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2作目のエンクロージャー



 ユニットのポテンシャルと素性を知る為に、最初のエンクロージャーは敢えて厳しいハードメイプルの密閉箱でテストしました。想定していたとはいえ、1作目の箱はロデオに出てくる暴れ馬のごとく元気を持て余していました。それはそうでしょう、全身筋肉の塊のような箱ですから・・・。


 如何に可能性があるとはいえ、そのままでは耳にキツくしょっちゅう顔をのけぞらすようです。とは言え、極端に軽い小口径振動板に強力過ぎるほどのアルニコマグネット回路はとにかく魅力的です。現代のスピーカーがいくら束になってかかって来ても負ける事は無いでしょう。

 2作目である今回の箱の特徴は底板のみハードメイプルで、その他は24ミリ厚のMDFで組み上げました。底板の厚みは38ミリもあります。その圧倒的なエネルギーを素直な振動特性を持つMDFに四方、上方へと音楽情報を正確に伝えるのが今回の設計意図です。


 MDFの最大の短所はデッドで音が走らない点にありますが、それを補う方法としてドイツ製の含浸剤を塗って組織の一体化を図りました。張りのある合板の長所を手に入れると同時に、跳ねるような合板特有の暴れもなく、素晴らしいS/Nの良い箱が完成しました。

 データー取りの為の箱ですから、背板は密閉用とバスレフ用の2種類用意しました。フルレンジですから箱の中の反射音をもろに受けてしまいます。吸音材の選択とかの問題をいくら研究しても、このサイズの容量では背圧の悪影響から逃れるにはどうにも無理があります。


 結局バスレフ式に似た方法に決めました。穴は二つあるのですが、ある帯域の低音が増強するような今までのような物ではありません。特許の関係で、今の時点でこの理論について詳しく述べられないのが残念ですが、非常に素直で自然な音の箱になりました。

 完成に向けて努力しています。
 楽しみにして頂きたいと思います。


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