トップ情報ケーブルRGBケーブル試聴体験レポートコンテスト動の闊達さを取るか?、静の艶麗さを取るか?

動の闊達さを取るか?、静の艶麗さを取るか?



銀 賞

 ----- Original Message -----
 From: Y.A
 To: info@rosenkranz-jp.com
 Sent: Wednesday, March 30, 2005 7:49 PM
 Subject: SP-RGB2ケーブル試聴記

貝崎様

 ケーブル届きました。
 それで、下記に試聴記を書かせて頂きました。

 「ローゼンクランツ、SP-RGB2ケーブル試聴記」

 偶さか、貝崎さんからお電話頂いた事が、そもそもの事の始まりであった。
 新しいケーブルができたので、一度試してみませんか?
 と言うのである。

 そう、
 こんな氏の熱心な尽力により、
 今の我が家は、まるでクランツ博物館だ。

 インシュ、ケーブル、プリアンプ、
 右も左も、
 上から下まで、
 見事に貝崎色に染まっている。

 先日もウィルソンオーディオ用のスパイクを新調してもらったばかり。

 そんなクランツ魂の宿った我が家のシステムに、
 新たに完成した、RGBケーブルを試してみませんか?と言うのである。

 確かに、以前から、
 氏のHPにおいて、
 その製品に対する万全の自信の程は窺ってはいた。

 そして、何より、
 そのケーブルに対するレビューの中で、
 実は私は私で、すこぶる気になる文言が書かれてはあったのである。

 ―エネルギーが増す。

 つまり、
 日頃、貝崎サウンドを享受している我が家にとって、
 唯一の泣き所と言うのが、実は、この迫力と言う部分だったのである。

 天は二物を与えず。

 バラードを歌わせれば天下一品のクランツケーブルではあったものの、
 キングクリムゾンを聴いても、
 レッドツェッペリンを聴いても、
 どこか上品に過ぎてしまうのだ。
( CDP、PA、SPの持ち味の部分も、もちろんあるが。)

 そんな思いを抱いていた時の、氏からの申し出であったから、
 私は一にも二にもなく飛びついた。

 是非、お願いします。

 しばらくして、
 ついに件(くだん)のケーブルが我が家へ到着。
 幸せモードの準備も、とっくにできている。

 で、
 つなげてみる。

 しかし、
 直ぐには真価は発揮できない。

 なぜなら、
 私が試聴をお願いしたのはSPケーブル。
 特性上、一旦、パワーアンプの電源を落とさなくてはいけない。
 復旧には、まるまる1日掛かるのだ。

 そして、翌日、
 待ちに待ったお試しタイム。

 レッドツェッペリン。
 天国への階段。

 瞬間、
 その躍動感たるや・・・す、素晴らしい!

 ギターが、ボーカルが、
 見事に飛び散っている。

 こんな熱気を浴びてみたかったのだ。

 こんな飛沫を浴びてみたかったのだ。

 たった1本で、たちまち我が家を蹂躙してしまう。

 じゃぁバラードはどうか?

 私はいつものステイシーケントにディスクを変えてみる。

 ところが―、

 悔しい事に、色気の立ち方は以前の方が良いのである・・・。

 しっとり感。
 潤い。
 芳醇さ。

 こと艶やかさを追い求めるのなら、
 今までのSP-1S(8NPerfect)ケーブルの方が、しゃなりと胸に溶け込んで来るのだ。

 やはり、
 バラードは躍動しては駄目って事か?

 困った。
 大いに困った。

 嬉しい悲鳴とは簡単には言えない。

 私の今後の方向性を左右する、非常に重要な分岐点でもあるからだ。

 動の闊達さを取るか?
 静の艶麗さを取るか?

 とは言え、
 こう言う悩める時間と言うものは、
 マニアにとって存分な至福でないはずがない。

 オーディオとは止まることが許される趣味だとも言う。
 (私の知人の言葉)

 ゆっくりと構えながら、あれこれ算段すると言う楽しみを、
 今、体感している最中なのである。

 目の前に現れた、もう一つの天国への階段。

 いつものように、いつものごとく。
 例のように、例のごとく。

 貝崎氏からのプレゼンテーションには、
 素敵な宿題が包蔵されている。

 <了>


 と言う事で、
 すいませんが、
 しばらく悩ませて下さい。

 選択肢は、実はケーブルばかりではなく、
 ナイアガラJRも1台増やすかどうかも選択肢に入っており、
 (無論、お金の算段もあります。)
 もう少し悩み抜いてみようと思います。

 お借りさせて頂いたSPケーブルは、
 明日にはそちらへ返却手続きさせて頂きます。

 正直、
 元に戻すのが恐いです。

 それでは、
 今後ともよろしくお願い致します。

 ありがとうございました。


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