トップ情報音のカラクリ第18回 色とそのパターンによる音の設計

第18回 色とそのパターンによる音の設計

 ケーブルル/ネッサンス

 「ケーブル/ルネッサンス」と銘打って、近々ローゼンクランツのケーブルはフルモデルチェンジの予定です。今回の大きなテーマは色によるエネルギーの研究です。特にキーワードはR.G.Bです。Rはレッド、Gはグリーン、Bはブルーではなくブラックです。

 色の違いによる音の研究は既に何年か前から取り組んでおりましたが、本格的にやるのは今回が初めてです。それも有る物を使って有効利用するのではなく、最初からオリジナルデザインでケーブル用のネットを作る事から始めます。5種類作りましたので、ネットだけでも今回は大変な投資額になりました。

 今回は日頃研究してきた事を思う存分製品に反映させられるので大変やりがいがあります。昨年は「音を計る物差し」なる物を世界で始めて発表し、大いに気を吐いたところでした。'04〜'05年はローゼンクランツの2本柱であるインシュレーターとケーブルのルネッサンスの年です。

 私の持つ色に対するイメージ

 木の葉の緑色は季節の移り変わりに正確に反応し、秋になれば黄ばみ、気温の低下に伴って紅葉します。やがては落葉し、また春になれば新緑が芽生えます。木はこうして一年の年輪を刻んで行きます。すなわち緑はエージングを表す色と私はイメージしております。

 それを音に置き換えますと、声から正確に年齢を表してくれるのは緑色の力と信じています。可愛い子供達の声は甲高いものですが、年齢が10歳を過ぎるころから声変わりが始まり、また、青年、壮年と次第に年なりの声に変化して行きます。

 老若男女の細やかな違いを描き分けるのが緑色なのです。そして、この正確さを表す色こそ高音に大きな影響を与えるものだと考えております。オーディオに於いてはクロックの精度とか音楽のリズムやピッチ等と関係する世界です。

 その反対に年齢には関係なく、移ろいやすいのは人の心であり感情の変化です。私の場合はそれを赤色に重ねて考えてしまいます。顔を真っ赤にして怒るという言葉があるように、感情の高まりのピークが赤色に思えてならないのです。喜怒哀楽、これはスピーカーでいうところの中音域と強い関係があります。

 全ての色の集合体である黒はエネルギーを表しますのでスピーカーでいえば低音の世界です。

 この3つの関係を偶然にも完璧にこなしているのが、ジャズ評論家の寺島靖国さんのスピーカーの色です。彼は自由に色を選べるアバンギャルドのスピーカーの色をこの私のイメージ通りパーフェクトにデザインしたのです。高音のホーンが緑、中音と中低音が赤、低音が黒、寺島さんの実力は耳より目にあると私は診ました。誰に相談する事もなく色のエネルギーバランスが実現出来たのは、寺島さんの深層心理の中には自分で気がついていないだけで、完璧に音のイメージが出来上がっている事を物語っているのです。

 今まで中々良い音に恵まれなかった、”大器晩成”の寺島さんですが、ついに”老いらくの恋”を実らせたのです。このスピーカーによって寺島さんの音とジャズに対する評価は、今後うなぎ登りになるのではないかと私はみております。60過ぎて出す音がその人の真のオーディオの実力です。

<寺島邸のスピーカーの写真>

緑・・・・・高音
赤・・・・・中音
黒・・・・・低音

 この3者の色のエネルギーは同じで、お互いがバランスを取り合っているように見受けられます。魅力あるステレオ音楽再生は緑、赤、黒の3色を如何に上手く使うかに掛かっていると言っても過言ではありません。

 色のパターンは作曲と同じ

 4分音符、8部音符、また16音符と色の幅と繰り返しの間隔がリズムやメロディーを奏でるのと同じイメージで設計しました。16を1小節になぞらえ、緑を8、黒を4、赤が4とし、編み込まれるもう一方の相方陣は緑を6、黒を6、そして赤を4としています。3色の占める全体の中の割合は緑が43.75%、黒が31.25%、赤が25%です。
 
 844 664 844 664 844 664・・・このようにリズムが刻まれる仕組みなのです。

SP-RGB1 2.7kaiser 36,750円(税込み) SP-RGB2 2.7kaiser 96,600円(税込み)

 そして圧巻は糸の太さの違いを利用してネットにウェーブが生まれるように編んだ事です。恐らくケーブルのネットにウェーブを持たした設計は、世界広しといえどもローゼンクランツだけでしょう。

 この発想の元は「空間の時間軸の研究」の中から発見出来た、音の良し悪しの周期性を持った「カイザーウェーブ」も参考になっていますが、もう一つは「ディンプルパターン」のインシュレーターも大いに役立っております。

 それもこのネットはエネルギーが大変強いので、スピーカーケーブル専用設計なのです。いくら音が良いからといって、どこに使っても良い訳ではありません。もしこのネットを信号の上手に使ったなら、そこから下の流れが詰まってしまい、音楽は鬱屈して失速状態になります。使う場所とお互いの関係によっては、却って音楽が流れにくくなりますので、下手をすると評判が悪くなる恐れを持っているのです。優秀であるが故に浮いた存在になりかねない。何か人間関係に似たところがあります。

 LとR用に別々のネットの設計

 最高級ケーブル用に開発したレッドラインシリーズのネットですが、実は左チャンネルと右チャンネルの設計を変えてあります。これは大変高度な考え方ですが、いつでも同じ物を作る事が出来る自信があるからこそ出来る技なのです。音の違いに大きな影響力を持つのが素材の持つ響きの方向性です。高性能な音作りを志すなら絶対に避けて通れないのがそれを聞き分けられる耳を持つ事です。

 どんな人でも目や手足、対になっている物は実は微妙に違いがあります。もしもそれらが寸分違わぬほど同じであったならば、人間は生きて行けないのではないかと私は思っています。その微妙な差をもってしてミクロの時間差や温度の違いなどを感じ取り、また大きさの違う足で踏ん張ったり、2本脚で走ったりの高度な芸当が出来るのは生き物の中でも極めてまれな能力です。そうした微妙な力の加減を瞬時に演算しているのでしょう。

 似たようで違う二つの測定器を持ち、それを脳のコンピューターで瞬時に過去のデーターと照らし合わせて答えを出しているです。デュエットやコーラス等も微妙に違う声質の重なり合いが揺らぎや重厚さを醸し出しています。合っている事とずれている事、それも心地よく感じる範囲の中での出来事でなくてはなりません。

 大半の物の出来栄えは、この範囲を逸脱している物が多いのです。ですから音楽を聴いた時に高音がうるさくて耳に刺すように感じたりするのもこの関係が成立していない事から来るものです。この診断が出来ない限りはいつまで経っても良い音に巡り合う事は出来ません。

 この最高級ケーブル専用に開発した黒地に赤いラインのネットはレッドラインシリーズのネーミングでお目見えします。赤のラインが3本そして8つ目に1本の赤が来るパターンです。これが右用で、方や左用は見た目にはほとんど同じなのですが、赤のラインが3本は同じで、次に来る赤の1本のラインが間を一つ空けて7本目と9本目に来ます。丁度どちらも8番目の所にある基軸は変わらないのですが、その上に立っているのとまたいでいるのとの違いだけなのです。

 人間の目で言うと一重と二重まぶたの違いのようなものです。ローゼンクランツ製品の物作りもセッティングに於ける音作りも全て左チャンネルから右チャンネルに音が抜け易いように設計してあります。このレッドラインシリーズのネットも然りです。不思議な事にこれを逆にすると音楽の流れが悪くなるのです。

レッドラインシリーズはL・R専用設計のネット
Pin-RL(Limited) 0.9kaiser 157,500円

 ピンプラグの色の違いで音の調整

 ケーブルについては今までは全て私の手作りでしたので、生産数にも限りがありエントリークラスの物までは出来ませんでした。また、そんな理由もあって多くのお店で売って貰う事も出来ませんでした。それがあまり宣伝していない一番の理由だったのです。

 今回オリジナルネットの開発に伴い、思い通りの音作りが出来る有利さを手にし、製造を他人に委ねても秀でた構造や設計による音の支配率を上げる事によって、製品間の性能のバラツキを抑える事に成功したのです。
 
 そのローゼンクランツのエントリークラスのピンケーブルの設計についてのお話してみたいと思います。ピンプラグ選びの中で私の候補に上がったのが、種類の豊富さを誇るシャークワイヤーの物でした。5.5φ〜10.5φまで実に22種類もあるのです。使うケーブルの太さの違いによる内径の関係、デザインと識別の為に色の種類も豊富です。

 その中でも私が選んだのは内径7φでホット部分が銀メッキの上にロジュームメッキを施した大変贅沢な物です。色をシルバーとガンメタの2種類選びました。実はその使い方にローゼンクランツならではのノウハウがあります。色による加速度組み立てを敢行したのです。薄い色から濃い色へとエネルギーが流れる性質を利用してやるのです。

 信じる人だけで構いませんが、その方法で実はホット側とマイナス側の金属の方向性の違いを撥ね退けて、光と色の関係で方向性の序列が決まってしまうのです。これによって誰が製作に当たっても音のバラつきから解放されるのです。但しお断りしておきますが、ローゼンクランツのオリジナルネットを通さないとこの効果はありません。

 それは音が証明してくれますので、発売になりましたら是非このケーブルを買って下さい。10万円以内のピンケーブルでしたらどんな物にも負けませんので、聞き比べてみて下さい。このピンケーブルとペアーで使って欲しいスピーカーケーブルはSP-RGB1とSP-RGB2です。

Pin-RGB2 0.9kaiser 73,500円(税込み)

A&Vvillage 1月号 第71号 P.112〜P113に掲載されています。

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ウェルタワー深川606
社 名 カイザーサウンド有限会社
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