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「The Maestro」の音楽性に感激



 ----- Original Message -----
 From: Y.M
 To: info@rosenkranz-jp.com
 Sent: Monday, October 08, 2007 8:26 PM
 Subject: 2007ハイエンドショウにて

 メールにて失礼を致します。

 今回のハイエンドショウにおいても大変貴重な体験をさせていただきまして、誠に有難うございました。春にもイベントに参加させていただきまして、その時受けた衝撃は今もって忘れる事が出来ない程でした。

 それほどまでに、完成形となったカーディナルスピーカーは素晴らしかったです。その時にご厚意で貝崎様からデモで用いていたCD-Rを頂戴しましたが、それがその後からこれまで、様々な経験をさせてくれました。

 まず、帰ってから自分のシステムで再生し、出る音の酷さに打ちのめされました。次に、様々なショップで再生していただきました。ですが、失礼ながらその時の音にはとても及ばず・・・。この半年の間、非常に悩ましい想いを抱えていただけに、今回も是非良い音を体験させていただこうと勝手に決めておりました。


 会場に行くと、全く想像していなかった新型のスピーカーがあり、大変驚きました。『The Maestro』と言う名称のそのフロア型スピーカーを見て、「これはまた凄い音が体験できるんだろうな・・・。」と、期待を通り越して、悩ましさへの不安さえ覚えたほどです。

 第一印象では低域用のユニットを追加したものなんだな、と漠然と思っていました。その代わり、前作で追求しておられたバスレフポートは無くなっていますし、形状もアールの付いた物になっています。

 理由も無しに「同じ物と考えない方が良さそうかな」と素人考えを巡らせていました。前作のカーディナルは、手前勝手な印象で言えば、『刺身』の様な感じでした。猛烈に新鮮で、素材の旨味以外の何物も感じない純な味です。

 だから、今回はそれに比べて手を加えた味になっているのではないか。そう思いました。それはコース料理の様に流れ全体で味わうものかもしれませんし、絶妙の塩加減と焼き加減で為す焼き魚かもしれません。


 果たしてどうなんだろう、と聴いてみると・・・・・

 『刺身』でした。厳密には同じ『刺身』であっても、前より旨味が格段に増している『刺身』です。前作はとにかく鮮度が高く、釣ったばかりの魚をおろした時の味ですが、今回は然るべき『〆』を行い、旨味成分が出切った所で食す『刺身』の味でした。

 どちらが好みなのかは個人の嗜好によるのでしょうが、私にとっては今回の音の方がずっと好みです。先程書いた私の第一印象などは全て誤りであり、目指す頂は前作と同じ所である事も伝わりました。

 技術的な事については自分の無知な頭からは想像もつかないと思いますが、パッシブユニットや金属筐体の技術やアイデアがどれほどのものかと言う事は、実体験をもって理解出来たと思っています。講演中に無色のスピーカーを目指されたと伺いましたが、正に純真無垢。だからこその、恐ろしいまでのソースに対する適応性。

 お聞かせていただいたハープの余韻、

 打ち込みの歯切れの良さ、長渕剛の情感こもった声・・・・。 

 どれを聞いてもその為に特別に製作をしたのではないかと思える程の音です。

 逆に、この音は純真無垢故の怖ささえ感じます。

 恐らく、私がただ手に入れて鳴らしただけでは、その辺のスピーカーより劣る音が出そうな予感がするのです。私は特にそういったセッティング技術に劣っていますので、それに応じたレベルの音を残酷なまでに再現してくれるのではないか、という事です。

 転じて、卓越されたセッティング技術であればあるほど、その音は限界を知らずにどこまでも良くなるのではないでしょうか。

 そう感じるだけに、それが貝崎様の手によりセッティングされるならば、何も不安など無い事でしょう。製作そのものに自分の全てを懸け、またそれによりこれから更に自分を表現出来るであろう作品を完成させられた事、誠に尊敬致します。

 山梨県甲府市 Y.M


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