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エコブラス製スパイク&ナットの体験レポート



 音と仕上げを考えたらとても信じられないような価格設定!!

今井 明
 ネジ切り精度が素晴らしい、滑らかに回転する

 最近のカイザーサウンドは凄い。ミラクルサウンド・スクリーンにサウンド・ステーションと次々に新製品を開発し、それらがみんな素晴らしい逸品ばかりなのだ。そこに飛び込んできたのがエコブラスを使用したスパイクとナットの話だった。

 まあ良いものなんだろうなぁとは思いつつ、カイザーのこだわりで作った物だからまた高価になるから自分には関係ないだろう、と思っていたら話が回ってきた。しかも、カイザーとしてはかなりリーズナブルな価格となるという嬉しい話だ。

 実物が届いて見てみると本当に綺麗な仕上げで見ているだけで嬉しくなる。貝崎社長は最近は図面を見ただけで良い音がしそうなのが分かると言っていたが、確かにこのスパイクからはオーラみたいなものが出ているような気さえする。このネジ切りには相当苦労したと聞いたが、とても滑らかに回転するので気持ちが良いもので精度が素晴らしいのだろう。

 使用したのはT社のスパイクラック。床が柔なのとインシュレーター類を併用しているのでどこまで効果が出るか心配だったが、そんなことは関係なかったようだ。元々スパイク受けにはPB-BABYを使用していたのだが今回のスパイクは格が違う。

 また不思議なのは、いつもカイザーサウンドの製品をテストしていて、高音がどうとか、低音がどうとかをあまり感じなくなることだ。これはクセがないとも言えるのかもしれないが、それよりも音楽にひたれるというか音が生命感を持って躍動しているので、音楽そのものが聴いていて気持ち良く、楽しくなってしまうのだ。

 今回のスパイクは凄い

 もう少し具体的に言えば、空間に音が広がって溶けていくまでの響きが綺麗に聞こえるようになり、音の重なり、ハーモニーとリズムがしっかりとして包み込まれる感覚になることだ。それにしても今回のスパイクは凄い。「こんなものかな」と半ば諦めていたものが生き返ったように鳴り出す。

 だからカイザーサウンドの製品はあまりジャンルを選ばない、どんな音楽をかけても気持ちよく音楽が流れるのだ。気が付いたら日付が変わる頃までさまざまなディスクをかけかえて聴いてしまっていた。

 そして翌日、何も言わないのに家人が「音が良くなってない?」といったのには驚いた。つまり集中してやっとわかる差ではなく、ブラインドだろうがオーディオには関心がなかろうがわかるほどということだ。

 ついでにスパイク受けによる違いを聴いてみた。下はカーペットなのでスパイクのみでは置けないのでT社純正のベースの戻してみた。ステンレス製で見た目はそれなりにしっかりしたものだが音が固く冷たくなってしまう。声の伸びなどが悪くなり詰まったような混濁したような鳴り方になってしまう。

 もちろん比較すればの話でありスパイクまで純正にした時と比べればかなり良いのだが、一度聴いてしまうと戻れない世界である。やはり同じカイザー同士、エコブラス同士ということだろうか相乗効果で影響するのだろう。

 本当にストレスなく音楽が流れる、かといって軽いわけではなく引き込むというか包み込むような魅力、暖かさがあるのだ。それは製作者や社長の音に対する気持ちがそのまま音にも現れているようなものなのだろう。決して無理やり鳴らすのではなく、そのものが鳴りたいように振動を逃がしたり導いてやること、これが政振というかカイザーが主張するコントロール法なのだろう。

 その後、正式に値段が決まり4本で12,000円という、音と仕上げを考えたらとても信じられないような価格になった。寸法比が独自の規格なのは最早言うまでもないだろう。音楽に対する志と愛とでも言うべきものが詰まったこの製品、使用できる箇所かあるなら使わずにはいられない魔力を持つ素晴らしいものだ。

A&Vvillage 61号より転載


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