMAHA 1000M)

広島時代からのお付き合い

H.Sさんとの最初のお付き合いは15年以上前の広島時代に遡ります。『この先に取引先があって、カイザーサウンドさんの前を通る度に気になっていました』。『大したシステムではないのですが、一度ステレオの調子を見て頂けないでしょうか』。最初にご自分の要望をはっきりと口にされた事を、昨日の事のように憶えています。

当時彼がどんなアンプを使っていたかは忘れましたが、1000Mにありがちな上下に分離した音がはっきりと記憶に残っています。スピーカーのドライブ力に長けたハーマンカードンのアンプとオーラルシンフォニクスのスピーカーケーブル、そして、ローゼンクランツの最初期のピンケーブルと電源ケーブルを納めさせて頂きました。見違えるような音になった印象があります。

思い起こせばこの頃がローゼンクランツ製品を使ったオーディオクリニックの走りだったのかもしれません。ローゼンクランツにはインシュレーターが最初のイメージとしてありますが、実はケーブルの方が早かったのです。


日本中どこへ転勤しても声を掛けてくれる

最初の出会いの時にプランさせて頂いた音が良かったのでしょうか? H.Sさんはどこへ転勤されてもオーディオの事は私に相談してくれます。有り難い事です

H.Sさんで最も印象に残っているのは、電源タップの「ナイアガラ」を開発した時の事です。数年ぶりに彼から電話があり、いきなり『「ナイアガラ」を買いたい!』と言われて、ビックリした事があります。その時は名古屋か大阪が赴任地だったと思います。

今年も強い印象が残りました。マランツのCDプレーヤーSA8003モディファイバージョンを注文頂いたのは東京でした。納品を終えて近くのファミレスで食事を済ませ、会計をしている最中に大地震に遭遇したのです。忘れる事の出来ない3月11日です。

また、彼はレコードの仕事をしている関係上、沢山のソフトを持っています。転勤の度にその膨大なソフトも持ち歩いていると聞いて二度ビックリです。音楽とは365日切っても切り離せない生活のようです。


PCオーディオの導入

その後、『パソコンが故障したのを機に、PCオーディオを組んでみたいので一式お願いします』と頼まれました。今度は大阪に転勤との事。東京、広島の定期便の途中で納品に伺う事となりました。

LP等アナログ音源からの録音が可能な事と、DVD、ブルーレイ、CDとフルスペック仕様です。彼の勘違いから起こったいきさつがありました。デスクトップ型パソコンはディスプレー、キーボード、本体が一式となって販売されているので、てっきりそれをモディファイしているものとばかり思われていたようです。

カイザーサウンドが提供するPCトランスポートは全てゼロから組み上げる方式なのです。ケース、電源部、ファン、PCU、ターンテーブルメカ等、秋葉原の店頭に並んでいる物の中から目利きによってセレクトされた部品で構成されます。


オーディオ用スーパーコンピューター

どんなオーディオシステムでどんな音楽を聞いているのか等まで含めて、相談しながら組み上げるオーダーメイド中のオーダーメイドなのです。オーディオで培った「加速度組み立て」技術をフルに活用したオーディオ用スーパーコンピューターであります。

その特筆すべき技術の一つに、内部機器の電圧調整による音楽性の調律があります。この技術には目を見張る効果が得られ、スタジオで聞くマスターテープに近い生々しい音楽が再現されるのです。だから市販の物とは次元の違うスペックであり音がするのです。

今回の様に上得意のお客様に開発のチャンスを頂戴しながら、PCトランスポートたる可能性の極限を追求した、スペシャルチューニングモデルをオリジナル機としてお届け致します。


ヤマハの1000Mから信じられない音が出た

"H.S様仕様PCトランスポート"を繋いだ、ヤマハの1000Mから今迄に聞いた事のない素晴らしい音がしております。ベリリューム振動板の中高域とウーハーとの繋がりが難しい筈なのに見事に調和し、楽器情報以外の音は認識しようとスピーカーに意識を向けようとも、音楽感受脳に自ずとスイッチが入り、音ではなく音楽に吸い込まれてしまうのです。

元を正せば、オーラルシンフォニクスの安いSCTIというスピーカーケーブルと、ハーマンカードンのアンプのチョイスが無ければ出る音ではありませんが、それにしても素晴らしい音がしています。密閉箱の長所である低音の正確さがローエンドまで素直に伸びています。

限られた予算の中でしたので、買って頂いた物はデジタルケーブル(DIG-B5)とピンケーブル(PIN-Basic1)でした。それと値は張るのですが、この音だけは知っておいて欲しいと思っていたPC専用のサウンドステーションを聞いて頂いたところ、『これは無理しても貰うしかない!』と言って導入する事になりました。

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