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スピーカーの位置調整法



 自分なりに編みだした調整法

 このHPをご覧になっているみなさんはカイザーゲージを手にしている、もしくは1カイザー=105cmをご存知だと思います。そしてローゼンクランツで提唱しているスピーカーセッティングも各々試行錯誤されていることだと思います。

 僕はスピーカーをどこに置いたら一番良いのか、今も絶対ここしかないと言い切れるほどそのことに対して自信があるわけではありませんが、そうやって日々調整を繰り返しているうちに、素早く、望んだ位置に正確にセッティングするにはどうしたら良いか?ということを考えるようになりました。

 作業そのものに手間をかけること自体が楽しいというのならともかく、位置調整前と後で音にどういう変化が起きるのか、それが知りたくてそして最終的によい音楽を聴きたいがために調整をしているのです。

 だから一回の調整に10分も20分もかけていては大変だし、僕はそんなに時間をかけると調整前の音のことなど忘れてしまいます。なのでスピーカーセッティングにおいて素早く正確に位置調整することは僕にとって必要不可欠であり、急務なのでした。

 最初のころ編み出したものから最近の調整法まで、環境が違うから使えないということもあるとは思いますが、みなさんのご参考になれば幸いです。

 ■コンセプト
 1.正確にできる(再現性がある)
 2.素早くできる
 3.あまりお金がかからない


 中中調整法

 これはスピーカー前面と背面に辺の中心点(以下スピーカー中心点)を印し、ラック端からスピーカー中心点及び左右スピーカー中心点間を計算できるようにし位置調整に再現性を持たせることができる調整法です。

 □左右位置合わせ計算
 
 スピーカーの前後の中心くらいに1cmくらいのテープをはり、そのテープにスピーカーの1辺の中心を印します。(以下スピーカー中心点)このスピーカー中心点は左右位置あわせの土台になりますのでズレ無くやらないとこれからの作業が無駄になります。

 自分のしたいスピーカー間隔を決めたら下記の式に当てはめてください。

 それがスピーカー中心点からラック端までの距離[a]になります。
 スピーカー中心点からラック端までの距離[a]=(ラック長(横)[l]−任意のスピーカー間隔[b])/2

 □前後位置合わせ計算(ど真ん中に置きたい場合)
 
  ど真ん中に置きたい場合の式になってしまいますが、考え方自体単純なのでオフセットさせたい場合の式は割愛します。下記の式に当てはめて求まる数値がスピーカー端からラック端までの距離[X]になります。
 
 スピーカー端からラック端までの距離[X]=(ラック長(縦)[L]−スピーカー長(奥行き)[Y])/2

 前後左右位置合わせ計算しましたら後は実際定規なりメジャーなり使って実際にスピーカーを動かしてください。ここで一つ注意することは最初大まかにスピーカーを動かしてしまうことです。前後もしくは左右、片方を厳密に調整してしまうともう片方を調整するときに必ずずれますので注意してください。

 できれば前後左右を交互に2度3度調整を繰り返せば意図する位置になります。ただこのやり方は初期のころのやり方であまり洗練されているとはいえないため、計る部分が多すぎて時間がかかります。それでもやみくもにやるよりははるかにマシです。(再現性があるという意味において)


 端端棒調整法

 上記のやりかたに限界を感じ、次に考えたのは木の棒をつかうやり方です。用意するものは角棒60cmくらいがよいと思います。あまり長いと取りまわしが大変になり、思わぬアクシデントがあるかもしれません。何cm角かは入力端子等に当たらなければ自由でよいと思います。このやり方は結構最近まで使っていましたし、慣れればかなりの速さでできます。オススメです。

 □前後位置合わせ計算(ど真ん中に置きたい場合)
 
 まず前後位置合わせ計算を行います。
 やりかたは中中調整法と同じです。
 スピーカー端からラック端までの距離[X]=(ラック長(縦)[L]−スピーカー長(奥行き)[Y])/2

 違うのはここからで、ラック上に計算した距離のところにテープをはって印をつけます。このとき1箇所ではなくできれば2箇所以上やります。あまり多く作りすぎるとスピーカー位置によってはインシュレータが上に乗ってしまうことになりかねないのでその辺いい塩梅でやってください。最初は多めに作って必要が無い、もしくは邪魔であれば剥がすようにすればよいかもしれません。(棒の長さを考慮して)

 □左右位置あわせ計算

 中中調整法を簡単に素早くできるようにアレンジしました。基本は変わっていませんがスピーカー中心点を出す作業を省いてあります。そのかわりスピーカー間隔を測るのにスピーカーの端から端[b]を測るようにしています。

 LR同じ大きさ、側面が平面のスピーカーにこのやりかたは通用すると思います。

 スピーカー端からラック端までの距離[a]=(ラック長(横)[l]−任意のスピーカー間隔)[b]/2

 前後左右位置合わせ計算しましたら後は上記と同じように大まかに位置調整してしまいます。まず前後位置合わせ計算で印したところに棒をあてがいます。そうしてできた棒の直線を真上からみてスピーカーの背面の辺(面)と合わせます。

 そうすることで印した線上にスピーカー背面が来ている事になります。あとは左右調整ですが、まずスピーカー端からラック端[a]を計算した数字に合わせます。スピーカー間隔はスピーカーの端と端[b]で行うのでスピーカー上面が平面であれば簡単に計れるのではないかと思います。

 ただメジャーで計る場合引っ張ってスピーカーを倒してしまわないように気をつけてください。あとはもう片方のスピーカー端からラック端[a]を計り計算どおりか確認します。違えば左右のスピーカー端からラック端[a]の間隔を微調整してください。


 型紙でポン調整法

 昨年9月ごろに三次元スピーカーを購入して以来、四角柱のスピーカーから六角柱のスピーカーに変わったわけですが位置の調整(再現性のある)が難しいと思いました。(角が丸いのも要因の一つ)そこで試行錯誤の上、今までとは全く違う方法を編み出しました。

 今までのやり方だとAVラック上に設置しているためスピーカーの移動にインシュレータの再設置も付いてまわっていましたが、今度はそれが省けます。用意するものはタイトルにあるように型紙です。

 □型紙作り

 今回の調整法は型紙作りから入ります。多少大掛かりになってきましたが、実作業での時間短縮を考えれば仕方ありません。幸い三次元スピーカーの寸法はHP上にありますのでそれを参考にさせていただきました。

 普通OA用品であれば寸法表示は当たり前ですが、こと設計上の数字というのは表に出さない物だと思うのですがその辺の公開にも勤められている貝崎社長は凄いと思います。自分もものづくりを趣味ではありますがやっていますが、少しでも近づきたいと思います。

 話が逸れましたが三次元スピーカーの外枠の寸法はHPにありますが、インシュレータの置く位置は自分で考えます。つまりインシュレータの置く位置の数だけ型紙を作るという寸法です。あと金尺とできれば角棒(インシュレータより低い高さのもの)があればよいです。

 ちなみに一辺だけ線が異常に長くなっていますがこれは前後位置合わせのときに棒をあてがうために使います。インシュレータの丸の内の上二つは中心から線がたくさん出ていますがこれはインシュレータの向き調整のためです。

 □前後位置合わせ計算(ど真ん中に置きたい場合)
 
 次に前後位置合わせ計算を行います。やりかたは端端棒調整法と同じです。

 

 前後位置合わせ計算が終わりましたらとりあえずラック上に型紙をおきます。次に丸の部分にインシュレータを起きます。このときAマークの向きを型紙にそって調整します。

 

 そしたらインシュレータの上にスピーカーを置きます。置いたあとの位置調整ですがスピーカ側面を真上から見て型紙のスピーカー外枠と合わせます。これで型紙上にインシュレータとスピーカーが乗っている状態になりました。

 前後位置合わせ計算で印したところに棒をあてがいます。そうしてできた棒の直線を型紙の一辺だけ異常に長くなっているところと合わせます。そうすることで印した線上にスピーカー背面が来ている事になります。ちなみに移動は型紙をゆっくりひっぱることで行います。


 あとはスピーカー間隔の調整ですが更に素早くできるようなやり方を考えました。AVラックの寸法を測ったら結構な左右対称であることに気づき、そして直角もしっかりとでていることからそれを基準にしてしまうやり方です。

 具体的にはAVラック端の辺から金尺を当てて型紙の中心線までを測るやり方です。僕のAVラックは横1786mmの長さですがスピーカー間隔を945mmにしたければ型紙中心線からAVラック端まで420.5mmにすればよいのです。

 つまりスピーカー間隔は実際に測るのではなく差で出すということです。ですが、最近はスピーカー間隔が何mmという風にはやっていなく、左右対称にするために型紙中心線からAVラック端までを金尺で測っています。(カイザー寸法でのセットが必ずしもよいとは限らないため)

 ちなみにこの方法での位置調整にかかる時間は、ある程度移動量が多くなると3分弱くらいですが、1mm2mmの移動であれば前後の位置の狂いがそうはでませんので1分強くらいでやれていると思います。誤差は+-0.2mm以下で収めています。(たぶん)

 僕はきっちり寸法を測ってやったとしてもそれが必ずしも結果につながるとは思いません。ここでいう結果というのは最高であるということです。もしかしたら中心より少しずれていた方がよいのかもしれません。

 それは設計や想定どおりものができていないからだと思います。(厳密に言えば)誤差や公差なんて呼ばれているものもその一つだと思います。しかし、僕のようにオーディオ歴が短く基準となるものが全く無い場合、何をどうすればいいのか分からず途方にくれてしまいます。

 だから僕は調整するうえでの基準としてまず寸法に求めたというわけです。理想としては耳のみで合わすことができればよいですが、一朝一夕でできるものではないと思っています。

 機材が安いものであるというのも要因の一つかもしれません。しかし、セッティング次第で音が変わることを知ってから、こいつの力を120%引き出すまでは買い替えはできません。

 長々と書きましたが最初に言ったとおりそのまま使えるようなものではないのかもしれません。この中の一要素だけでもみなさんの目に止まればと思い書きました。最後まで読んでくださった方、どうもありがとうございます。


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