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Pass Labs SR-1とMcIntosh MC-1000

貸し出し試聴の結果 『音の違いがよく判らない!』

気流の緩急を利用したルームチューニング製品、サウンド・リボルバーとストリーム・リバイバーがこのところ話題沸騰中です。富山のH.Sさんより貸し出し依頼があったので早速お送りしました。気流という言葉はオーディオ用語として今までに馴染みが無かったので、その理論や構造そして効果についてご理解頂くのに時間が掛かります。

返って来た感想は、『音の違いがよく判らない!』でした。

私が持ち込んだ今までのケースでは、効果抜群! 

導入率100%だったので、

“どういうことなんだろう?!” 

戸惑いをと同時に原因を解明したくなりました。

富山はベンツの中古車を購入した店がある関係でこのところ何度か足を運んでいます。魚は美味しいし私にとってとても魅力のある町です。H.Sさんのスピーカーは見た事もないPass LabsのSR-1。聴いてみたい気持ちと設計部分に興味が湧いて来ました。

http://www.electori.co.jp/pass.html


車椅子での生活という事をお聞きして、何かお手伝い出来ればという気持ちと、勉強も兼ねて押しかけクリニックの形でお伺いする事になりました。


ちぐはぐ感のある音

システムラインナップ

プリアンプ  マッキントッシュ  C-46
パワーアン  マッキントッシュ  MC-1000X2
CDプレーヤー  リンダーマン  820
スピーカー  パス・ラボ  SR-1

聞き手側の天井部が吹き抜けになっています。そんな特殊な形が生み出している音なのかな?! と耳を澄ませて聴いていると、それよりもスピーカーとアンプとのやりとりが上手く行っていない時の現象が音に表れています。


原因として、電源系、スピーカーケーブル、スピーカーの設置等が考えられます。重たいスピーカーですが地震対策用のボードに載せてあったのでいとも簡単に動かせます。


ほんの僅かな力で前後左右に5センチほどぐるぐる動きます。スピーカーの位置出しにはこれほど有難い事はありませんが、こうも簡単に動いてしまっては折角合わせた音も狂ってしまいます。二つ良い事は無いという典型例です。


四番の一振り

先ずは部屋との響きの周期の良い場所をスピーカーを動かしながら探し出します。これだけでかなり良くなりました。続いて、開発したばかりのパワーアンプ専用電源アタッチメントを繋いで聴いて頂きます。

これは驚くほど好結果になりました。マッキンのアンプはゆったりとした音は得意ですが、スピードにやや難があります。それがどうでしょう!? アンプアタッチメントを繋いだ途端に切れの良い音に変身したではありませんか。


今までに数件持込みどこでも素晴らしい結果を出していますが、今日ほどの効果には当の私も驚きを隠せません。そうした結果は当然といえば当然です。魅力ある音に変えてしまうアンプアタッチメントの事を、「四番の一振り」というニックネームを付けたほどですから・・・

どうやっても上手く行かなかった問題を一気に解決してしまうのです。

SR-1は私の想像より遥かに完成度の高いものでした。昨今の各社の値付けから考えると3,300,000円(ペアー)はとても安いと思います。周波数特性、エネルギーバランス、各帯域の音の繋がり、デザイン等どこをとっても申し分ありません。

アンプアタッチメント一つで見事な音になりましたので、今回のクリニックのきっかけとなった気流関係の検証は先延ばしにして、先ずはスピーカーの足場の完成を優先した提案となりました。


万が一に照準を置くか、日常に照準を置くか

地震対策も大事ですが、万が一の為の事を優先するあまり、日々のパフォーマンスが安定しないのは私には解せません。こんな重たいスピーカーが倒れるほどの巨大地震に遭遇した時は運を天に任せるしかありません。


それよりも毎日音楽の感動を手に出来るスピーカーの設置方法になさった方が良くありませんか? と、ローゼンクランツのサウンドステーション3/Lをお勧めしまた。今回のクリニックで全く別のステレオに生まれ変わった事に気を良くされ、私の提案を受け入れて下さいました。

サウンドステーションは注文頂いてから制作に入る受注方式にを採っています。いつものように集成材の注文をすると、ハードメイプル材の長尺物が入らなくなったので、加工済みの板から作るしか無いので今までの倍の値段になってしまうとの事。

ローゼンクランツのお家芸である、縦方向継ぎ目無し1本通しの集成材製品は大幅な値上げを余儀なくされます。しかし、今回の注文分に関しては当方で被るしかありません。

この続きは、サウンドステーション納品時にお届けします。

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