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一戸建てから引っ越したParsifal Encore

カイザーサウンド
貝崎様

広島のNです。先日は大変お世話になりました。
おかげさまで、我が家に"音楽"が蘇りました。
やはり音楽は良いなぁと、あれから充実した日々を過ごしています。

今回のクリニックではローゼンクランツアクセサリーの導入はせず、
調整だけで音がどこまで改善できるかがポイントでした。

まず最初にスピーカーのチェック。
スピーカーは御影石ボードを含めた3パーツで構成され、
御影石はスピーカーフォルムに沿って台形型に面取りされていますが、
この石の方向性が見事に上下逆さまである衝撃の事実が判明しました。

ひっくり返すと確かに音の伸びやアタックの生々しさが段違いです。
メーカー指定の設置方法が音が悪くするとは夢にも思わず、
これは眼から鱗でした。

次に、厚く重いスピーカーボードが音を悪くしているとのことで、
撤去となりました。

寸法比が悪いボードが本来の音のリズムを崩してしまっているらしく、
「これならフローリングに直接置いた方が良くなりますよ。」

まさか〜と思いましたが、
スパイクを再調整してフローリングに置かれたスピーカーからは、
まるで会場にいるような音のシャワーが降り注ぎ、
唖然としてしまいました。
足場の弱いマンションではボード設置は必須と思っていましたが、
貝崎さん曰く固定観念による思考停止だと一刀両断でした。

部屋が狭いため、スピーカーの位置は、
生活動線や利便性を最優先に調整することになりました。


「もっと音が良いポイントはあるけど、
それで部屋が不便になるのは本末転倒。
部屋の主はスピーカーじゃなくNさんなんだから。
使われるんじゃなくコントロールする、
これが本当の使いこなしですよ。」

貝崎さんが無造作に示した3つのポイントは、
最も悪い音、最も良い音、良い音のポイントだそうです。
音も聞かずに何で分かるのか不思議ですが、
実際に設置してみると、平坦で抑揚のない音から、
リズム感に満ちた立体的な音まで、
本当にコロコロ変わるのです。


そして一番驚いたのが、
貝崎さんが一度も視聴位置に立たずに調整を終えられたことでした。
「反響音を聞けば正面の音も分かります」
と部屋の端で音をチェックする貝崎さんの姿は、
聴診器を手にした医者のようでした。
最後にラックや機材の位置を微調整して、
クリニックは無事終了しました。

クリニック後のオーディオルームは、
スイートスポットフリーというか、
どの位置で聞いても自然で楽しい音楽に包まれる部屋に生まれ変わりました。
何も聞いても楽しく、
CDを聞く時間が増えました。


自分なりに"音楽"の再生を目指して試行錯誤してきたつもりでしたが、
今回改めて"音"を意識し振り回されていたことに気づかされました。
アンビリーバボーな連続でしたが、
まさに百聞は一見にしかずな貴重な一日でした。
これからは何も考えずただ音楽に没頭できる日々が過ごせます。
本当にありがとうございました。

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