トップ情報インシュレーターエコブラス製=最高級スパイクとナットの情報「世界一のセッティング技術」の豪語も伊達ではない

「世界一のセッティング技術」の豪語も伊達ではない



今井 明
 アッシャースピーカーで試す

 前号で書いたエコブラススパイクはその後も好評なようで、実際に買われたお客さんの評価もすこぶる良いものであったが、いかんせん自宅ではラックしか使う場所がない。方向性を管理し振動を整えるという本来の目的からすればやはりスピーカーに使うのがベストだろう。

 どうしたものかと考えていたら、アッシャーのスーパーウーハーの下には「何と8ミリのネジが切ってあるではないか?」。今までは低音は出るもののやや鈍くてボンつくので、ほとんど鳴らされていなかった。このウーハー、もしかしたらと思い「よっこいせ」とひっくり返して、スパイクを装着して聴くとこれがもう見事に鳴り出すから驚きだ。

 特にこのスパイク初体験のお客さんの驚きはただ事ではない。これは決してスパイクによりウーハーを浮かした効果ではない。証拠に今までも散々色々なインシュレーターを試してきたのだから。正に鳴り出すという表現が適切だろう。

 それまでの低音が箱がボンボンと鳴っていたものだとすれば、スパイク装着後の音は床と一体化して響いてくるような音に感じられる。「ウーハーから音が出ていますよ」、といったワザとらしさではなく、部屋に音楽を響かせるようになるのだ。しかもそれで音がぼけたりすることなしにである。

 そうこうしているうちにアッシャーから届いたのがM-700Uというトールボーイスピーカー、S-520は確かに安くて良いスピーカーだけどスタンドも考えると大変というお客さんに向けた商品らしいが、最初はどうも冴えない鳴り方だった。エージングかと思って一週間ほど鳴らしたが多少良くなる程度でどうもパッとしない。

 ところがこのスピーカーにも何と8ミリのネジ穴があることを発見、まさかアッシャーは何かをわかっているわけではないのだろうが好都合である。貝崎さんのイベントが決定したのでそれまで待つ事になった。

エコブラススパイク
SK-52.5 ¥9000(3本) ¥12000(4本)
SK-42 ¥9000(3本) ¥12000(4本)
 参加者のほとんどがゲージを購入

 当日早めに来られた貝崎さんがスピーカーを見て「このユニットの方向性も違っているよ」とのこと。言われた通りにするとこれまで3つのユニットがばらばらになっていたのが見事に揃う。確かにスパイクやインシュレーターを入れれば良くはなるが、先ずはセッティングとスピーカーが大事、という主張を実証された。

 「スパイクを入れるのはその後だよ」、と。結局スピーカーの位置とアンプの置き方などを揃えてから最後にスパイクを入れられたわけだが、良い環境になっていただけに圧倒的に違いが出た。もう全員言葉もない。ただ音楽に身を委ねるのみとなってしまった。

 大げさに思われるかもしれないがこれは事実、というよりこれでも言葉にしているだけ冷静になっているのは参加した人にならわかるはず。スピーカーの存在感が消えるという、従来いわゆるハイエンドのものにだけ使われた表現が、こんなスピーカーで出せるとは「世界一のセッティング技術」の豪語も伊達ではない。そのノウハウの一端でも見られた参加者は本当に幸運だろう。

 これからあまり講演などしないで製品作りに没頭するとの事だからだ。どれだけ参加者が驚きその考え方を認めたかは、ほぼ全員のお客さんがその場で「カイザーゲージ」を買っていった事からもわかるだろう。

 つまり元からのサクラ?ではなく、その場で出された音に対して評価されたのだからこれは凄い事だと思う。二回目のイベントではPB-JRとDADDYの比較も行われたがこれはさすがに価格差に恥じない大差をつけた。端的に言うならば表現の深みと余裕が違うとまとめておこう。

 電源タップ「ナイアガラ Jr.」

 字数が足りない、まだまだあったことはたくさんあるのだが最後に出来たての新製品、「ナイアガラJr.」を紹介。前号で絶賛した電源工事に勝るとも劣らないとんでもないものだ。あのナイアガラの8割の力を三分の一の価格で実現した恐るべき製品。

 音の滞空時間が違い、弱音が浮かび上がる。最初はインシュレーターを買おうと思っていたお客さんがこれを聴いて後回しにして「まずこれを買う!」と即決されたぐらいだ。エンゼルにも店長たっての願いで、試聴機をそのまま置いてもらう事となった。もう外しては聴けないのだ。

 とにかくカイザーの製品はどれを入れても音楽になるのだが、まずゲージでセッティング、そしてスパイクと受けにはCHILDをお勧めしておく。7月ぐらいにはマルチチャンネルのカイザー流セッティングのイベントが予定されているので、実際に音を聴きたい人はエンゼルポケットに問い合わせてほしい。

A&Vvillage 62号より転載


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