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ローゼンクランツの音の良くなるエッセンスだけが欲しい



 ----- Original Message -----
 From: "T.S"
 To: <info@rosenkranz-jp.com>
 Sent: Tuesday, April 05, 2005 10:27 PM
 Subject: RGBケーブル体験レポート
 
 以下は感想文と「おまけ」です。

 感想文

 RCAピンケーブルと電源ケーブルの試聴をオーダーしたのだが、「当社のRCAケーブルはパワーが強いのできつく聞こえることがある。スピーカー・ケーブルまでそろえるとそのようなことにはならないので特別につけておいた」とのことでスピーカー・ケーブルまで入っていた。嬉しいことである。

 私のシステム構成は、CDトランスポートからディジタル・ケーブルを介してDAコンバーターへ行き、ピン・ケーブルでアッテネーター、そこからピン・ケーブルで2系統に分かれ、2台のメインアンプからスピーカー・ケーブルを介して中高音用と中低音用のスピーカーにつながれる。

 したがって、電源ケーブルは4本、ピンケーブルは3ペア、スピーカー・ケーブルは2ペア使われている。ケーブル類はすべて自作を目指しているが中低音用のスピーカー・ケーブルは市販品のままである。自作品と聴き比べるというのもなんなので、ピンケーブルだけは以前に使っていたアクロテックに戻した。他のケーブルは自作品しか残っていないので仕方がない。

 3種のケーブルの試聴には最小限のシステムの方が有利なはずで、ケーブルの本数が多い私のシステム構成は不利であろう。

 まず、てっとりばやく交換できるピンケーブルを交換する。アッテネーターと中高音用のアンプをつなぐピンケーブルをローゼンクランツのものに交換した。ケーブルは細くピンピンとしてしなやかだが、硬めのものである。コネクターは非常にきつめのもので、グリグリと押してようやく入った。このきつさは好感を持てる。音はどうか。一気に雲が晴れるとか、低音がブワーと出るとかの激変はしない。ただソノリティが少し上がって抑揚が増したという感じである。

 次に電源ケーブルを交換する。電源ケーブルも太さこそ違うが、ケーブルの性状、作りはピンケーブルと共通である。音はピンケーブルを最初につないだときと同じ方向の変化である。ソノリティがアップし、フォーカスが合ってきた感じがする。低音が出ると感じたのはソノリティの向上のせいだとばかり思っていたが、実際に低域が出てきた。システムに使われるケーブルが多いせいか、特にエルギーが強すぎるということはなかった。

 最後に中低音用スピーカー・ケーブルを交換する。これは中高音用のスピーカーにつなぐにはケーブルの長さが少々短いからである。時間軸というのが合ってきたというのだろうか、ミクロの時間帯で見ても出るべきところで出て、ダイナミックレンジが上がっていると感じられる。マクロで見ても低域はオケのトゥッティで聴くと実際に爆発する。

 すべてのケーブルを交換するとかなりの変化が期待できる。しかし、これが私の望む音になるのか。実はケーブルを換えてすぐに「ああ、これはカイザーのお店で聴く音だな」と思った。ひとつの傾向があるのだ。よく引き締まって、エネルギーに満ちた音、それにはいささかの不満もない。しかし、今、耳にする音は私の求める理想像とは若干ずれている。
 私はこの数年間広響他のライブを聴き込んだ。ライブといわゆるオーディオで聴く音の違いというのは途方もないエネルギーそのものとエネルギー感の違いであった。もうひとつある。底抜けに晴れやかで華やかであっけらかんとした音と暗く渋いひとつの枠の中で鳴る音の違いであった。エネルギーの部分ではローゼンクランツを支持できる。しかし、ローゼンクランツのケーブルは暗く渋いわけではないにしても、すくなくとも前者の線上にはない。なぜそうなるのか、私には説明ができない。


 本来の感想文はここまでです。誉めるだけしておけば当たるのだろうけれど、ついつい

 本音の部分も少しだけ書いてしまいました。

 以下は感想文に書いては絶対当たらなくなる本音の先の部分です。


 「おまけ」

 最近、ノイズ取りのフェライトコアを使ってみた。友人のNさんがノイズ取りをして音がよくなったから、聴きに来い、来いとしきりに勧めるので、ああまたいつものことだ、どうせ大したことはないだろう、と思いつつ聞きに行ったらこれがびっくりするほどよくなっているのですね。元々の音の傾向が変わるわけではないが、ピアノを置いてあるステージからの反響とかピアノの向きまで手に取るようにわかるのです。

 それでNさんに聞いて近所の店に注文するとアクースティックリバイブの8個入りが届いた。いろんなところにかますと、見違えるように音がよくなりました。DAコンバーターの電源コードはノイズを出しているだろうからひとつはそれに使っていた。だから、ローゼンクランツの電源コードに換えたときもフェライトコアなしとありとを聴いた。付けてみるとこれがやはり相当に効くのである。勢いに乗って最後のフェライトコアはピンケーブル2本をまとめてかましてみた。そうするとこれも効くのである。音の傾向は若干、若干私が求めている方向に進んだようです。

 ところで、フェライトコアはいろんなサイズのものが8個入っていて4,000円、しかし、フェライトコア8個トータルでの音の変化率の方がローゼンクランツさまのケーブル3本よりは大きかったのでございます。

 フェライトコアは、これならばもっと使ってみたい、しかしあんなものが1個500円は高すぎるだろう、ということでネットでオヤイデ電気のページをすみからすみへと目を通すと、フェライトコアは1個250円、やったー。それからノイズビートテープ(?よく覚えていない)とかいう『新製品』があって、フェライトコアとの比較がしてあり、こちらの方がよく効くというようなグラフが載っている。そのグラフの単位が何を意味しているかはわからないけれども。

 いつもノイズ取りの目的でアルミ箔をケーブルに使用していたけれど、このノイズビートケーブルにはアルミとの2枚重ねのものもある。では、ローゼンクランツのケーブルを買って本格的なノイズの対策をしたらどうなるのか。それとも自作ケーブルを作って対策すれば済むのか。

 というようなことを考えつつ試聴を終わりましたが、すっかりはずして聴くとこれはまた、なんと寂しいことか。フォーカスがぼけぼけで芯がない感じ。あーあ、当たらないように書いてしまったなあ。ただし、不思議なことにかろうじて晴れやかな明るさだけはこちらの方が上である。いつも思うのだが、ローゼンクランツの音の良くなるもとだけを、エッセンスだけを振りかけることが出来ればそれに越したことはないのだが。


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