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ハイエンドショーでの衝撃的な体験



 ----- Original Message -----
  From: Y.M
  To: info@rosenkranz-jp.com
  Sent: Monday, October 09, 2006 2:40 PM
 Subject: ハイエンドショウについ


 メールにて失礼をいたします。

 昨年のハイエンドショウのメールをHPにて御紹介頂き、恥ずかしい様な光栄な様な、不思議な気持ちでした。今もその時の体験は忘れる事が出来ず、自分の理想の音の一つとして目標とさせていただいております。そんな中で今年もイベントに参加させていただきましたが、去年を上回る衝撃的な体験でした!。

 普段からHPを拝見させていただいております。その中でついに新作のスピーカーに着手されるという記事を見て、勝手ながら激しく期待してしまいました。それもFeastrex社のユニットを使用するとの事。以前に初めて知った時は自分の御近所にこんな技術を持った方々が居たのか、と誇らしげに思ったものです。

 残念ながら自分でスピーカーを自作する知識も技術も無い私には、どこかが採用してくれるのを待つしかなかったのですが、まさか貝崎様が、と正直驚きました。それと同時に、活用するのにこれ以上の方は居ないと思いました。「活用」とは「活かして用いる」事。どのようなシステムでも「活かして」「用いて」下さる貝崎様なら、と。

 最終日の最後の公演にギリギリで参加できました。それも一番前に。昨年からすれば間違いなく良い席です。セッティングされたスピーカーは実に自然に佇んでました。最近の技術一辺倒の奇抜なスピーカーに比べて何と落ち着いた事か・・。

 そして貝崎様の講演が始まりました。いきなり思った事は、「何と嬉しそうに話をなさるのだろう」と言う事です。まるで身内のデビューをプロデュースされるかの様に、誇らしげに、そして楽しげに。


 まだ試作中で、出来とすれば60%程度。それでさえも自分の子供の未熟さを知られる様に照れくさい様な表情を浮かべておりました。これは物凄い力が入っている。音を聞く前にそう思わせる程でした。

 貝崎様が私達にユニットを廻して見て貰うようにと貸して下さいました。最前列の端に居た私は直接手渡していただきましたが、その瞬間の感想は「重い」でした。あのくらいの大きさでこの質量。重さが全てではないのは承知していますが、楽しみです。

 いざ音を聴いた瞬間、衝撃を受けました!。 

 これが12センチ?、38センチだってここまで叩かれた様な気持ちになった事は記憶にありません。

 そしてそれは色々な帯域から色々な音として一つ一つ向かってきます。

 世に言う高解像度とは全く異なる、微細にして方向の一体となった音達・・・。


 聞こえる音が多いと感じられるスピーカーは多々聞いてきましたが、それらはただ漠然と音を出しているに過ぎないと初めて思いました。そして不思議な事に、向かって右端に居る私に向かって、左のスピーカーからも同様の音が来るではないですか。恐らくは、あのイベントに参加した全ての方々が同様な体験をした事でしょう。何故?、どうして?、私には判りません。しかしそこにある現実は間違いないものでした。

 非常に軽い和紙製のコーンに強力な磁気回路。それによる高能率化で鳴る音は、とても安価なプリメインであるとは思えません。私は比較的大型に属するスピーカーを使用しています。それの能率はお世辞にも高いとは言えない数字です。それに音を聞いて気に入ってしまった真空管アンプを組み合わせて使用しています。
 以前に「鳴らし難いスピーカーを鳴らそうとするから鳴らないんだ」と言われた事がありますが、納得です。このカーディナルというスピーカーなら、全ての柵を断ち切って、自分のアンプの全てを引き出してくれるのではないか?、そんな期待まで膨らんでしまいます。

 貝崎様が常々口にして来られた「方向性」や「加速度」。私はついにシステム全体として見た上での最終的な出口が完成したのかなという印象を受けました。

 スピーカーは間違いなくオーディオの中では最も私達に近い、言うならば最後の末端です。ソースから始まって、プレーヤー、ケーブル、アンプ、ケーブル・・・どんどん進んでいって最後にスピーカーになるのは全ての方に共通でしょう。

 山を流れる流水がどんどんと速く、激しく、大きくなって行く様に・・・。そうした技術であると私は勝手に解釈しております。もっとも、このスピーカーに関しては、最後に海に行き着くというよりも、大滝の瀑布のようなインパクトではありましたが。

 きっとこのユニットに出会えた時は、刀の名匠が最高の玉鋼に巡り会えた時の様な心境だったと察します。そしてそれを鍛錬する段階で公開していただきました。作り手として、プロとして、恐らくはあまり嬉しくは無いであろう状態で拝聴させていただき、大変に嬉しく思います。

 これからどうなるのだろう?。 これからどこまで行くのだろう?。 考えるほどに自分まで顔がにやけてしまうのに驚きます。 価格的には大変高価になるとは思いますが、例え自分は購入できなくとも構いません。 このスピーカーが世に出る事。 その事が楽しみで仕方がありません。

 願わくば、この稚拙な1ファンの文章が、ほんの少しでも貝崎様の励みの一つになればと思い、今年もメールを送らせていただきました。どうかこれからも全てのオーディオファン共通の夢である、「良い音で聞きたい」という願いを叶え続けて下さい。

 駄文・長文、失礼をいたしました。

 山梨県甲府市 Y.M


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